「目黒〜海老名〜宮山へ 天邪鬼と宮山神社編」
右ならえ
天邪鬼は
左側
ぞろぞろと
鳥居を避けて
天の邪鬼
「人ごみについていけばいいんじゃね?」
うしろから声が聞こえた
たしかにそうだけど
それがイラつく
何も考えず
前にも後ろにも
行く路を決められ
歩くなどまっぴらごめん
でももうすでに
その中のひとつ
横の車道の車も
同じように
同じ路の中
同じ速さで
右ならえ
左ならえ
これじゃあ
途中で花咲く君に
立ちどまることすら
できなくなる
幾人か
わき道へ離脱していく
参拝者ではなく
地元の人なのだろう
私も
それがいいな
一番混みあう鳥居を避けて
脇道へ
寒川神社の隣に
宮山神社
小さな池に囲まれた
静かなところ
しばしの休息に
感謝のいのりをささげ
逃げこむように
裏手で腰をおろす
風のざわめきが
外の喧騒をかき消して
池の水と木々のきらめきが
人とのへだたりを生む
ありがとう
天の邪鬼に
ありあまる
空いた時間を