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「大切な人を守りたい」人たちの執念と狂気の物語。法廷モノなのに小難しさが一切ない上に、テンポよく二転三転していくストーリー展開が面白かった『法廷遊戯』

【個人的な満足度】

2023年日本公開映画で面白かった順位:73/159
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★☆☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★★

【作品情報】

   原題:-
  製作年:2022年
  製作国:日本
   配給:東映
 上映時間:97分
 ジャンル:ミステリー
元ネタなど:小説『法廷遊戯』(2020)

【あらすじ】

※映画.comより引用。
弁護士を目指してロースクールに通うセイギこと久我清義(永瀬廉)と、同じ学校で法律を学ぶ幼なじみの織本美鈴(杉咲花)、2人の同級生でロースクールの学生たちが行う「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判を司る天才・結城馨(北村匠海)は、共に勉強漬けの毎日を送っていた。

無事に司法試験に合格し、弁護士となった清義のもとに、あるとき、馨から無辜ゲームをやろうという誘いがくる。しかし、呼び出された場所へ行くと、そこには血の付いたナイフをもった美鈴と、すでに息絶えた馨の姿があった。

この事件をきっかけに、3人をめぐる過去と真実が浮かび上がっていき、事態は二転三転していく。

【感想】

※以下、敬称略。
サクッと観れる法廷モノってことで、その手軽さがすごくよかったです。しかも、小難しさはないし、目まぐるしく変わっていくストーリーも面白い。ネタバレしないといろいろ書きづらい部分はありますけど、本作に関してはネタバレしたら面白くないので、ネタバレは一切なしで(笑)

<肩ひじ張る必要はまったくない>

この映画は、清義と美鈴、そして馨の3人がメインの話で、物語はみんながロースクール生のときからスタートします。あるときから、清義と美鈴に変な嫌がらせが始まるので、「2人には狙われる理由があるんだな」ということで、すでに怪しい臭いがプンプン漂っていましたね。一方、馨は在学中に司法試験に合格するという天才っぷりを発揮するも、彼も彼でつかみどころのない性格で、これまたきな臭い感じしかありません。この手の映画は、いつどこにヒントが隠れているかわからないので、その3人の言動に常に気を配りながら観ることで、ある意味すごく集中力を使ったと思います。が、実際そこまで神経質にならなくてもよかったです。これから観られる方は、ぜひ心にゆとりを持って観ていただいて大丈夫です(笑)

<すべては過去のある事件が発端だった>

嫌がらせに関してはうやむやのまま2年が経ち、清義と美鈴は無事に司法試験に合格(2人とも普通に優秀すぎるw)。そこで、あらすじにも書いた事件が起こります。血の付いたナイフを持つ美鈴と、すでに死んでいる馨。その光景を目にした清義は、美鈴を弁護することになるも、彼女は一切の黙秘を貫くのでほぼお手上げ状態です。

ところが、事件解決の糸口は、実は清義と美鈴の過去にあったんですよ。しかも、そこにはあの馨も関わっていて……。次々に明らかになる真実。そして仕組まれたゲーム。これは、「大切な人を守りたい」と心から願う3人の執念と狂気の物語だったわけです。うん、これぐらいしか書けないですね。あとはもう劇場にてその目で確かめていただきたいです(笑)

<強いて気になる点を挙げるとすれば>

うまくキュッとまとめて申し分ない映画でしたが、あえて気になる点を挙げるとすれば、ひとつは馨の出番が思ったよりも少なかったことですかね。あれだけ天才と言うのなら、その天才エピソードがあってもよさそうなものですけど、案外そういうのはなかったので。

もうひとつは、法廷における裁判員制度の在り方でしょうか。実は、僕はかつて裁判員をやったことがあるのですが、もっと裁判員に配慮した進め方があるのではないかなあと。いや、僕も1回しか行ったことないので、もしかしたら劇中のようなこともあるのかもしれませんし、ゆーてもこれは映画ですからね、多少は盛った部分もあるとは思うんですけど、自分が経験してしまっているだけに、そこのところどうなのかは知りたいところです。

<そんなわけで>

尺も短いし話もわかりやすいしで、本当によくできた映画だなあと思いましたね。杉咲花の怪演も見どころなので、ぜひ映画館へGOしてください!


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