映画「この道」感想

映画「この道」見てきました。こんなに地味でしみじみな映画をLDHで作るとは思っていなかったんですけど、メッセージ性が(よくLDH知らないけれど)LDHっぽいのかな、と思いました……。

と終わらせるわけにはいかないと思うので、なんの映画なんだよってハナシなんですが。これは北原白秋と山田耕作が名曲である童謡「この道」を作り、そして作ったあとの物語なわけです。

北原白秋の半生を描いた作品で、漫画「月に吠えらんねえ」だとか、ゲーム「文豪とアルケミスト」あたりを履修しているオタクなら、「ああっ」と呻いて死にそうになる映画だったりします(いや、文豪ナマモノ系は他にもあると思いますが)。ネタバレなんですけど(?)、朔太郎と室生犀星(私の推しの俳優・稲葉友が演じている!)がかわいいです。

あんまり世間的に有名じゃないと思う北原白秋のダメな話を前半に盛り込んで、文豪オタクに「あああああそれ映像化してださいますかあああ」とさせるやさしさと、後半のLDHなメッセージ性のあふれる展開構図とが、喧嘩しない。一本のフィルムとして、実に丁寧で良いです。後半の展開のさせ方も、「月吠え」とか履修していないと、あまり知られていない話だと思うし、そこからメッセージへの展開が言い方悪いけれど、筋が通っている。まるフィクションのように、現実が在ることの悲しみですね……。

なんで、なんで「この道」をLDHで撮ってくれたのか。その答えをここでつまびらかにするのは、道義に反している気がするんですが、あまりに当たり前の率直なメッセージが刺さる、いい映画でした。地味だよ、地味だけど、細かい小道具(というか書籍)を眺めているだけで楽しくなれる、日本の映画です。お時間在る方はぜひ観に行ってほしいです。派手さはないけど、シンプルで素敵な映画です。(上映館少なそうだけどね!)

https://konomichi-movie.jp/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?