ちゃんしーのサンシーブルな人生#5 電車
1年前まで所属していた地域の合唱団と同じく、練習は学校が休みになる土日がメインでした。
地域の合唱団と違うことは、ほぼ毎週末に練習があることと、練習会場までは電車で向かうこと。
事前の打ち合わせで、先輩(ひとつ学年が上の合唱団メンバー)や大人のスタッフに、ここで待ち合わせね!と知らされました。
最寄りの駅までは母が車で送ってくれて、改札を通ったら私ひとりだけ。
当時は、めったに電車に乗ることがなかったし、まして一人で出かけるなんてことは、私には初めての経験でした。
ドキドキとワクワク(があったと思う笑)を抱えて、待ち合わせの場所へ早めに到着しましたが、
時間を過ぎても、合唱団の先輩やスタッフは誰も現れません。
あれ、おかしい?
だんだん不安になって、心細くなって、ホームにある公衆電話から、泣きながらおばあちゃんの家に電話しました。
おばあちゃんから母へ、母から合唱団関係者へと連絡がつながり、半べそ状態の私の元へ先輩とスタッフが来てくれました。
今だから言えることですが、これは私がきちんと話を聞いていなかったことが原因でした。メモも取っていなかった。
小学五年生だから、出来ないのも無理は無かったのかもしれません。でも、他のメンバーはちゃんと待ち合わせに成功していたので、完全に私のやらかし……。
今までは、周りの大人が話を聞いて、連れて行ってくれる。だからその後ろを着いていくだけ。
自分からこれをやる、やりたい!と言えなかった私だから、あまり責任感や自主性がなく、話を聞いて理解するということが出来ていませんでした。
大幅に遅刻して目立つし、みんなから心配されるし、半べそだし、かなり恥ずかしい思いをしました。
この経験から、人の話をしっかり聞くこと、メモを取ること、分からないことは分からないって聞くことの大切さを知るのでした。(そういえば、合唱団全体でもこっぴどく報連相と言われていました…)
成長させてくれた場所
この合唱団に入ったことは、人間的にも精神的にも成長する大切な経験となりました。
電車の乗り方や報連相のような、社会のルールみたいなものを自然と身につけていきました。
きっとこの合唱団に入っていなかったら、と思うとちょっとゾッとします…。
こういう成長が必要だったから、オーディションに受かったのかなあ。
合唱団だから、もちろん音楽的なこともたくさん教わりました。
楽譜は大切にファイルに保管して、間違っても足で踏みつけたりしないこと。
練習会場までの移動は冷たいものを飲んでもいいけれど、練習中は出来るだけ常温のものを飲むこと。
曲を作った人がどんな思いを込めたのか、何を伝えたいのかを理解して歌うこと。
…などなど、私が今も続けている音楽活動の基本、人間性育ててくれたのは、この合唱団での活動でした。
今振り返ると、小学五年生~六年生のメンバーに対しては高度な音楽指導だったし、厳しいことをたくさん言われた2年間だったなあ、と思います。
オーディションの時にもいた、合唱の先生は怖い存在でしたが(笑)、先生への信頼や人間関係は深いものでした。
おかげでメンタルも鍛えられたし、自主性のなかった"あの頃"の私は、薄くなっていきました。
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