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少年って年上の女性が好きだよねっていう『リコリス・ピザ』

【個人的な満足度】

2022年日本公開映画で面白かった順位:101/129
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★☆☆

【作品情報】

   原題:Licorice Pizza
  製作年:2021年
  製作国:アメリカ
   配給:ビターズ・エンド、パルコ
 上映時間:134分
 ジャンル:ラブストーリー
元ネタなど:なし

【あらすじ】

1970年代、ハリウッド近郊、サンフェルナンド・バレー。高校生のゲイリー・ヴァレンタイン(クーパー・ホフマン)は子役として活躍していた。アラナ・ケイン(アラナ・ハイム)は将来が見えぬまま、カメラマンアシスタントをしていた。

ゲイリーは、高校の写真撮影のためにカメラマンアシスタントとしてやってきたアラナに一目惚れする。

「君と出会うのは運命なんだよ」。

強引なゲイリーの誘いが功を奏し、食事をする2人。

「僕はショーマン。天職だ」

将来になんの迷いもなく、自信満々のゲイリー。将来の夢は?何が好き?……ゲイリーの言葉にアラナは「わからない」と力なく答える。それでも、2人の距離は徐々に近づいていく。

ゲイリーに勧められるままに女優のオーディションを受けたアラナはジャック・ホールデン(ショーン・ペン)というベテラン俳優と知り合い、映画監督のレックス・ブラウ(トム・ウェイツ)とテーブルを囲む。また、カリフォルニア市長選に出馬しているジョエル・ワックス(ベニー・サフディ)の選挙活動のボランティアを始める。ゲイリーはウォーターベッド販売を手掛けるようになり、店に来た女の子に声を掛ける。

ある日、映画プロデューサーのジョン・ピーターズ(ブラッドリー・クーパー)の家へベッドを届けるが、そこで面倒に巻き込まれることに…。

【感想】

ザ・青春みたいなラブストーリーでした。メインの2人の関係性を掘り下げていくよりは、2人に起こるいろんなエピソードが矢継ぎ早に展開していくような内容で、好きな人は好きそうですね。

<日常を変えてくれる存在との出会い>

「なんか楽しいことないかなあ」と考えることは誰しも一度はあると思います。でも、自分でどうこうしようって人は少なくて、どちらかと言えば「なんか楽しいこと降ってこないかなあ」と他力本願で思うことが多いでしょう。今作のアラナもそういったタイプで、平凡な日々を過ごしていました。このままだったら一生カメラマンのアシスタントかもしれないなあという日常が、10歳も年下のゲイリーと出会うことで、少しずつ変わっていきます。

<実年齢は10歳差だけど、精神年齢は同じぐらい、、、?(笑)>

アラナとゲイリー、歳の差は10歳です。30代にもなるともはや10歳差なんてあまり気になりません。30歳と40歳だろうが、40歳と50歳だろうか。でも、今回は15歳と25歳なんですよ。

ゲイリーは15歳ながらも俳優として活躍し、そこらへんの同い年の男の子と比べたら、ややませているキャラクター。理性で考えれば、そんな未成年からの口説きなんてスルーするのが大人として正しい姿勢かもしれませんが、日常に退屈を感じていたこと、そしてゲイリーからのしつこいアプローチがあったことで、何だかんだで仲良くなっていくアラナ。

でも、けっこうお互いに目移りはしてるんですよね(笑)ゲイリーも結局は同世代の女の子とイチャイチャしたり。アラナも違う男性とデートしたり。まあ紆余曲折を経ながら2人がどうなるのかってのが見どころだと思いますが、個人的には、15歳だろうが25歳だろうが若さゆえの嫉妬と自己承認欲求の繰り返しに映りました。むしろ、15歳のゲイリーとやんや言い合っているアラナは意外と精神年齢が低いのかなとも思いました(笑)

<映画が好きな人にはピンと来る要素が盛りだくさん>

この映画は実在の役者をモデルにしたり、過去の名作まんまのシーンがあったりと、映画好きにはピンとくる要素も多いらしいんですよ。僕はほとんどわかりませんでしたが。そもそもの舞台が1970年代だから、元ネタの映画も古いんですよね。よほどの映画好きじゃないと気づかないかもしれません。

ちなみに、ゲイリーを演じたクーパー・ホフマンは、フィリップ・シーモア・ホフマンの息子で、アラナを演じたアラナ・ハイムは、“ハイム”という三姉妹バンドのメンバーで、他の2人の姉妹も、そのまま姉妹役で劇中に出ていたり、何かと話題性のあるキャスティングなんです。

さらに、エンドクレジット後の「ロバート・ダウニー・シニアに捧ぐ」というメッセージには反応せざるを得ませんでした。なんせ、アイアンマンを演じたロバート・ダウニー・Jrの父親ですから。どうやら、本作のポール・トーマス・アンダーソンの過去作に出演していたみたいなので、その縁ですかねえ。本作にまつわる元ネタなどの情報は以下に詳しく書いてあるので、よかったら読んでみてください。

<そんなわけで>

あんまりストーリー性を追求していく構成ではないので、個人的にはそこまでハマれなかったのですが、未成年の男の子と成人した女性のキャッキャウフフしてる話に興味がある方はどうぞ(笑)


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