「日が暮れる里の朝倉彫塑館にて」
何度も訪れてるけれど
ついでだから寄ってこ
朝倉彫塑館
ここは建物が素敵
靴を脱いで
靴下のまま上がらせてもらう
まるで友達の家に
遊びに来たように
きしむ床に懐かしさを感じながら
吹き抜けのアトリエだったであろう
ここの高い天井を眺め
絶対的な空白を感じる
そしてまるで
生きてそこにいるような
石膏で作られた人物は
内面すらもそこにあり
朝倉文夫という人物と
同年代で彫刻家を目指していたのなら
簡単にその道を諦めるのは
難しくなかっただろうと思う
それほどの
圧倒的再現力
圧倒的表現力
神的な技を持ちながらも
おごることなく
自己を見つめ直す場として
庭に作られた五典の池
巨石が五つ置かれた自然と融合された空間
水
巨石
樹木
白花
迷いが生まれた時には
それを見つめ浄化し
さらなる創作への
力となった
さらに屋上にも庭園をつくり
土により命を育む植物と
土により命を吹き込む彫塑を重ね
園芸にも精を出した
そこから眺める夕日は
絵の具で描かれたように見えて
自然が人に近づいているかのようで
優しさを感じた
日の暮れる里に居を持った理由は
この夕日ではないかと思えるほど
あまりに美しく
壮大だった
自然光は
形をさらに美しくする
そんな陰影を感じながら
創作していたんだろうな
近くなる
朝倉文夫と私たちは
やはり友達だったのだろうか?
おじゃまさまでした
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