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向精神薬の長期投与をめぐる論争①

以前に少し触れましたが、
精神科医、田島治先生の
論文を紹介していきたいと思います。

正式なタイトルは

向精神薬の長期投与を巡る論争と
減薬・断薬のリスクと
ベネフィト
です。

抄録

近年、
向精神薬の多剤投与の規制、
ベンゾジアゼピン系薬物の長期漫然投与の規制
が行われるようになり、

臨床現場では困惑が広がる一方で、
エビデンスに基づいた適切な薬物療法普及の
契機ともみなされている。


こうした規制の背景には、

向精神薬の有効性のエビデンスに関する
疑問と、
長期服薬による精神行動面への悪影響

などへの懸念を背景にした、
ユーザーによる活動と行政への働きかけがある。



☆長期化する向精神薬投与に対する
 批判とその背景



操作的な診断基準と新規向精神薬の登場は、
患者数の著しい増加と向精神薬処方の
急激な増加を招いた。



回復しない患者、
終わりのない投薬の増加を生み出し、


長期の向精神薬の服薬が慢性化や、
社会生活機能の低下の原因ではないか!

という
疑問が生じる結果となった。


そのきっかけとなったのが
米国のジャーナリスト、
Robert Whitakerの著書
「心の病の流行と精神科治療薬の真実」

である。


Whitakerは
向精神薬の長期投与が
患者のQOLに悪影響を及ぼす

可能性がある研究結果として、
イリノイ大学のHarrowらのシカゴ追跡研究の
結果を紹介してる。


ガイドライン通りに治療しても、
なかなか
寛解や回復に至らず、
慢性化する患者が世界各国で
多くなっている。


治療で十分な反応を示さない患者の場合、
次々と新たな薬物を足して試みる
「足す治療」になるため、
結果的に多剤併用や、
治療ゴールの見えない長期投与
に陥りやすい。



特にうつ病患者の場合、

長期に回復しない場合、
全てが病気によるものと考えられがちであるが、
長期に服薬している
種々の向精神薬の情動コントロール、
身体面への影響を考慮すべきである。



現在主流の向精神薬の作用の考え方と
異なる、
薬物心理学的な考え方は
以下のようなものがある。

・薬物作用に応じた作用を脳に及ぼす

・情動をコントロールする系を変化させる

・病気の回復を助けるだけで非特異的。

・健常者にも薬理作用に応じた効果を生じる。

・使わなくても治る例がかなりある。

・向精神薬は脳に異常な事態を引き起こす

・脳の多くの系に可塑的な変化を生じる。



以上
今回はここまでにしておきます。





次回は
「減薬・断薬を巡る国内外の動向と問題点」
という
タイトルの部分を紹介したいと思います。


ちなみに
追記ですが、
論文にこのような内容の記載がありました。


抗うつ剤SSRIの投与中止後も
永続的に残る性機能障害である
post SSRI sexual dysfunction
があるが

我が国では全く知られていない。


抗うつ薬SSRIを服薬することにより、
永続的な
性機能障害が残るそうです。

若者には深刻な問題ですね。



今は
オフィシャルに顔と名前を出し、
精神医療問題に取り組んでる人もいます。

この論文を書かれた精神科医のように、
精神科医自らも精神医療の問題点を
発信し始めてます。


ジャーナリストや弁護士さんも
頑張ってます。

私のように
断薬後の当事者もいます。

私は何もしてませんが、

顔と名前を出して発信したり
講演会でお話ししたりする人もいます。


私も
微々たる発信ですが、

これから
新しい薬害被害者を減らすことが
少しでもできるかもしれません。 

向精神薬の本当の危険性を突く。


どんな言い訳をする人がいようと、


向精神薬をなるべく長く飲んだ方が
安全で良いといった
狂った信仰には
「間違ってる」と訴え続けなくてはいけない。



これは
私オリジナルの言葉ではありませんが、

心の底から、
同意する言葉です。


減薬方法がどうのこうの、
自分の離脱症状がどうのこうの、
自分の苦境を訴えるだけではなく、

これから、
特に、
未来ある子供が
向精神薬の薬害にあうことを、
少しでも減らす


そんなことに
考えを留意してもっていけば、

つまんないことに囚われないで
済むのではないでしょうか。

私含め、
被害に遭ってしまった大人は、
もちろん辛いけど、
仕方ないと言ってしまえば仕方ない。

でも
次世代を少しでもマシにしよう


一人一人が思い、
一人一人が微々たる発信でも
していけば、

何かが変わるかもしれません。


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