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予測不可能な時代の教育とは

 2021年が明けてはや10日が過ぎました。昨年のクリスマス以降,ヨーロッパではコロナ患者が急激に増え,日本でもついに緊急事態宣言が出されました。

 昨年の今頃,誰がここまでの事態を想定していたでしょう。これから一体,世界はどうなってしまうのでしょうか。そして,教育に携わる者として,子どもたちに何を伝えられるべきなのでしょうか。今回は「予測不可能な時代の教育」について考えてみました。

最悪を想定した教育

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 僕は最悪,これから益々混迷を極める時代になってくると予想しています。コロナに始まり,経済,エネルギー,地球環境…。どんどん先が読めず,変化の激しい時代になっていくと考えています。もちろん,考え過ぎの杞憂であれば「なぁんだ。」で済みますが,そうでなかったら大変です。そのための準備を今から進めなければいけないと,危機感さえ感じます。

 近年,これからの教育を述べる上で,「考える力」や「探究心」という言葉を耳にするようになりました。新しい学習指導要領でも「自ら学び自ら考える力」と明記され,自分で考え,深める力が大切だというのは,みんな共通認識として持ち始めているのだと思います。
 ただ,これからの時代,大切なことはその「考える力」や「探究心」の先だと,僕は考えています。

頭で考えるだけでは「前に進まない」

 結論,「考える力がいくらついてもダメ」だと思っています。大切なのは行動です。いくら頭で考えていても,それを世に出さなければ何にもなりません。そのためには「やってみよう!」という行動力が不可欠になってきます。

 行動が大切というのは,いかにも単純ですが,人はそんなに強い生き物ではありません。「何となくやりたいことがあるけど,どうせ自分には…」とか,「自分は普通だから,できないよ…」といった不安な気持ちから,なかなか人は行動に移せないものではないでしょうか。

 よく啓発本でも「見切り発車!」とか「考える前に行動!」という文言を目にしますが,あれだけたくさんの本が売れていても,なかなか変われないと悩む方も少なくないのは,行動することがいかに難しいことであるかの証拠でしょう。
 特に,日本人は遺伝的に不安を感じやすい人が多いのが特徴だそうで,そういった遺伝的要因もなかなか動けない原因かもしれません。

―セロトニントランスポーター遺伝子。多型(L型)と少型(S型)が存在する。組合わせはLL型,LS型,SS型の3種類で,LL型が最も不安を感じにくく,SS型が最も不安を感じやすいタイプと言われている。日本人がL型を持つ割合は,持欧米に比べて5割以下であり,そのため日本人は不安を感じやすい人が多い。(https://gendai.ismedia.jp/articles/-/36080)―

 しかし僕は,誰でもー遺伝子で決められている特徴さえも活かしながらーうまく行動できるような人になれると考えています。つまり,訓練さえすれば誰でも行動できるようになる。これからの教育はそういった「行動に移す訓練」こそが非常に大切になってくると考えています。


行動に移す訓練

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 実際どうしたらいいのかと申しますと,そこには特別な教材も,特別な塾も,特別な教育メソッドも必要ありません。やることは簡単です。「とにかく,興味が湧いたことは何でもやらせること」です。これに尽きる。恐竜が好きなら博物館に行ってもいいでしょうし,図鑑を読ませてもいいでしょう。時には大人が読む専門書を子どもに提案してもいいかもしれません(読んでみたい?)!そして化石堀りは子どもでもチャレンジできます!もし,途中で飽きてしまっても,また違うことをすればいいのです。そうやってたくさんの経験を積みながら,「やってみる」ことを繰り返すことで,「行動」力を養うのです。

 僕たちは,オンライン教室で「楽しく考えること」を大切にして教えています。それは,「世の中のあらゆることは,考えれば考えるほどおもしろい」ことを知ってもらうためです。おもしろくなければ,当然その先の行動もありません。小さい頃から,いかに興味の種まきをしておくかが,僕たちは大切だと考えています。


まずは楽しんで!

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  人生は短いものです。僕はこれからの子どもたちに,たくさん楽しんで,たくさん行動して,そして思う存分生きてほしい。一日一日がかけがえのない経験の時間なんです。
 もし,これからの教育で悩んでいる方がいましたら,まずは楽しみながら物事を一緒に体験し,考えることをやってみてください。きっと興味が湧いて,新しい世界が開けてくるはずです。

子どもは楽しむ天才です。どんなことでも,楽しめてしまいます。そういう楽しむことを大切にしながら,学んでいくことがこれからの教育で大切なことではないでしょうか。

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