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映画感想

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映画「アンネ・フランクと旅する日記」感想

映画「アンネ・フランクと旅する日記」感想

機会に恵まれたので、「アンネ・フランクと旅する日記」の先行オンライン試写会に参加した。

アンネ・フランク。誰もが名前は知っているはずだ。もしかしたら、世界で一番有名な「一般人」かもしれない。生前に作家となることはなく、死後、彼女の遺した日記が出版されることで「作家」になった少女。
日記には、「キティ」という想像上の友人が登場する。キティが、今回の「アンネ・フランクと旅する日記」の主人公だ。

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2019年7月に見た映画と舞台まとめ

まとめってほど見てないんですけどね。

7/26 仮面ライダージオウ/リュウソウジャー

詩島剛のオタクなので、これは絶対に初回でなくてはと思い見に行きました。リュウソウジャーは、本編全く見ていないのでなんとも言えませんが、いつも通り尺足りない感溢れていましたね……。ジオウはメタなテーマを扱いながらもギャグに張り切っていた。夏映画といえばド深刻なイメージだったのはエグゼイドやビルドの影響だけれど、

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青春に取り逃がしたもの(「夜明け告げるルーのうた」感想)

青春に取り逃がしたものがたくさんある、キラキラした友情とか恋愛とかそういうもの。それに手を伸ばすことを躊躇ってばかりの人間が主人公だが、歌をうたうとやってくる人魚ルーに心を動かされ、純粋な気持ちに立ち返り、キラキラしたものを掴みに行こうとする話だ。そしてそんな日々の終わりの話。

カッコいいJPOPのアレンジがビシバシ効いてきて、それで画面は画面でとんでもなく派手なことが次々と起こる。その目まぐる

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理解するとは(映画「海獣の子供」感想)

理解するとは(映画「海獣の子供」感想)

「理解した気」になる物語がありふれている。一人称語りの物語を読めば、主人公の気持ちを知った気になる。簡略化された説明書を読んで分かった気になるようなものだ。

映画「海獣の子供」は、まこと「思いあがるな人間!」と叫んでいるかのような映画だ。理解なんて、できないことは世界にたくさんあって、理解できているというおごりを取っ払ってしまう。怒涛の海、怒涛の宇宙。

世界観に呑まれるほどに、私たちの認識の世

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嘘はいくつあったか(ルパン三世「峰不二子の嘘」感想)

嘘はいくつあったか(ルパン三世「峰不二子の嘘」感想)

二作目飛ばして三作目「峰不二子の嘘」を観てきました。

峰不二子という存在が特殊設定ミステリのギミックのように機能して、物語が結ばれるこの爽快感はさすが。峰不二子を見たら男は必ず惚れてしまう、という設定だけでトリッキーな演出を成してしまうわけです。

峰不二子を語るときに愛を語るのは(騙るのは?)当然なわけですが、その愛の真価を「子ども」という異物によって表現するところ。峰不二子というもののロジッ

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何故次元が狙われたのか(「「LUPIN THE3RD 次元大介の墓標」感想)

脚本家が高橋悠也だと知って俄然興味が湧いて見始めた、ルパン三世。今日は、「次元大介の墓標」。もう、タイトルのインパクトが強いんですが、本当に墓標が映るんです。

狙った相手の墓標を先に立ててしまう、なんともお茶目な狙撃犯に狙われた次元たちが、どうにかそれを阻止しようとするのですが、いやはやスリリング! 峰不二子が捕まっていかがわしいところに連れてかれてるのも、なんだかスリリング!

