週次の習慣にしていきたい言志四録の感想。
今回は、言志録の5回目である。今回も自分の中で特に気になった項目を5つ取り上げた。その上で、その中で印象に残ったことを踏まえて、タイトルをつけてみた。今回は、特に「己を恃むべし」(己をよりどころにして進め)が気に入っている。
なお、引用は特段注記がない限り、川上正光訳注「言志四録(一)~(四)」講談社学術文庫からのものである。
94 地道三則 その1
解説によると、「地道」とは、固より低きに居るもの、謙徳を行い、自ら卑下するも、却って上行して人の尊崇を受ける。とあり、易経からの言葉らしい。
大自然に囲まれていると自分という存在の小ささを実感させられる。また自分一人では生きていけないと感じるときに自分の小ささを感じる。その時に同時に沸き起こるのが「敬」という気持ちである。生かされている自分を感じながら今できる最善を尽くす。それしかできることは無い。
105 無用の用 その1
これも自分から見えている景色や考え方が絶対ではないということを知れと言う事だと捉えている。
少し話がずれるが、人生の中で無駄な経験などない。一見回り道に見えても意味がある。そのように最近感じられるようになった。それも無用の用であろうか。
106 無用の用 その2
無用の用が多いと、忙しくて悪い気持ちが起きない。なんともシニカルな言葉である。仕事においても、人が増えるとその分仕事が生み出されるということはある。特にバックオフィス部門はそうである。
119 己を恃むべし
解説では、釈迦入滅の時の言葉である「自燈明、法燈明」について書かれている。真理=法とはよく調えられた己であり、悟りを開いた「自由人」であるという。そう、自由であるとは自分を拠り所にして生きることなんだと思う。
法句経からの引用もよい。
「おのれこそ おのれのよるべ
他の誰にとよられようぞ
よくととのえし おのれこそ
まこと得難き よるべなれ」
121 独立自信
これも、119に似ている。他人を頼っては、本当に自分がやりたいことができなくなるということであろう。また他人の眼を気にして自分が本当にやりたいことができない人への激励の言葉ではないかとも思う。