いやもう韓国すごすぎ!ダークでバイオレンスなマーベル×週刊少年ジャンプのような超絶アクションエンターテインメント『THE WITCH/魔女 ―増殖―』
【個人的な満足度】
2023年日本公開映画で面白かった順位:17/76
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★★★★★★★
映像:★★★★★★★★★★
音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★★
【作品情報】
原題:마녀(魔女) Part2. The Other One
製作年:2018年
製作国:韓国
配給:ツイン
上映時間:138分
ジャンル:アクション、サスペンス
元ネタなど:映画『The Witch/魔女』(2018)
【あらすじ】
秘密研究所アークが何者かに襲撃され、殺戮の中でひとりの少女(シン・シア)が生き残る。その少女は、遺伝子操作によって超人的なアサシンを養成する〈魔女プロジェクト〉の実験体だった。
初めて研究所の外に出た少女は、ある姉弟と出会うことで、徐々に人間らしい感情に目覚めていく。しかし、少女の秘められた力を危険視した〈魔女プロジェクト〉のペク総括(チョ・ミンス)は、彼女を抹殺しようとする。
さらに、アークを襲撃した謎の超能力者集団や、姉弟を狙う犯罪組織も加わり、哀しき宿命を背負った少女との壮絶なバトルの火ぶたが切って落とされる!
【感想】
『The Witch/魔女』シリーズ第2作目。いやー、これは韓国映画のアクションとVFXのすごさを思い知らされますね。その2つってハリウッド映画の十八番のように思いますけど、まったく引けを取ってませんもん。
<バトルシーンがマジでやべぇ。。。>
ストーリーの構成としては前作とほぼ同じです。前作では、遺伝子操作によって生まれたジャユン(キム・ダミ)のキャラクターおよびその強さが見どころでしたが、今作では主人公の少女(名前がないのでアーク1とします)が、そっくりそのままジャユン的な位置づけです。アーク1もまた遺伝子操作によって生まれた超人であり、その力はジャユンに匹敵します。人智を超えた速さで瞬間移動はできるし、敵を殴れば数十メートル先まで吹っ飛ぶし、車も軽々蹴り飛ばすほどのパワーの持ち主です。しかも、強力なテレキネシスの使い手で、身のまわりにあるものを宙に浮かし、敵に向かって飛ばすことも可能なんです。彼女一人でマーベルのスカーレット・ウィッチや『ドラゴンボール』の孫悟空を彷彿とさせる戦闘能力があるんですよ。さらに、今回は同じような超能力を持ったキャラクターが前作以上に登場し、ラスト30分の三つ巴バトルは圧巻でした!!
<敵に同情すら覚える>
かわいそうなのがそんなアーク1と出会ってしまった姉弟と、彼らにちょっかいを出していたチンピラたちです。人間らしい感情のないアーク1でしたが、姉弟と出会い、彼らといっしょにいることで人間らしさを身につけていきます。ゆえに情が働いたのか、チンピラたちが姉弟の家に押しかけて来たときも、アーク1は彼らを追い払うことに一役買うんですが、そのシーンにおけるチンピラたちがあまりにも不憫なんですよ(笑)『ドラゴンボール』のセル編で、キレた孫悟飯がセルジュニアを一撃でぶっ倒していくシーンがあるんですけど、まさにあんな感じでチンピラたちがサクサクぶっ飛ばされていくんです(笑)それを表情をピクリとも変えずに、まるでデコピンするかのごとく、大して力を入れてなさそうな感じで相手を血祭りにあげていくアーク1の残虐さは恐ろしくもかっこいいんですよね。チンピラたちはやられて然るべきだとは思うんですけど、あまりにも力の差がありすぎてちょっと同情してしまいました。ただ、姉弟は結局チンピラたちからその報復を受けてしまうので、アーク1に関わったことによる悲劇は何ともやるせない気持ちになりますけれども。。。
<前作同様、バトルシーン以外がちょっと退屈>
この映画、上記のようにアクションと映像はメチャクチャ興奮するんですが、実はそれ以外がちょっと退屈でもあります。これ、前作もそうだったんですけど(笑)もちろん、話の途中にも超人たちの圧倒的な力を見せつけるシーンはありますし、それはそれですごく楽しめます。ただ、全体的にドラマパートが長いせいか、アクションシーンとそれ以外のところがぶつ切りになっているように感じてしまうんですよね。。。ここまでアクションがすごいと、もっとテンポのいい進行を期待したいところなんですが、そうはなってないと。
そもそもこのシリーズ、明かされていない設定がありすぎてわからないことが多いんですよ。何のために「魔女プロジェクト」は始動したのか。ジャユンやアーク1の母親の正体は何なのか(これはおそらく次作で明かされるはず)。超人間主義派とユニオン派とは何なのか。なんとなーくの関係性はわかるんですが、明確な描写がないのでイマイチふんわりしているんですよ。だから、ドラマパートも完全に理解はしきれなくて。。。物語の世界観や最新のVFXによって作られる超絶アクションがものすごくいいだけにちょっともったいないかなーとは思ってしまいました。まあ、それを補って余りあるほどのアクションがあるんですけどね。
<そんなわけで>
とにかく、アクションはものすごいのでそれでけでも映画館で観る価値はあると思います!こんな漫画みたいな戦いを実写でここまでやれちゃう韓国映画にはただただ驚くばかりですし、その振り切り方にフォーリンラブです。長らくこういう超人的な戦いってアジア人でやるイメージもなく、「似合わないんじゃないかなー」なんて昔は思ったりもしましたが、韓国がそれを覆してくれました。この手のアクション映画は、もう邦画では太刀打ちできないかもしれません。。。その分、アニメがありますが(笑)