テレビアニメ版や過去の劇場版の予習量によって怪盗キッドと服部平次のインパクトがだいぶ変わると思った『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』
【個人的な満足度】
2024年日本公開映画で面白かった順位:9/52
ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
映像:★★★★★
音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★
【作品情報】
原題:-
製作年:2024年
製作国:日本
配給:東宝
上映時間:111分
ジャンル:アニメ、ミステリー、アクション
元ネタなど:漫画『名探偵コナン』(1994-)
テレビアニメ『名探偵コナン』(1996-)
【あらすじ】
※公式サイトより引用。
北海道・函館にある斧江財閥の収蔵庫に、怪盗キッドからの予告状が届いた。今回キッドが狙うのは、幕末を生きた新選組副長・土方歳三にまつわる日本刀だという。ビッグジュエルを追い求めるキッドが、なぜ刀を狙うのか…?一方、西の名探偵・服部平次とコナン達も、函館で開催される剣道大会の為に現地を訪れており、犯行予告当日、平次がキッドの変装を見事破り追い詰めるが…!?
時を同じくして、胸に十字の切り傷がつけられた遺体が函館倉庫街で見つかる。捜査線上に浮かび上がったのは、"死の商人"と呼ばれ、アジア一帯で武器商人として活動する日系アメリカ人の男。彼は戦時中の軍需産業に深く関わっていた斧江家初代当主が函館のどこかに隠したとされるお宝を探していた。それは、当時、日本の敗戦濃厚だった戦況を一変させるほどの強力な兵器だという噂も…。
そして、そのお宝とキッドが狙う刀どうやら関係があるようで、刀を狙うキッドに対し、謎の"剣士"の影が迫り…。
【感想】
劇場版『名探偵コナン』シリーズ第27作目。だいぶ遅くなったけどようやく鑑賞できました。SNSで「あれを観た方がいい」「これを観た方がいい」など、予習必須のテレビアニメや劇場版がけっこうあって、全部で100話分ぐらい観ましたかね。それにだいぶ時間かかりました(笑)
<キャラ勝ち映画>
今回の作品は完全にキャラクターに全部持っていかれましたねー。函館を舞台に繰り広げられる謎解き展開は面白かったけど、それ以上に「うおっ!あいつも出るんだ!」というキャラクターラインナップの豪華さ。テレビアニメ版の予習は、まさにそのキャラクターがもともとどういう経緯で出てきたのかを知るためにあったと言えますね。正直、ストーリー的にはテレビアニメ版のこのエピソードを観ていないとまったくわからないみたいなことはありませんでした。ただ、『名探偵コナン』って後になればなるほど登場人物が増えてくるじゃないですか。ポッと出てきた人が気づいたらレギュラーキャラ化することもあるので、どのキャラクターがどの事件で関わったのかを知る上で予習はしておくに越したことはありません。
<怪盗キッドと服部平次の衝撃>
SNSで挙げられている「事前に観ておいた方がいい」エピソードは怪盗キッドや服部平次がメインのものが多いんですけど、テレビアニメ版を観て彼らに対する愛着を増やしておくと、今回の映画のエモさが爆上がりします。終盤の服部平次の行動なんて、「いやもうそれ25年ぐらい待ってましたけど!」と涙腺がゆるみましたね。そうそう、『名探偵コナン』って30年近くテレビアニメが続いていますが、劇中の時間経過がほとんどないので、観ている方は25年ぐらい待ってましたと思っても、劇中ではそんなに時間が経ってないんですよね(笑)だから、久しぶりに出てきたキャラクターに「ご無沙汰です」というような絡みがあっても、その人が出てきたの何年前だよってのもあります。例えば今回で言うと、北海道警の西村警部がそうですね。彼はテレビアニメだと第144話~145話の『上野発北斗星3号』(1998)、映画だと第8作目の『銀翼の奇術師』(2004)に登場しますが、「ご無沙汰です」つってもこっちとしては20年以来の再会ですよ(笑)
そして、エンディング後の映像には「マ ジ か !」と驚愕のサプライズ。これはネタバレになるので書きませんが、マーベルのようにおまけ映像がものすごいインパクトで、今後の展開に大きな影響がありそうな展開にびっくりしました。やや今さらすぎる気は否めませんが(笑)
他にも京都で知り合ったキャラクターも登場するので、別に予習しなくても話自体は理解できますけど、やっぱり事前に知っておくと面白さは倍増しますね!
<そんなわけで>
今回はキッドと服部にいろいろ持っていかれる内容だった上に、いずれもインパクト大だったのでとても面白かったです。ただ、予習の量によってそのインパクトはだいぶ変わると思います。100話分ぐらい観た自分でここまで楽しめたのなら、全話観ている人からしたら相当な感動作になるんじゃないかなと。前にNHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀』で青山剛昌先生が、「ミステリーとラブコメのバランスが難しすぎる」とおっしゃっていまいたけど、本作はその苦労の果てに作られた素晴らしいバランスだったように感じます。