「里山の春の宴」
新緑が
鳥の鳴き声
賑々しい
風にそよぐ柔らかな
新緑のざわめき
高くさえずる鳥たちと
低く鳴り響くキツツキのドラミング
春の陽気が満ち満ちて
虫散歩も始まった
ナナフシてくてく昇り降り
さながらそれは森の龍
マユミの葉に毛虫が
ミノウスバというらしい
新緑ことごとく食い荒らして
そして鳥の餌にもなっていく
そうやってヒナの餌を探す鳥たち
メジロが卵から
成鳥になるまでの生存率
約十五パーセント
ヘビや動物にほとんどが食べられる
メジロの寿命が二年だから
生体のバランスはこうやって
あるべき姿を保ってきている
ほらここにもガサゴソと
草むらの虫を探すコジュケイが
夫婦で巣作り
えさ探し
ひらひらと可憐な黒い翅を
捉えさせないこのアゲハチョウは
春の一番乗りか
ルリタテハ
コナラやクヌギの多いこの里山の
樹液を吸いに来たのか
新緑にあふれ咲く
目立たぬ花に目もくれず
新緑にまぎれて
跳ねて遊ぶは
小さなバッタ
夏焦がれて待ちきれず?
春は賑々しく
里山の生き物たちを出迎える
陽射す宴は盛大に
まだまだこれから