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韓国のゲームショウ、PlayX4の出展タイトルからピックアップ!

韓国で春に開催されるゲームショウの中では最大級のイベント、PlayX4(プレイエキスポ)。この記事では、開催期間や会場などの基本情報をご説明してから、私がスプレッドシートに作成した出展タイトルリストを共有して、記事内でも注目タイトルをご紹介します。


フリーランス翻訳者の方々へ

韓国語→日本語のゲーム翻訳にご興味のある方は、このような展示会に足を運んでいただくと、ジャンルの傾向や業界の動向などが少しつかめて、お仕事の役に立つかもしれません。飛び込み営業をしてみてもいいと思いますが、実際に案件を受けることができたとしても様々な苦労がありそうです。記事の最後に私の意見をまとめていますので、そちらをご覧ください。

基本情報

開催期間:2024年5月23日(木)~26日(日)
会場:京畿道高陽市にある国際展示場KINTEX。ソウルの中心部から地下鉄で一時間ほど

公式サイトのB2C(一般参観者向け)のページはこちら。英語または韓国語

ブースマップはこちら。現時点では韓国語版しかありませんでした。

Steamのイベント特設ページ


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X(Twitter)で作成したリストに出展社のアカウントを登録しました。


出展タイトルリストを共有!

ブースマップにある出展社一覧をもとに、Google スプレッドシートに私が調べた情報をまとめたものを共有します。Steamにストアページがあるものはリンクあり。日本語の有無も書いてあります。

面白いゲーム探しにも便利!業界関係者でなくても必見

この資料は、私が様々な開発スタジオに翻訳やPRのサポートを提案するために調査したもので、いわばメシのタネのようなものですが、惜しげもなく共有することにします。広く知られたほうが、開発スタジオにとってメリットがあるので。翻訳者さん、パブリッシャーさん、PR会社さんなど、いろいろな方に見ていただければと思います。

推理ゲームに注目!

個人的に推したいのが、まず推理ゲーム!
검귤단(Black Tangerine)『KILLA』デモ版の日本語は仮のもの

SUPERWAVE STUDIO『There is NO PLAN B』日本語あり

Alpheratz Games『コネクテッド・クルー』日本語あり

Team Tetrapod『Staffer Case:超能力推理アドベンチャー』日本語あり。発売済み。デモ版あり

以上が推理ゲーム。

開発者グループNorang Dungeonにも注目!

Norang Dungeonという、開発者たちの小規模なグループから、いくつかタイトルが出展されました。
Turtle Cream スロット型ローグライクゲーム『RP7』日本語あり。デモ版あり

Cat Society 宿屋経営戦略ゲーム『Dungeon Inn』日本語あり。デモ版あり

【追記】Singlecore Gamesの推理ゲーム『The Guilty Hearts』もNorang Dungeonのブースに出展され、5月25日にSteamストアページも公開されました。

私が翻訳とPRをお手伝いした『未解決事件は終わらせないといけないから』も出展されていました。Somiさんはお忙しいのか、ブースにおられないみたいでしたが…

Norang Dungeonの開発者たちが作ったタイトルや、開発中のタイトルはこちら。


では、このあとはゾーンごとにご紹介しましょう。

コンソールゲーム(家庭用ゲーム機向け)ゾーン

IKINAGAMES RPG『THE STARBITES - TASTE OF DESERT』日本語対応未定

 IKINAGAMES アクションゲーム『Telebbit』日本語あり


PC/モバイルゲームゾーン

SANDY FLOOR バトルロイヤル『GREAT TOY SHOWDOWN』日本語あり。デモ版あり

nStarcube アクション『デイジー・ザ・スイマー』日本語あり
セクシー路線のゲームなので、埋め込まずにURLを掲載
https://store.steampowered.com/app/2888830/_/

