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今までマーベルから離れていた人にこそ観てほしい!ようやく次のアベンジャーズに向けて話が前に進み出したと同時に、サムこそが最もヒーローにふさわしいと感じた『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』
【個人的な満足度】
2025年日本公開映画で面白かった順位:2/16
ストーリー:★★★★★★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
映像:★★★★★★★★★★
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★★★★★★★
【作品情報】
原題:Captain America: Brave New World
製作年:2025年
製作国:アメリカ
配給:ディズニー
上映時間:118分
ジャンル:アクション、スーパーヒーロー
元ネタなど:シェアード・ユニバース「マーベル・シネマティック・ユニバース」
公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/captain-america-bnw
【あらすじ】
※公式サイトより引用。
アメリカ大統領ロス(ハリソン・フォード)が開く国際会議でテロ事件が発生。それをきっかけに生まれた各国の対立が、世界大戦の危機にまで発展してしまう。
この混乱を食い止めようとする新キャプテン・アメリカことサム・ウィルソン(アンソニー・マッキー)に、〈赤いハルク〉と化した大統領ロスが襲いかかる…!
【感想】
「マーベル・シネマティック・ユニバース」第35作目。『キャプテン・アメリカ』シリーズ第4作目。いやー、やってくれましたよ、サム!ついにアベンジャーズ復活の兆しが見える作品で、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)以降、共通の目的がなくとっ散らかっていたMCUが再び前進する印象を受けました!
<サスペンスからのアクションというミックスジャンルな展開が秀逸>
この映画は、MCU関係なくひとつの作品としても面白かったです。前半は、国際会議にてロス大統領(ハリソン・フォード)を襲うテロ事件の真相を追っていくサスペンス調の展開でした。最初に発砲したのは、ドラマ『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』(2021)で初めて登場したイザイア(カール・ランブリー)。かつて朝鮮戦争でアメリカ軍の超人兵士として戦った英雄ですが、人種差別的な背景により歴史から抹消され、その後30年間投獄されながら人体実験を繰り返された過去を持ちます。なので、大統領を狙う動機は十分にあるとして再び牢獄へ入れられようとしていました。が、もちろん彼が自分の意志で行ったことではありません。サム(アンソニー・マッキー)は黒幕がいるとしてその正体を追っていきます。
後半は、ロス大統領がレッドハルクとなり、サムとド派手なバトルを繰り広げる、ザ・スーパーヒーロー映画な構成で興奮しまくりです!サムのスーツはワカンダの技術でパワーアップしているんですが、それですら勝てないほどレッドハルクの力は驚異的。桜が咲き誇る通りで両者の激しい戦いは見ものですね。敵ながらレッドハルクの暴れっぷりは気持ちよかったです。やっぱりハルクはああでなくちゃ(笑)
<実はアベンジャーズの中で最も重圧を感じているのはサムかもしれない>
そうした戦いの中で、サムの抱える葛藤は改めて感情移入しやすいポイントだと言えるでしょう。自分はスティーブ・ロジャース(クリス・エヴァンス)やバッキー(セバスチャン・スタン)のように超人血清を打たず、普通の人間でしかありません。大切な仲間も守れず、不甲斐なさが募る中で、なぜスティーブは自分に盾を託したのか、人選ミスじゃないのかと葛藤に苛まれます。あれだけ超人がいるのなら、他の人の方がよかったのではないかと思うのは至極当然のこと。しかも前任者がみんなの希望であるスティーブ・ロジャースですから。でも、超人だらけのアベンジャーズの中で、数少ない普通の人間としてあきらめずに戦い続けるサムだからこそ、スティーブは盾を託したんですよね。2代目ファルコンのホアキン・トレス(ダミー・ラミレス)が「なぜそんなに完璧なんだい?」とサムに問いかけたとき、彼は「完璧にやらないと今まで戦ってきたすべての人に顔向けできない。不足してるんじゃないかって」みたいなことを言うんですが、まさに彼の真面目さと責任感の強さがよくわかるセリフでした。そりゃ盾を継ぐ者はサムしかいないですよ。
<16年の時を超えてようやく伏線回収>
そして、この映画でもうひとつ注目したいのが、本作は『キャプテン・アメリカ』シリーズの第4作目であると同時に、『インクレディブル・ハルク』(2008)の第2作目と言っても過言ではないぐらい話が繋がっていることです。ハルクの単独映画って『インクレディブル・ハルク』以降ひとつもないので、あそこで宙ぶらりんになっている設定があったんですけど、それが16年ぶりに回収されてファンとしてはホッと一息。相当待たされましたけどね(笑)なので、時間に余裕があれば『インクレディブル・ハルク』をあらかじめ観ておいた方がいいと思います。
<そんなわけで>
事件の黒幕を追っていくサスペンスから始まり、久しぶりにかつてのMCUらしさを感じられるアクションで締めくくるというとても満足度の高い映画でした。欲を言えば、もう少しレッドハルクを観ていたかったかなってぐらいで。彼は今後も出番があるんでしょうか。いや、あってほしい。エンドクレジット後のおまけ映像もお楽しみに。あれはきっと、来たるべき"大戦"のことを言っているはずですから。