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圧倒的な“個”を描かせたらインド映画に勝るものなし!『バーフバリ』の主演×『K.G.F』の監督が織り成す主役以外全員モブの絶大な存在感に微動だにできなかった『SALAAR/サラール』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:1/83👑
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★×20
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:Salaar
  製作年:2023年
  製作国:インド
   配給:ツイン
 上映時間:174分
 ジャンル:アクション
元ネタなど:なし
公式サイト:https://salaar-movie.com/

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
1985年、先祖代々盗賊を生業にする部族によって建てられた国カンサール。王ラージャ・マンナル(ジャガパティ・バーブ)の第二夫人の息子ヴァラダ(プリトヴィラージ・スクマーラン)は、第一夫人の息子ルドラ(ラーマチャンドラ・ラージュ)に名誉と権力の象徴である鼻輪を奪われてしまう。
ヴァラダの親友デーヴァ(プラバース)は、ヴァラダのために闘技場の試合に挑み、みごと鼻輪を取り戻す。

しかし国内で部族間の争いが発生し、デーヴァの母親(イーシュワリ・ラーオ)が窮地に陥る。駆けつけたヴァラダは自らに与えられた領地と引き換えにデーヴァの母親を救い、デーヴァは母親とカンサールを去って身を隠すことに。デーヴァは別れ際に、ヴァラダに「名前を呼べば、必ず駆けつける」と誓いを立てる。

25年後、ラージャ・マンナルがカンサールを留守にしたことから、国全体を揺るがす抗争が勃発。かつて領地を投げ出したことで権力の座から遠ざけられていたヴァラダは、ついに親友デーヴァを迎えにいき、王座をめぐる争いに身を投じる決意をする。

しかしデーヴァのある秘密が、ふたりの友情を引き裂き、カンサールにさらなる激震を引き起こす……。

【感想】

あの『バーフバリ』シリーズ(2015-2017)で主演を務めたプラバースと、昨年日本で公開されて僕が大絶賛した『K.G.F』シリーズ(2018-2022)のプラシャーント・ニール監督がタッグを組んだとんでもない映画でした!!とびっきりの最強と最強が手を組むってこういうことかと!!世界観、キャラクター、映像、音楽、そのすべてに圧倒されっぱなしの3時間です(長いw)。

<主人公デーヴァ以外はモブ>

この映画、もはやデーヴァのデーヴァによるデーヴァのための映画ってぐらいデーヴァの存在感がずば抜けていました。インド映画あるあるですが、もう主人公以外全員モブってぐらい"個"が強すぎるんですよね。「一体自分は何を観せられているんだろう」って思っちゃうぐらいにはデーヴァが眩しかったです。

<圧倒的すぎる強さから生まれるカリスマ性>

デーヴァの存在感を強める要因が2つあって、まずひとつめが彼の群を抜きすぎた強さですね。例えば、マーベルやDCって日本でいう「週刊少年ジャンプ」のように"能力者"の戦いじゃないですか。特殊装備や遺伝子変異など、本来の自分の力を超越した強さで敵をぶっ倒していく流れですよね。今回の映画は、どちらかと言えば「週刊少年マガジン」や「週刊少年チャンピオン」のように"リアル系"の戦いなんですけど、デーヴァに関してはそんなリアルな世界の中で唯一の"能力者"かってぐらいのチートじみた強さです。殴った相手は数メートル吹っ飛び、掴んだ手はボキボキと折ります。敵が何十人いようと彼一人ですべてボコボコにしちゃうんですよね。ハルクやターミネーター並みの攻撃力に思わず笑ってしまうほど、敵との差がありすぎるんですよ。これでまわりも同じぐらいの強さがあるならまだしも、この強さを持つのはデーヴァひとりのみ。だから、彼の強さがより一層際立ちます。

<本人の強さに加えて"いかに強そうに見えるか"の演出もうまい>

ふたつめの要因が、デーヴァの過剰すぎる演出です。デーヴァの強さはある程度まわりにも知れ渡っているようなんですが、彼が現れたときのまわりのあのリアクションに注目です。目を丸くし、開いた口が塞がらないほどの驚愕。日本の漫画並みの「なん、、、だと、、、?」っていう表情がまたデーヴァの強さを物語っているんですよ。さらに、彼の登場およびバトルシーンではスローモーションを多用することで、大したことしていないのになんかすごいことしてる感じが出ています(笑)ただ車の上に立って決め顔するだけでもスローモーションのおかげで荘厳な雰囲気になるんですよ。「さすがにやりすぎだろ」って気もするんだけど、これがまた演じたプラバースにピッタリなんですよね。インド人ぐらいじゃないですか、この漫画のキャラみたいなよくわからない存在感放てるの(笑)とにかく見せ方が秀逸だなって思います。

<感覚がバグるほどの爆音>

あとは音楽が凄まじいのもポイントですね。IMAXで観たからかもしれませんが、インド映画って他の映画よりも音量が大きい気がするんですよ。とにかくバカデカい音楽と物々しい効果音をひたすら流すことで、全身に音の振動が響き渡り、感覚がバグってきます。今回はいつものインド映画のように激しいダンスや情熱的な歌があるわけではないので、BGM自体が特に秀逸ってわけではないものの、同じようなメロディが大音量で繰り返し流れてくると、それだけで全身が映画の空気に支配されたような感覚になります。

<後から徐々に明らかになっていく壮大なストーリー>

ストーリー自体はけっこう唐突な展開な上に登場人物も多いので、特に前半は何が起こっているのかほぼ把握できません。限られた情報を一生懸命繋ぎ合わせるんですけど、それでもわからなくて。でも、後半あたりから説明セリフっぽくはなりますが、事の経緯が語られてようやく点と点が繋がっていきます。それを知ってこの映画の壮大な全体像が見えてきます。なので、「ぶっちゃけよくわからなかった」という人もいるとは思いますが、後半まで辛抱してください。まあ、よくわからなくてもこのぶっ飛んだ世界観とキャラクターですべてをカバーできてしまうんですけど(笑)

<そんなわけで>

デーヴァの圧倒的な強さ、ただそれだけでごはん何杯でもいけちゃうような映画でした。基本的に『K.G.F』シリーズと同じ作風なので、あれが好きな人は絶対ハマると思います。3時間という長丁場でも苦にならないぐらいの破壊力がありますから。何回も観たいかと言われるとちょっと食傷気味になりそうですが、1回あたりのインパクトは最強かと(笑)そういえば、インド映画では珍しく「INTERMISSION」のテロップが出ませんでしたが、これも演出上の都合なんでしょうか。

ちなみに、今回の映画は『第1部』らしく、続きがありそうなんですよね。いつ公開かはわかりませんが、早く観たいです。この壮大な物語の行く末、とても気になります、、、!!

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