Codename Bom デッキ構築型ローグライク『アーキタイプ・ブルー(ARCHETYPE BLUE)』日本語あり


インディーゲームゾーン

Eggtart Inc アクション『METAL SUITS』日本語あり。デモ版あり

BBB パズルアクション『MONOWAVE』日本語あり

DRABIT STUDIO 弾幕シューティング『Soulers』日本語あり

LIFUEL ローグライクアクション『STAND-ALONE』日本語あり。デモ版あり

Melting caramel メトロイドヴァニア『Florarium』日本語あり

SnakeEagle アクション『KILL THE WITCH』日本語あり。デモ版あり

스튜디오 도원(Studio Dowon) 女性向け恋愛ゲーム『Dowon』日本語あり

Arete Games Corporation ターン制RPG『The Tainted Lands』日本語対応未定

NDEV GAMES メトロイドヴァニア『FatalClaw』日本語あり

Jellysnow Studio デッキ構築型ローグライク+2Dアクション『DeckLand』日本語対応未定

Tripearl Games ローグライク+ソウルライクアクション『V.E.D.A』日本語あり


(翻訳者さん向け)個人で案件を受けるときの課題とリスク

もちろん、やってみなければ何も始まらないという考え方もあるので、私がここに書いていることに影響されすぎることなく、飛び込み営業をやってみていいと思いますが、私や、知り合いの翻訳者さんが経験したのと同じような経験をするかもしれないということを念頭においていただければと思います。

まず「展示会に出展する前に、もう翻訳会社と話が進んでいる」というケースが、けっこうあります。では、もっと前の展示会から声をかければいいのかというとそうでもなく、このPlay X4で初披露というタイトルもすでに翻訳が進んでいたりします。

開発スタジオにとって、「翻訳会社を通したほうが、多言語翻訳をまとめて依頼できる」というメリットがあります。日本語だけフリーランスに頼むメリットをどう説明して、説得するかというのが課題です。

翻訳者にとって重大なのは、「ゲームが完成しておらず、テキストがそろっていない」「分割されて届く」「しばらく間が空いて、急に追加が来る」といったスケジュールの問題です。

これはインディーゲームの話ですが、インディーというのは、1人開発、2~4人ぐらいの創業メンバーだけのチーム、学生チーム、ベテランが独立して起業した数人のチームなどが多い、小規模開発のことです。大手以外はインディーと言っていいでしょう。韓国のインディーで特に多いのが、「早期アクセス(Early Access)」という制度を利用して、全体の3分の1や半分くらいまでを収録したバージョンを発売して、そこから半年~1年かけて何度かアップデートをして完成させるケース。(やや私の勝手な想像で言いますが、)資金が乏しくて、開発を続けるためにまずクラウドファンディングで資金を調達して、支援者に約束した期間内にゲームを届けるために、作れるところまで作ったのが半分や3分の1のボリュームになる、という傾向があるようです。

すると、翻訳者のところに、発売後も半年~1年の間に何度か追加のテキストが届くという形になり、スケジュールが埋まっていて、続けて担当できないこともあるでしょう。

そして、「翻訳をゲームに組み込んでもらってからテストプレイをしないと、きれいに仕上がらない」という問題があります。ゲームをプレイして言語のテストをすることをLQA(Linguistic Quality Assurance, 言語品質保証)と言います。ただ翻訳するだけでなく、その後の工程をどうするか、誰か他に頼める人を確保できるかというのが課題です。

ローカライズの経験が乏しい開発チームほど、翻訳に問題が起きていることに気づきません。翻訳者に渡していないテキストは、仮に機械翻訳でゲームに組み込まれ、そのまま発注漏れになることがけっこうあります。実際にゲームをプレイして、受け取ってないテキストを見つけて催促しないと、隅々まで自分の翻訳に差し替えることができません。一部が機械翻訳のまま公開されてしまうこともあります。

インディーゲームでは、翻訳会社を通さずに受けた案件では、ありがたいことに翻訳実績を公言する許可がもらえることがほとんどです。しかし、LQAをする時間がとれず(あるいは、割に合わない仕事になってしまうのでできない)、一部が機械翻訳のままだと、実績として公言したいと思えなくなってしまうかもしれません。開発者さんたちにも、翻訳者さんの気持ちに気づいてほしいところですが、そこまで想像してほしいと期待するのは少し無理がある気がします。

以上のことをご理解いただき、個人でゲーム翻訳の依頼を受けるとしたら、対策を講じていただくのがいいと思います。「個人で依頼を受けられそうだけど、翻訳の後の工程をどうすればいいか分からない」「まったくPRされないのはもったいない」という場合は私にご相談ください。できる範囲で協力させていただきます。あるいは、どうやって協力者を探すかを一緒に考えていきましょう。

ではまた、次の展示会のときにゲームをご紹介できればと思います!

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