ミステリとして

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燃えて、消す!(映画「プロメア」感想)

燃えて、消す!(映画「プロメア」感想)

TRIGGERの作品は、実はそう観てなくて、「パンティ&ストッキングwithガーターベルト」しか観たことがない。

そんな私でもついていけるだろうか、と思いながら観に行きました。目がチカチカした。最初からスタイリッシュな炎がチカチカするのです。カッコいい音楽に乗せられて、人々が燃えていく。

誰よりも暑そうな熱そうな男を救助と消火のヒーローにし、めくるめく火付け集団とのバトル、バトル! 既にここで

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失われたもの(「クレヨンしんちゃ新婚旅行ハリケーン 失われたひろし」感想)

失われたもの(「クレヨンしんちゃ新婚旅行ハリケーン 失われたひろし」感想)

はちゃめちゃに勧められたので見たんですけど、「本当にストーリーラインなんとか、ならんかったの!?」と、はちゃめちゃ観ながら慌ててしまった映画です。ハッピーエンドしかありえないのに、まさに足くさならぬ道草の多い映画……。

野原一家が新婚旅行に行く、これはすごくいいんですよ。ただ、これをやるならもっと日常パートを細かくやるとか、新婚旅行に行くまでの描写が丁寧であっても良くない!? って思ってしまう。

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どうしようもなく好きだった思い出とともに(Vシネクスト『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』感想)

どうしようもなく好きだった思い出とともに(Vシネクスト『ルパンレンジャーVSパトレンジャーVSキュウレンジャー』感想)

久しぶりの特撮である。

なんでというわけでもないけれど、いつからか特撮禁を己に課していた私は、這々の体で新宿・バルト9にたどり着く。愛らしいシールをもらい、テンションが一気にだだ上がりした頃には、もう舞台挨拶は始まる。

11:00開演回(上映前舞台挨拶)はとかく、空気がキュウレン色に染めあがるのは、南圭介をいじり倒すMCのスタイルにあると思うのだが。あの、だるーん、としたキュウレンジャーの舞台

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映画短文感想2019年1~2月

1/2「チョコリエッタ」(旧作)

空想と現実が入り混じる、観ていてめまいがしそうな青春映画。恋愛未満の感情がほんとうにいとおしいので、ああこの弔いには意味があったのだよ、きっと。

1/3「アナと雪の女王 家族の思い出」(旧作)

アナ雪はじくじくと心をえぐられる心持になるのですが、この短編映画はちゃんと本編に用意されていた設定を生かした、伏線回収というか補完要素としてよくできてるなあ、と感動し

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映画「この道」感想

映画「この道」見てきました。こんなに地味でしみじみな映画をLDHで作るとは思っていなかったんですけど、メッセージ性が(よくLDH知らないけれど)LDHっぽいのかな、と思いました……。

と終わらせるわけにはいかないと思うので、なんの映画なんだよってハナシなんですが。これは北原白秋と山田耕作が名曲である童謡「この道」を作り、そして作ったあとの物語なわけです。

北原白秋の半生を描いた作品で、漫画「月

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今年の映画見たやつ総括

新作16作、旧作11作

「バーフバリ 王の凱旋」(1/27:新作)

→眠気眼で見た。超巨大ピタゴラスイッチに気を抜かれてしまった

「仮面ライダーエグゼイド トリロジー」(1/30:新作)

→1人で見て、頭の中の情報量がたいへんだった。観ていて本当にエグゼイドついてきてよかったと思う

「文豪ストレイドッグス デッドアップル」(3/3:新作)

→まあ三回も行く羽目になるのですが……臨場感ぴ

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DTC -湯けむり純情篇- from HiGH&LOW

ハイローが好きだったひとは、観たほうがいい、と思う。あの、とんちきな世界を愛するものは。

さんざ言い尽くされていることだが、同じ曲を頭とお尻に持っていって、エンタメの力強さを見せつけてくるし、メタフィクションの使い方の塩梅もよろしい。

DTCという番外編がきちんと本編を接続された瞬間が、非常に心地よい。DTC三人が三人とも、なんかダサい(顔面ガタイもいいのにな!)が、そのダサさが寸でのところで

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映画「空気人形」感想

※現在、GYAO!にて10月25日まで配信中!
 https://gyao.yahoo.co.jp/p/00908/v14442/

誰かの代用品でしかなかった空気人形が「心」を持ってしまった。
空気人形によるささやかな冒険がはじまる。

今まで「いっしょに暮らし」ていた男の本質を誰よりも知っている、そんな空気人形がなんとも切ない。愛されている感覚を理解しきれないまま、心を持つ、そのバランスの悪さ

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