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まさにインドのインフィニティ・ウォー!いろんな映画全部乗せで、『バーフバリ』、『RRR』に続く究極のシネマティック・サーガだった『カルキ 2898-AD』

【個人的な満足度】

2025年日本公開映画で面白かった順位:1/1👑
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★★★★★★★★★★
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:Kalki 2898 AD
  製作年:2024年
  製作国:インド
   配給:ツイン
 上映時間:2D版は168分、IMAX版は180分
 ジャンル:SF、アクション
元ネタなど:なし
公式サイト:https://kalki-movie.com

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
2898年の未来。世界は荒廃し、地上最後の都市カーシーは、 200歳の支配者スプリーム・ヤスキン(カマル・ハーサン)と、 空に浮かぶ巨大要塞コンプレックスに支配されていた。

しかし、奴隷のスマティ(ディーピカー・パードゥコーン)が宇宙の悪を滅ぼす“運命の子”を身ごもったことで、 コンプレックスと反乱軍の大戦争の火ぶたが切られる!そこへ一匹狼の賞金稼ぎバイラヴァ(プラバース)が加わり、 過去の宿命が動き出す!!

果たして勝利を得るのは誰なのか?そしてスマティは身ごもった救世主“カルキ”を、 この世界に送り出すことができるのか?

【感想】

インドが放つSFアクション超大作で、新たな1年の幕開けにふさわしい映画でした。とにかく世界観が壮大すぎて観る者すべてを圧倒するインパクトがありましたね。

<いろんな映画の要素全部乗せっていう究極の幕の内弁当>

今回の映画は、太古の神々が転生して生まれ変わった6000年後の未来が舞台です。その神々というのが、『マハーバーラタ』(紀元前2世紀半ば〜紀元後1世紀末頃?)というインドの叙事詩を元にしているので、その知識があるといろいろ出てくる人名にもピンとくるかもしれません。僕は知らなかったので、いろんな名前が出てきても誰が誰やらって感じでしたが(笑)

かつての神々の転生物語ってだけでも日本のラノベ感あるんですけど、今回の映画はとにかく過去のヒット映画の要素がふんだんに盛り込まれているのも特徴的でした。目の前に広がる光景や街並みは『スター・ウォーズ』シリーズ(1977-)や『デューン/砂の惑星』シリーズ(1984-)をベースに『マッドマックス』シリーズ(1979-)を足したような感じです。戦闘シーンになると、それらにマーベル作品を混ぜ込んだ形になっていました。特に、シャンバラという街やそこにいる兵士たちの戦い方はまさにMCUにおけるワカンダそのものでしたし、バイラヴァ(プラバース)が車を修理するシーンは『アイアンマン』シリーズ(2008-2013)のトニー・スタークの動きまんま(笑)ラストのアシュヴァッターマン(アミターブ・バッチャン)とバイラヴァの戦いは『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ(2001-2003)のガンダルフが、『エイリアン2』(1986)に出てくるパワーローダーに乗ったMCUのバッキー・バーンズとド派手アクションを繰り広げているようにしか見えず、もはや壮大な二次創作かなと思うほど(笑)なので、ハリウッド映画をよく観る人はけっこうニヤリとしてしまう部分も多いと思います。しかもこの映画、最後のタイトルロゴが「カルキ・シネマティック・ユニバース」ってなってたから、まだまだ続編があることを匂わせていましたね。まあ、あれだけの世界観が1本で収まるわけないですよね(笑)

ちなみに、今回の映画は従来のインド映画のように、華やかな歌や踊りがほとんどありません。また、インド映画って出演者のほぼすべてなインド人なんですが、今回はエキストラがけっこういろんな人種の方がやられていたこともあり、インド映画というより、どちらかと言えばハリウッド映画に近い印象を受けました。

<前半のつまらなさを何とかしてほしい>

総じて面白い映画でしたけど、唯一気になったところが、前半が劇的に退屈だということです。話のテンポは悪くて間延びするしアクションは雑だしで、「見掛け倒しかよ!」ってツッコミたくなりました。ところが、後半からどんどん面白くなり、終盤の盛り上がりは最高なので、それで前半のつまらなさはカバーできたかなと個人的には思っています。歌や踊りがない分、最初からもっとテンポよく進めてくれればよかったのに(笑)

<そんなわけで>

新たな1年の幕開けにふさわしいSFアクション超大作!インド映画なので相変わらず長尺ですし、前半がすごく退屈ですけど、後半から週刊少年ジャンプ的な流れで一気に巻き返して行くのでオススメです!

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