湊かなえ 未来
湊かなえの「母性」が面白かったので、
「未来」も引き続き読みました。
2018年出版。
4年前ですね。
4年前の私は、
向精神薬漬けでした。
とてもこんな分厚い単行本なんて
読めませんでした。
脳を鎮静させる薬がたんまり入ってたので、
本当に脳がやられてました。
抗精神薬やベンゾジアゼピンを服薬して、
脳の知能が低下しない人っているんでしょうか?
もちろん、
服薬量にもよるんでしょうが。
で、
湊かなえの小説「未来」
さすが、
イヤミスの女王。
超後味の悪い、
ドロドロ小説でした。
不幸な子供達がこれでもか!
と
登場します。
大人も病んでます。
この作品、
主人公「章子」の両親の抱える不幸な過去と現在を起点に、
章子を支える教師や、
同じような悩みを抱える友人を巻き込みながら、
ストーリーが展開します。
近親相姦
精神崩壊
家庭内暴力
学校でのイジメ
殺人
放火
睡眠薬
とにかく、
これでもかと不幸の連鎖が描かれてます。
ここまで
不幸で病んでる家庭があるのか!
てくらい、
ゲロゲロな家庭が登場します。
「章子」の母の描写が
お母さんは、
今は人の状態です。
今は人形になってます。
と表現されていて
精神疾患のお母さんなのね!
と
すぐにわかります。
人の状態。
人形の状態。
湊かなえの表現にウケました。
確かに私も向精神薬漬けの時は、
ゾンビ人形みたいになってました。
それにしても、
こんな病んだ家族や家庭を、
吐き気がするくらい描けるって、
凄いです。
湊かなえは、
ごくごく普通のおばさんって感じなのに、
家庭も平和そうです。
どうしてこんなに病んだ家族を描けるのか不思議です。
取材力なんでしょうか?
反吐を吐きたくなるような、
最低の母親や父親が登場します。
ところで、
最近は子供の虐待のニュースが多いですね。
虐待どころか、
子供を殺害するニュースが多すぎる気がします。
なんなんでしょうね。
5歳、3歳、0歳の娘3人を締め殺した
母親のニュースには、
心底驚きました。
3人絞め殺すって、
相当な殺意がないとできません。
1番多いのは、
シングルマザーのケースで、
交際相手の男が子供を虐待するケース。
動物学的にはありうる話です。
ライオンでもチンパンジーでも、
ボスが世代交代した後は、
前のボスの子供たちは皆殺しされるそうですから。
自分の遺伝子を残す。
そして、
幼児を抱えた母親の場合、
子供を殺すことにより、
母親が発情するかららしいです。
新しいオスにしたら、
前のオスの子供は邪魔なだけの存在。
人間でも、
幼児を抱えた母親と付き合う場合、
正直幼児は邪魔なのかもしれません。
母親と、
発情したセクシャルな女。
なかなかこれは両立しませんから。
でも、
人間ですからね(笑)
理性で自分をコントロールしなくては
いけません。
どんな理由があるにしても、
幼児虐待は許されません。
このような酷いニュースを目にする度に、
育てられないなら、
施設に預けるなり、
養子に出せばいいのに。
と思います。
子供ができなくて、
養子を迎えたい夫婦も多いのに。
本当に、
子供の不幸なニュースは辛いです。
湊かなえの「未来」。
不幸な子供の劣悪な環境が
これでもか!
と描かれてます。
嫌なミステリーの女王。
イヤミスの女王。
嫌なミステリーには、
精神を病んだ登場人物は高確率で登場します。
この作品でも、
大量の睡眠薬を飲んで自殺する
シーンも登場します。
殺人にも睡眠薬が使われます。
ヤバイ薬です。