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もはやジェームズ・ボンドもイーサン・ハントも勝てないかもしれないインドの超絶スパイアクションに悶絶した『タイガー 裏切りのスパイ』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:2/54
  ストーリー:★★★★★★★★★★
 キャラクター:★×20
     映像:★★★★★★★★★★
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:Tiger 3
  製作年:2023年
  製作国:インド
   配給:ツイン
 上映時間:156分
 ジャンル:アクション
元ネタなど:シェアード・ユニバース「YRFスパイ・ユニバース」(2012-)

【あらすじ】

※映画.comより引用。
インドの国家諜報機関RAWのエージェントであるタイガー(サルマーン・カーン)は、アフガニスタンでの任務中に危機に陥った仲間のゴーピー(ランビール・ショーリー)を救出に向かうが、ゴーピーはタイガーの妻であるゾヤ(カトリーナ・カイフ)が二重スパイだという言葉を残し、命を落とす。

妻への疑念を抱いたまま日常生活に戻ったタイガーだったが、次の任務でロシアに赴いた際、ゾヤがタイガーに襲いかかってくる。

【感想】

「YRFスパイ・ユニバース」第5作目。『タイガー』シリーズ第3作目。いやもうすごいわ。ボリウッドすごいわ。『007』シリーズ(1963-)のジェームズ・ボンドも、『ミッション:インポッシブル』シリーズ(1996-)のイーサン・ハントも敵わないかもしれない超絶アクションの連続と、インド映画だからこそ描ける印パの関係性を主軸にしたストーリーが最高でした!!

<『タイガー』シリーズとは>

今や映画界において世界的潮流となりつつあるシェアード・ユニバース。マーベル・シネマティック・ユニバースDCユニバース、ハリウッド版のゴジラを擁するモンスター・ヴァースなどが有名ですが、インドでは同じ世界観で活躍する複数のエージェントをクロスオーバーさせる「YRFスパイ・ユニバース」というのがあります(YRFとはヤシュ・ラージ・フィルムズの略で、インドの映画製作会社です)。その最新作が今回の映画なんですけど、『タイガー』シリーズとしては3作目。簡単に言ってしまえば、タイガーと呼ばれる強力なエージェントが悪者の野望を阻止するために奔走するっていうのがシリーズ共通の流れですね。

1作目の『タイガー 伝説のスパイ』(2012)で、タイガーは任務遂行中に出会ったゾヤ(彼女はパキスタンのエージェントでタイガーとは敵対関係にあたる)と相思相愛になり、スパイ映画なのに駆け落ちするというまさかの設定に驚きました(笑)続く2作目の『タイガー 甦る伝説のスパイ』(2017)は、残念ながら日本未公開かつ配信もされず、DVDにもなっておらず、現時点では観る術がないのですが、タイガーとゾヤが結婚し、子供も生まれた中で、2人で協力して新たな任務を遂行する話らしいです。そして、本作では幸せな家庭生活を営むタイガーたちに魔の手が忍び寄るという設定でした。パキスタンの首相がインドとの和平を望む中、パキスタンを支配しようとするアーティシュ(イムラーン・ハーシュミー)が、タイガーたちを罠にはめ、自らのテロ行為の罪を彼らになすりつけるよう画策するんですね。その中で、ゾヤもタイガーと再び敵対することになり……という見どころ満載のストーリーになっています。

<インドだからこそ描ける印パの関係性>

本作ではパキスタンの首相が、これ以上インドといがみ合うことをよしとせず、平和的な関係を築こうとしています。この印パの関係はやはり当事者である国だからこそ触れていいイメージがありますよね。他の国がやったところで「部外者は引っ込んでろ」って思われそうですし。アーティシュの策略でタイガーがパキスタンの平和を脅かしているという誤解が広まる中、パキスタンの首相が「実は真犯人は同胞のパキスタン人で、それを阻止しようとしているのがインド人である」という演説をしたシーンにはグッとくるものがありました。なぜなら、長らく争い続けていた相手が、自国の平和を守るために命を懸けているんですから。そこには国や文化の違いを超えて、人として正しいことをやろうとしているタイガーと、彼がインドとパキスタンの両国の架け橋になるような気がして感慨深い気持ちになりました。

<ついにクロスオーバーする2人のスパイ>

そして、この映画で一番推したいのがパターン(シャー・ルク・カーン)との共闘です!!実はそのパターンが主人公の映画『PATHAAN/パターン』(2023)でもタイガーが友情出演しており、今回はそのお返しという感じですかね!タイガーのピンチに颯爽と駆けつけ、敵をフルボッコしていく流れはメチャクチャ興奮しましたよ!この2人、並ぶとすごく濃いんですけどね(笑)インド映画って本当に主人公を圧倒的にかっこよく描くのがうまいんですよね~。邦画だと自然になじむようにかっこよさを演出しますけど、インド映画はやりすぎじゃないかってぐらいの過剰な演出で、でもそれがまた似合うんですよ、インド人に(笑)お互いがお互いの作品にゲスト出演して、ようやくユニバースが本格軌道してきた感じがありました。

<そんなわけで>

今インド映画で一番オススメのシリーズといえば、この「YRFスパイ・ユニバース」です!とにかく主人公はかっこいいですし、ヒロインは鬼セクシーでボリウッド女優しか勝たん状態ですし、ありえなさすぎるアクションの連続に思わず吹き出しちゃいますし、見ごたえしかありません。ミッドクレジットシーンでも"彼"を出して続編を匂わせているので、今後の展開に期待大です!!まだ全部で5作しかないので、追いかけるなら今のうちです(ただし、今のところ配信にはなく、すべてTSUTAYAとかでDVDを借りるしかないんですが)。

1. 『タイガー 伝説のスパイ』(2012)
2. 『タイガー 甦る伝説のスパイ』(2017)
 (↑日本での展開はありませんが、GW中にBS12で放送していたようです)
3. 『WAR ウォー!!』(2019)
4. 『PATHAAN/パターン』(2023)
5. 『タイガー 裏切りのスパイ』(2024)
 (↑本作です)


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