死にたかった私の話
何もかも隠さずに言うと飛び降り自殺をしました。生きてるんでこれも自殺とは言えませんが、本気で死のうと思って実家のベランダから真っ逆さまに飛び降りました。
怖くなかったといえば嘘になる。
怖かった。怖くて怖くて、イヤホンからレミオロメンの3月9日を大音量で流して誤魔化していた。
卒業、したかったのかな。
何から卒業したかったんだろうな。
私は何かを卒業できたのだろうか。
でも歌詞の通りになんかいかない。私のまぶたの裏にはいくら目を閉じたって誰も居なかったんだ。
それが本当に悲しくて、切なくて、苦しくて、私は死にたくて仕方がなかった。
飛び降りる前は普通の生活をしてた。普通に朝ごはんを食べて普通に実家でダラダラと寝転がっていた。
ふと、天気が良くてベランダに出てみるとキラキラ世界が光って見えて。私はこの世界にいてはダメな気がして飛び降りようって気持ちになった。ここで、終わりにしてもいいんじゃないかって思ったんだ。……違うか。きっと、終わりにするならここがいいって思ったんだな。
あまりにも衝動的すぎてその日は遺書すら書いてなかった。けど前からずっと死にたかったから遺書自体はスマホにあって、あとから自分で見返すことになるけどそこにはありがとうの文字でいっぱいだった。実は優しいやつだったんだな、自分って。なんてね。
手すりによじ登って真っ直ぐ地面に向かって飛び降りた。あまりにも一瞬すぎて人生なんか振り返ってられない。走馬灯なんかない。人生は飛び降りる前に振り返るべきだった。
人間こういうところいつまでも未練ったらしいから、振り返ることばかり考えてしまう。
飛び降りてからグチャっと身体が潰れるのを感じた。地面に顔がついて、まず死ぬほど痛かった。生きてる実感よりも先に痛みが来て、もう我慢が出来ずに私は泣いた。あんなに叫んだ日はないくらいに叫んで、でも全身が痛くて声にならなくて。何を言ったのかあまり覚えてはないけれど、「たすけて」と言いたかったことだけは忘れない。「助けて」をもっと早く、飛び降りる前に誰かに言えたら良かった。そんなことを思いながら、涙が止まらなかったから。
うめき声にしかなってなかったと思うが、不審に思った近所の方が救急車を呼んでくれた。
死にたくて飛び降りたのに死ぬほど痛かったって、もうなんかこれだけで滑稽で笑えてきてしまう。
結果を言うと死ぬほど痛くて、私は死ねなかった。首から背骨が5本、圧迫骨折。大きな腰椎が1本、破裂骨折。欠片がほんの少しでも脊椎に刺さっていたら下半身麻痺になっていた。それを聞かされた時にすぐに足の指を動かして確認した。良かった。足の感覚はしっかりある。宝くじ以上の超ラッキーをここで引き当ててしまった。ずっとついてないと思ってたけどきっと神様が今日の為にツキをとっといてくれたのかもしれない。嬉しかった。涙が出た。その後に「ご飯は食べられそう?」と聞かれて頷いた。寝たきりなのでおにぎりが出されたけれど私はまた泣いた。美味しかった。なんの具もない塩のおにぎりだったのに、人生で1番美味しく感じた。涙が止まらないまま口いっぱいに頬張った。幸せだった。気付かなかったけれど、こんな変哲もない場所にもちゃんと幸せがあったんだね。
そのあと腰椎の破裂した欠片をとり、骨を固定するために6本のボルトを入れる手術をした。いまは手術も無事に終わってクソ痛えなと思いながらリハビリなんかしちゃってる。
笑える。
笑えて、笑えて、やっぱり涙が止まらなかった。
生きてるんだ、と。
私は死ななかったんだ、と。
身体は全回復できる。
また自分の足で歩いて行ける。
好きなことをなんでも出来る。
幸せなんだなあ。これが。
これが生きてるんだってことなんだなあ。
知らなかった。
29年間生きていて、私は転がり落ちるように精神を病んだ。幸せな自分を知らなかった。想像できなかった。死んで終わりにしたかった。知りたくもなかった。本当は、ずっと幸せなんて知りたくなかったのに幸せを探すふりをしていた。
でも生きてるって、痛くて辛くて、こんなにも勝手に涙が出るもんなんだと。
「もうこんな事しないで」と親が泣いた。
「なんで実家に娘を1人にしたんだろう」と親が悔いて震える手を私は何とかもう一度握ることが出来た。
良かった。
良かったんだ、これで。
人生やはりハッピーエンドで終わりたい。
出来れば自分で終わりにしない人生がいい。
そんな当たり前のこと、今更思ったんだ。
自殺を考えている人へ。
汚い文章になってしまうがこの先はnoteがどうとかではなく私の言葉で書かせてほしい。
どうか読んでくれたら嬉しい。
生きるのと死ぬのきっと同じくらい痛くて辛い。それだったら生きて辛い方がずっといい。決めつけは良くないかもしれないからこれは私の願望になるけど、みんながそうであって欲しい。
あと飛び降り自殺。途中で気絶して痛くないとかネットに出てるけどクソ痛いしクソ怖いよ。その痛いのが嫌だ、という気持ちを大事に持っていて欲しい。痛みを感じることで、生きていることを実感するのは違うと思うんだ。
自分を痛め付けることは絶対にやめてほしい。
じゃあどうやって自殺すんだよとか言うな。
頑張れ。いや、頑張らなくてもいい。
頑張らなくたっていいからとにかく自分では絶対に命を絶たないでほしい。
あんな高くて怖いとこから飛び降りるより生きていたいと思える方が難しいなんて、悲し過ぎる。
飛び降りるのは決して勇気じゃない。
生きていく選択こそが、勇気なんだと思って。
ほんのちょっと今日より長生きして毎日を紡いで欲しい。その先に何も無くていいんだ。
私も自分の未来の幸せなんて想像出来なかったけど、幸せはね今にしかないんだと思う。未来には置いておけないの。だから、未来に幸せが今見えなくたっていいんだ。いま、なんでもいい。酒が美味かったとかゲームでレベルが上がったとか、月が綺麗だったとかタバコが美味かったとかなんでもいい。ちっさな幸せを見つけて、今の自分を大事にしてあげて欲しい。
辛いよな。辛いんだ。
すげえ辛くて死にたくなくたって死にたくなっちゃうんだ。
だからあなたが自殺したい時、私がそばに居る。
ずっとそばに居る。
絶対にもう、1人になんかしない。
1度自殺未遂した私だから、わかるよなんて口が裂けても言えない。あなたの痛みはあなたしか分からないから、私には分かってやれない。ごめんな。でもそばに居続けるから。なんか怖いし今日は死ぬの辞めるわってなるまでそばに居る。
だから、お願い。
本当に心から、あなたに生きていて欲しい。
生きていて欲しい。
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