「寒梅三昧歌」
一流(イチリュウ)と
名の付く梅の
超凡さ
塩漬けの
梅思い出す
玉牡丹(タマボタン)
記憶を香る
ほんの微かに
月を背に
故宮招かる
月宮殿(ツキキュウデン)
卯の花いろに
辺りを染める
いにしえの
におい芳わす
鶯宿(オウシュク)
丸花弁
淡紅色の
名は花香美(ハナガミ)
ポツポツと
和の色歩く
淡路(アワジ)かな
古今集(コキンシュウ)
歌集の中の
梅はこれか
恥ずかしく
ほんのりピンクの
乙女の梅(オトメノウメ)
ちっちゃいよ
地味に野梅(ヤバイ)は
咲くのかな
傘のよう
月影枝垂(ツキカゲシダレ)
花の雨
寒風で
八重寒紅(ヤエカンコウ)
枯れてきて
戻されて
幾夜寝覚(イクヨネザメ)に
悩まされ
蓬莱(ホウライ)に
掛かる雲は
梅なのか
月の桂(ツキノカツラ)
折って試験に
合格か
枝垂れる梅は
祝いのアーチ
その芳は
古郷の錦(コキョウノニシキ)
栄華覚ゆ
紅尽くし
薩摩の色か
鹿児島紅(カゴシマコウ)
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