企業経営に心を〈123/1000〉
【ラジオ体操428日目】
『ニコチンレス生活149日目』
こんばんは。
MBAで学んだことを伝えたら、ドラッガーについて語り合いたいと言われて冷や汗をかいたコマリストです。
今日は『敬愛する渋沢翁の哲学』というテーマで書いていきたいと思います。
大学や大学院で学んだことを今でもしっかり覚えている人はいますか?
大学に進学していない方であれば、高校生時代に一生懸命に学んだことを覚えている人はいますか?
多くの場合、学んでいる時はかなり詳しくなっているけれど、時が経つごとに記憶の彼方に忘れ去られていくものだと思います。
先日、たまたま名刺にMBAの学位について記載していたがために、質問を受けて焦りました。
今日は、議論する中であらためて気づいた日本的経営と「心」の重要性についてのお話です。
論語と算盤が本当に両輪で回せるのかということについての、ひとつの考察になると思います。
冷や汗ものの議論
先日、タクシー業界で5本の指に入る規模の会社の社長とお会いした時の話です。
この方は、社員1,000人を超え、年商数億円規模の会社のトップ。
縁あって、この会社のシステム開発のお手伝いをさせて頂いている関係で、私と社長と秘書の3人で話をする機会がありました。
すでに何度か電話で話はしていましたが、お会いしたのはこの時が初めて。
仕事に関する話を1時間弱した後に、こんな質問をされました。
”コマリストさんはMBAを取得しているみたいだけど、誰か尊敬してる人はいる?”
この質問に、間髪入れずに『渋沢栄一翁』だと答えました。
理由はシンプルで、欧米で利益至上主義が叫ばれる世の中において、経済面で欧米に追いつくことはもちろん、その手段の中に「心」を入れることを重視したから。
すると、続いて社長からこんな質問が投げられました。
”ドラッガーについてどう思いますか?”
この質問、痺れました笑
正直、何と答えるのが正解なのか分からなかった。
私の答えは、
「非常にシビアなリアリストだと思っています。」でした。
というのも、ドラッガーは結論に至るための数字やエビデンスを非常に重視した人だから。
これで、質問は終わるかと思いきや、次の質問にこそ肝を冷やしました。
ドラッガーへの反論
私がドラッガーに対してどう思っているかを聞いた社長から、次なる質問が投げかけられました。
実は、社長は会社を承継するにあたり、様々な偉人の伝記に触れ、その思想を学んだそうです。
その中で、ドラッガーの考え方に心酔し、傾倒していった時期があったとのこと。
これを踏まえ、社長からの次なる質問がコチラです。
”ドラッガーは生前、今後無くなる職業のひとつにタクシーをあげているんです。このことに数年悩まされたけれど答えが見つからなくて。コマリストさんはどう思いますか?”
何て難しい質問をするんだ笑
この質問に対する回答には非常に悩みました。
というのも、私自身はドラッガーの発言についてその原文を知らないから。
真剣にドラッガーと向き合ってきた社長に対して、テキトーなことを言うのも失礼かなと思いつつ、私なりの答えを返すことにしました。
『先程お伝えした通り、私はドラッガーがシビアなリアリストだと思っています。』
『その上で、ドラッガーが無くなると言ったのは、あくまで「人の移動手段としてのタクシー」だと考えます。』
『つまり、ある地点から別の地点へ効率よく人を運ぶことが重要で、より多くの人と会うことで利益を上げるタクシー業界は衰退すると言いたかっただけ』
『一方で、社長がしているビジネスは、人を運ぶ最中や前後で、お客様に「心」を届けるものです。』
『例えば、会社で何かあって元気を無くしていたお客様が、御社のタクシーに乗って移動したら降りる時には元気になっていたという感じですね。』
『これは、ドラッガーの言う「タクシー」とは、一線を画するものであり、別物だと考えるのが妥当だと思います』
一方的に私の考えをお伝えしてしまいましたが、私の話に何か気づきがあったようで、大変感謝されました。
敬愛する渋沢翁の考え方をそのままお伝えしただけなので、私個人の考えというのもおこがましいですが。。
三方よし
論語と算盤
古き良き日本型経営には、利益至上主義の象徴であるMBAとは違うSDGs的な考えがあると思います。
MBAを取得しておいてこんなことを書くのもどうかと思いますが、欧米に学ぶよりも、日本の歴史的企業に受け継がれるものこそ、本質があると思います。
企業経営に心を。
私が次に創る会社の理念にはこんな言葉が掲げられそうな気がします。
じゃ、またね!
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