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【保存版】ハイハイの重要性を徹底解説!子どもの運動能力を伸ばす、遊びのヒント

こんにちは!

こもれびWorks&Lab.の小野マサヤと申します。(まさ@こもれびサポート)
この投稿を見てくださってありがとうございます!

日々、子どもたちや親御さんと関わる中で、「発達のプロセスって本当に奥深い」と感じることが多々あります。

特に、運動発達の中で重要な役割を果たす「ハイハイ」について、今回はじっくり掘り下げてお話ししたいと思います。

少し専門的な内容になりますが、「マニアックな話もたまには良いでしょ?」という気持ちで、ぜひ最後までお付き合いください!


ハイハイはただの通過点じゃない!

歩行獲得までの流れとしてつかまり立ち→立位→歩行と発達していきます。その前段階として、ほとんどの子どもがハイハイを経験します。でも中には、ハイハイをあまりせずに「いざる」(座った状態でおしりをずらして進む動作)を経て、立位や歩行へ移行する子もいます。

一見、発達の個性のひとつのように思えますが、実はハイハイをあまり経験せずに成長した子は、以下のような特徴が見られることがあります。

◆身体のバランス感覚が不安定で転びやすい

◆歩行時にふらつきやすい

◆集中力が持続しにくい

その背景には、「ハイハイによって培われる身体機能の発達を飛ばしてしまった可能性」があるんです。

ハイハイは、全身の筋力や感覚を統合し、運動機能をバランスよく発達させるための大切なプロセスなんですね。

僕も療育の現場で、お子さんの身体の動きや運動面の援助をする中で、ハイハイの重要性を改めて実感しました。では、ハイハイが具体的にどんな動作を獲得するのに役立っているのか、一緒に考えていきましょう!

ハイハイがもたらす運動機能の発達

「ハイハイなんて誰でもできるでしょ?」と思うかもしれません。でも実は、ハイハイの動作には高度な運動機能が詰まっているんです。

バランスをとる力

・両手を地面につき、同じ力加減で体を支える。
・両膝も同じように地面につき、均等に体重を支える。
これがうまくできないと、バランスが取れず、ころん♪って転がってしまうんです。


相同運動の習得


「相同運動」とは、両手や両足に均一に力を入れて体を支える動きのこと。 ハイハイの経験が少ない子は、この動きが苦手な傾向があります。
筋力の発達 腕や脚の筋力をバランスよく使えることで、立つ・歩くといった動作の土台を作る。

特に肩や股関節周りの安定性が向上し、スムーズな歩行につながる。 こうした運動機能をしっかり発達させることで、転びにくくなったり、姿勢が安定したり、集中力が持続しやすくなったりするんです。

原始反射の観点から見るハイハイ

「原始反射」とは、人間が生存・発達していくために必要な反射のことで、身体の動きや外からの刺激によって自然に出てくる動きを指します。

例えば、赤ちゃんの口元を刺激すると口をすぼめておっぱいを吸う「吸啜反射」があります。このような反射は、主に乳児期に口元だけでなく様々な場所に現れます。

ハイハイに関係する反射の中でも、特に重要なものが2つあります。

ハイハイに関係する原始反射

1. 対称性緊張性頸反射(STNR)

頭を上げると腕が伸びて足が曲がり、頭を下げると腕が曲がって足が伸びる反射。この反射は、うつ伏せから四つ這いへの移行を助け、体を地上から持ち上げるために重要な役割を果たします。這う動作(ハイハイ)を通じて体の上下の協調性が発達し、反射が統合されますが、残存すると姿勢の維持や視覚と手の協調が難しくなることがあります。

2. 緊張性迷路反射

うつ伏せで頭を持ち上げると体が伸び、仰向けで頭を前に倒すと体が丸まる反射。この反射は、ハイハイを通じて姿勢制御の発達を促し、統合されていきます。しかし、残存するとバランス能力や姿勢の安定が難しくなることがあります。

遊びで原始反射の統合を促す

緊張性対称性頸反射(STNR)の統合に有効な遊び

STNR(対称性緊張性頸反射)の統合を促すためには、頭の動きと腕や脚の動きを協調させる遊びが効果的です。

★トンネルくぐり
ハイハイの動作を通じて手足を独立して動かす協調運動を養うのに役立ちます。また、四つ這いや這い這いの動きを取り入れた遊びも効果的です。
★ワニ歩き
お腹を床につけて進む

★クマ歩き
膝をつけずに四つ這いで進む

★ウサギジャンプ
両手をついた後に両足をそろえてジャンプする

これらの動きを遊びの中で行うことで、楽しみながら体幹と四肢の協調を促すことができます。また、前を向いて障害物の距離を測りながら進むことで、空間認識力も養われます。

緊張性迷路反射の統合に有効な遊び

★スターフィッシュエクササイズ(体を縮めたり広げたりする動き)

やり方(基本の流れ)

① スタートポジション(縮こまる姿勢)

  1. 仰向けに寝る。

  2. 両腕を胸の前で交差させる。(手は肩を抱くように)

  3. 両足を閉じて膝を軽く曲げる。

  4. 顎を引いて頭を少し丸め、身体全体を「ぎゅっ」と縮める。

② スターフィッシュポーズ(大の字に広がる姿勢)

  1. 「パッ!」の合図で、両腕・両足を大きく広げる。

  2. 顎を上げて、胸を開きながら背中を伸ばす。

  3. 指先までしっかり伸ばし、星のような形(大の字)を作る。

③ 繰り返す

この動きを、ゆっくりしたテンポで5~10回繰り返します。


★ハンモックを使った遊び

これは僕が施設の個別支援でよくやる遊びです。
お子さんをハンモックに寝かせ、「体ぎゅ~ってして!」と声をかけながら丸まる動きを促す。「3、2、1!ぱー!!」の掛け声で体を大の字に広げる。
※この際、ハンモックからの落下に注意してくださいね。
→必要に応じてハンモックを揺らして揺れ刺激も同時にインプットしていきます。

最後に

ここまでお読みいただきありがとうございました。
僕自身も記事に起こしながら、改めて発達の知識の棚卸ができました!!

今回ご紹介したことは、ハイハイという動作を紐解く上でのほんの一部分です。また、折を見て、一つの動作を掘り下げていくような記事を書いていきたいと思います。

最後に、一番大切な部分をお伝えしたいと思います。
無理にトレーニングのようにすると、子どもは楽しめません。

大切なのは子ども自身が「ワクワクする!楽しそう!やってみたい!」と思えること。子どもの目線に立って、どんな遊びなら無理なく経験できるかを考えていくことが大切だと思っています。
※偉そうなことを言っていますが、僕も失敗ばかり、日々試行錯誤です・・・><

色々と難しい話をしましたが、結局のところ、一番大切なのは「楽しく遊ぶこと」!

お子さんと一緒に、楽しみながら運動の経験を深めていきたいですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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