『マルクス解体』メモ8
いろいろ考えること、感じることのある年始になってしまいました。
悲しさと寂しさが常につきまとう日々が続きそうです。
今日は、第一部第一章の第四節「物質代謝の転嫁の3つの次元」を読む。第三節「物質代謝の亀裂の3つの次元」とパラレルに論じられているので、話を掴みやすい(理解できるとは言わない)。
メモ8(p.50~p.59)
資本蓄積は自然力の低下をもたらす。自然が回復する以上にとってしまい、土壌が疲弊したり、場合によっては汚染したりする。この自然の限界を超えようとすることは、その外側にあるものを巻き込み、一見問題ないように見えるものの、実はただその影響を周縁に転嫁しているだけ。
「物質代謝の転嫁」は、①技術による転嫁、②空間的転嫁、③時間的転嫁の3つ。
①・・・土壌疲弊は化学肥料の生産によって解決したと思われるが、化学肥料の製造において、大量のCO2が排出され、気候変動を推進する(負の外部性ー別のネガティブな影響ーが生じる)
この負の外部性をもビジネスとしてしまうのが資本主義。資本は常に自然を「蓄積のための乗り物」として利用する(p.53)
②・・・影響が見えなくなる。遠くの地で過剰に採取されたり。南北問題とか。資本主義の中核には魅力的に映るが、その負の影響は周縁部(別の社会集団、自然環境)に押し付けられ、中核からは見えない。
環境帝国主義・・・自国の環境保全のために、周縁部から搾取する構造?
③・・・まさに環境問題そのもの。温室効果ガスがただちに影響するのではなく、世代を超えて、自分たちが直接の責任ではないのに負担を負うこととなる(時差、タイムラグ)。「(今はないけど今後きっと生まれてくる)新しい技術が解決してくれるだろう」的な発想。
メサーロシュ「そして最後に、「科学と技術が長期的にすべての問題を解決できる」と言うことは、魔法を信じるよりももっとたちが悪い」(p.59)
「大洪水よ、我が亡き後に来たれ!」
今日のまとめ
ある以上に使う、ないなら生み出す、その影響は他者や後の世代に転嫁する。
「いつか誰かが解決してくれる」が積み重なって、次世代が困ることになる。ただ、そのときの考え方や、科学的知見によっては、必ずしも無責任な発想ではなく、最善の発想だと思ったものが、結果的に悪影響になってきたものもあるのでは。それを責めるのは難しい気がする。
それとも、「すべてがうまくいくものなんてあるわけがない」という前提に立つべし、ということなのか。だとすれば、実践が遅れ、科学技術の進歩は遅れることになるのか。
これを解決できるのが、計算が超早いスーパーコンピューターとかなんかな。とか言うと、「魔法を信じるよりたちが悪い」とか怒られるんかな。
今年も、少しずつ少しずつ、読み進めていきます。半年で読めたらいいかな。誰かと「ああでもない、こうでもない」もやりたい。
今年もよろしくお願いします。
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