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「月籠歌(つきごもりうた)」

欠け始め
月に逢えない
寂しさは
木蓮揺らいで
なおいっそう

梅散りて
照らす月泣く
身籠りて

月が
低く
遅く 
夜からいなくなる

欠けてく時は
いつもそう 
姿なかなか現さず
存在すら薄めてく

泣いているから
月籠
晒したくないのか
その姿

今宵こっそり
真夜中に
月の通り道
隠れ見る

寝静まり
光ふっくら
携えて
窓から覗く
寝待月かな

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