【バトン連載】にじのわこども園の重ね煮|縁をつなぐレシピ Vol.8|文とレシピ:石嶺蘭沙(SunnyTime)@石垣島
はじめまして。石嶺蘭沙(いしみねらさ)です。石垣島でSunnyTimeという"アロマ&ナチュラルスキンケア"のブランドや、"集うと憩う"というお店を手掛けています。(リンクをクリックしてみてください)
今回は、小浜島で一緒にマルシェをやったり、ホテルでSunnyTimeを使ってくれたり、お店で出す珈琲を教えてもらったりという、ここ数年なにかと関わる事が多く、大好きなお店でもあるcanaan coffeeの白上ご夫婦に繋いでいただきました。
ももちゃん、大樹くん、ありがとう。
さて、なにから話していいのやら。という事で、わたしの今までのことを少しお話していきますね。
2008年に東京から石垣島に移住、2012年に個人の小さなリラクゼーションサロンとしてSunnyTimeを開業しました。
その後2014年に第一子を出産、そこからしばらくはお店を休みながらヨガを勉強したり、スキンケアを作るワークショップを開催したり、ものを作ってマルシェに出店してみたり。
わが家は旦那さんが暦通りのお休みではないお仕事という事もあり、長男が小さい頃は、わたしが赤ちゃんを連れながら「ワンオペで自由にスケジュールを組んでできるる仕事」の取っ掛かりみたいなものを探していた時期だったと思います。
その後2017年頃に月桃と出会い、無事に今のSunnyTimeへの道を歩み始めるのですが、同時に2017年には第二子を出産というイベントもあって。
それまでは親子2人で自由にぷらっと生活していたものの、抱えるのが2人となると段々とそうもいかなくなってきて。
元々、時間を決めたり、計画をして先の見通しを立ててから動くのが苦手な性分なのもあって、気が付いたら夕ご飯の時間でなにも作っていない、むしろヘロヘロでそんな余力もない、、、なんて事が日常茶飯事に。
かと言って、当時無収入に程近い私とちびっ子2人がいては、自営業の旦那さんも簡単にお店を休むわけには行かず。さらにそんなタイミングで私に少しずつ仕事が舞い込んで来たり。
だけど目を離せない次男を連れて仕事をすると言っても、前に進むものも進まない。
色々手詰まりを感じていた時に、縁があり、ヘルプの手を差し出してくれたのが、今も次男が通う"にじのわこども園"というシュタイナー保育を実践する、自主保育園。
今となっては、自主保育という他の保育園との違いで、大変な事も多々ありますが、、日々の暮らしのリズムや四季折々の行事の大切さは、全てこの園から学んだ事なのです。
植物園の中に小さな園舎があり、本当に素敵なシュタイナーの営みについて書きたい事は山ほどあるのですが、ますますレシピまで辿り着けなくなるのでこども園の事は以前に私が別で書いたnoteを差し込んで割愛します。
さて、そんなにじのわこども園で出会ったのが「重ね煮」という調理法。
園に通う子どもたちは約5名。朝、みんながそれぞれ一つ野菜を持ち寄ります。
キャベツやにんじん、たまに四角豆など季節の変わり種が入ったりする、みんなで持ち寄った野菜たち。それをカットして、重ねて、塩を振って、蓋をして弱火で約1時間。無水で火を通してスープにするという、実に簡単で失敗のないのが重ね煮の基本のレシピ。
たまにみんなの持ち寄った野菜が同じだったりするとお芋祭りになったり、ね。
お家だとそれをアレンジしてカレーにしたりチーズ焼きにしたりうどんの具にしたり。野菜の旨みがぎゅっと凝縮された栄養満点の即席ご飯が出来るのです。
ついつい「あれも出来てない、これも出来てない」と、出来てない事に目がいきがちな育児期間が、本当に楽になったのと「なんだ、これでいいのか」と気持ちまで軽くしてくれた、わたしにとって魔法のレシピなのです。
レシピ
・準備する調味料はお塩だけ。
・野菜5種程度(自由)をカットする。
(写真はさいの目カットだけど、好きな切り方で大丈夫)
・鍋の底に塩を一振り
当てはまる順番に具を重ねていく
きのこ類、海藻類(きのこたくさんがおすすめ)
↓
果菜類(なす、とまと、豆類など)
↓
葉菜類(キャベツ、白菜、長ネギ、ブロッコリーなど)
↓
いも類
↓
根菜類(大根、玉ねぎ、にんじんなど)
↓
穀類
↓
魚介類
(穀類と魚介類はわたしは入れた事ないですが、重ね煮の自由度の高さが伺えますよね)
・最後にお塩を一振りして、穴の空いていない(ここ重要!)お鍋の蓋をして、弱火で1時間。
火が通ると優しい匂いで分かるので、時間にこだわらなくても大丈夫。
焦げつく心配があったら、最初にお水をカップ一杯程度入れてから。せっかくならお塩は良いものを選んで。野菜にもよるけど、皮はそのままでも大丈夫。
そんなこんなで、こども園に通う縁で繋がって園舎の裏の物件を借りて"集うと憩う"を始めたのが2021年。
集うと憩うのカフェはプロの料理人がいたわけでも、メニューの開発を依頼したわけでもありません。ロスがなく、シンプルでみんなに優しいメニューを主婦2人でアイディアを出し合って考えました。
もちろん、子育て中の人たちだけじゃなく、一人暮らしでも、忙しい人も、丁寧に暮らしたい人も、ベジタリアンの人も、どんな人にとっても嬉しいレシピです。
わたしが重ね煮を好きな理由はたくさんあって、必要な調味料が塩だけで、作り方がとっても簡単。野菜の旨みがぎゅっとして、健康で美味しくて誰でも作れてシンプルで。日持ちもするしアレンジもできて、冷蔵庫にあるとホッとする。
なによりも、自由度の高さがいいなと思っています。
現在、集うと憩うは移転中で、カフェメニューは今後お休みなのですが、またなにかしらの形で最強の"重ね煮"を伝えていく機会を設けられたらいいな。
長くなりましたが、次は「ちどりあし」という日本酒バーを営みながら「ちどり文庫」という活動をしている、わかなちゃんに繋ぎたいと思います。
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石嶺蘭沙(いしみね らさ)
東京都出身、2008年に石垣島に移住。2012年に『日常に少し良い時間を』をコンセプトにしたリラクゼーションサロンとして「SunnyTime」をスタート。サロン閉店後、雑貨店経営を経て、2020年に香りとアロマのブランドとして石垣アパートメントに工房を構える。心掛けるのは、大量生産&大量消費ではない持続可能な社会に向けて、つくり手の想いが伝わるものづくり。2021年に直営店として「tsudoutoikou」をオープン。
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