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ミュージカル映画の金字塔再び!結局、マリウスが一番おいしいところを持っていったんじゃないかと思う『レ・ミゼラブル デジタルリマスター/リミックス』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:34/143
  ストーリー:★★★★★
 キャラクター:★★★★★
     映像:★★★★★
     音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観たい:★★★★★★★★★★

【作品情報】

   原題:Les Miserables
  製作年:2024年(オリジナル版は2012年)
  製作国:イギリス
   配給:東宝東和
 上映時間:158分
 ジャンル:ミュージカル、ヒューマンドラマ
元ネタなど:ミュージカル『レ・ミゼラブル』(1980)
公式サイト:https://tohotowa.co.jp/lesmiserables/

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、パンを盗んだ罪で19年間服役した後、仮出獄するが、生活に行き詰まり、再び盗みを働いてしまう。その罪を見逃し赦してくれた司教の真心に触れた彼は、身も心も生まれ変わろうと決意し、過去を捨て、市長となるまでの人物になった。

そんな折、不思議な運命の糸で結ばれた薄幸な女性ファンテーヌ(アン・ハサウェイ)と出会い、彼女から愛娘コゼット(アマンダ・セイフライド)の未来を託されたバルジャンは、ジャベール(ラッセル・クロウ)の追跡をかわしてパリに逃亡。彼女に限りない愛を注ぎ、父親として美しい娘に育てあげる。

しかし、パリの下町で革命を志す学生たちが蜂起する事件が勃発。誰もが激動の波に呑まれていく…。

【感想】

2012年のイギリス映画のデジタルリマスター/リミックス版。ミュージカル映画の金字塔が12年の時を超えて再びスクリーンへ。これはもう映画館で観る以外の選択肢がないですね(笑)

<圧巻の歌の数々に魂が揺さぶられる>

この映画はとにかく歌ですよ歌。原作小説も生のミュージカルも未鑑賞ですが、この映画の歌は本当に素晴らしいです。いや、ミュージカル映画だから歌がウリってのは当たり前なんですけど、多くのミュージカル映画って歌とセリフがきっちり分かれていて、歌も体感で作品全体の4-5割ぐらいじゃないですかね。ところが、この映画は99.9%歌なんですよ。普通のセリフでさえリズムに乗せて口ずさみ、単語を叫ぶ以外で普通の話言葉はありません。しかも尺が3時間近くあるので、暗い劇場内で常に歌が流れてたら途中でやや睡魔に襲われても無理はないかもしれないですね。12年前の自分はそうでした(笑)

がしかし、今回は体調を万全に整えてきたこともあってか、3時間近く微動だにせずスクリーンに釘付けでした。あの力強い歌の数々に身も心も震えっぱなしで。中でも『ワン・デイ・モア』と『民衆の歌』は僕のお気に入りです。12年前はカラオケでもちょいちょい『民衆の歌』を入れてたほどですから(笑)

<マリウスっておいしすぎでは?>

ストーリーは、パン1斤盗んだジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)が心を入れ替え、遺児のコゼット(アマンダ・セイフライド)を育てることで愛で満たされていくという感動的なものです。劇中では18年の歳月が流れていますが、その中で実にいろんなキャラクターが出てきますね。主人公のジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)や彼を追うジャベール(ラッセル・クロウ)もいいんですが、僕は今回の映画を観てハッキリとマリウス(エディ・レッドメイン)がおいしいところを全部持っていったなと思いました。彼は実家が金持ち(縁は切ったらしいですけど)で、暴動の中で唯一生き残って、一目惚れしたコゼット(アマンダ・セイフライド)と結婚してますもん。なんてラッキーボーイなんでしょう。

逆に、エポニーヌ(サマンサ・バークス)が不憫すぎですよ。想いを寄せていたマリウスが自分の目の前でコゼットに恋する瞬間を目にしてしまって。その後もマリウスからはコゼットについて調べてと言われる始末。最後はそんなマリウスをかばって凶弾に倒れるも、結局彼に想いが届いたのかどうかは謎っていう。マリウスが鈍感すぎるってのもありますけどね(笑)

<ジャン・バルジャンにまつわる気になる点>

ジャン・バルジャンについて、僕は昔からこの映画で気になっているところがあります。まず、ジャン・バルジャンが仮釈放中に脱走して、8年後に市長にまでなってるのがこの映画を観ただけでは過程がわからないんですよね。一体どうやってそこまで上り詰めたのかと。原作小説では黒いガラス玉および模造宝石の産業を興して成功したとウィキペディアに書いてありました。この映画はあくまでも「ミュージカルの映画化」なので、原作小説とは若干違うらしいですね。そもそも、そんなことも当時だからできたのであって、現代だったら全国指名手配ですぐに捕まってしまうと思いますが(笑)

もうひとつがラストです。なんでジャン・バルジャンが死んだのかがわからなくて。原作小説だと64歳ってことで、まだ死ぬような年齢ではないと思うけど、それは現代の感覚ゆえでしょうか。ヒュー・ジャックマンも年齢の割には若々しかったものの最後は顔色も悪かったので、はっきりとした描写はありませんでしたがやはり病を抱えていたのか、それともコゼットと離れ離れになることに精神的なダメージを負っていたのか。コゼットはジャン・バルジャンを愛で満たしてくれた大切な存在ですからね。

<そんなわけで>

ミュージカル映画の金字塔ってことでぜひともこれは映画館で観てほしい作品です。尺が長いので体力は使うけど、あの素晴らしい歌を聴けば魂が燃えてくるはず!それにしても、ハリウッドスターはみんなちゃんと歌えるのがすごいですよね。日本だと歌える役者ってテレビにはほとんどいなくて、もっぱら舞台役者になってしまいますから。

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