"乙骨憂太"と書いて"碇シンジ"と読んだ『劇場版 呪術廻戦 0』
【個人的な評価】
2021年日本公開映画で面白かった順位:27/279
ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★
映像:★★★★★
音楽:★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★
【要素】
週刊少年ジャンプ
アニメ
アクション
【元になった出来事や原作・過去作など】
・漫画
芥見下々『呪術廻戦』(2018~)
芥見下々『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』(2018)
・テレビアニメ
『呪術廻戦』(2020〜2021)
【あらすじ】
幼少の頃、幼なじみの祈本里香を交通事故により目の前で失った乙骨憂太。
「約束だよ。里香と憂太は大人になったら結婚するの」
怨霊と化した里香の呪いに苦しみ、自身の死を望む乙骨だったが、最強の呪術師・五条悟によって、呪術高専に迎え入れられた。そして、同級生の禪院真希、狗巻棘、パンダと出会い、乙骨はある決意をする。
「生きてていいって自信が欲しいんだ」
「僕は呪術高専で里香ちゃんの呪いを解きます」
一方、乙骨たちの前に、かつて一般人を大量虐殺し、高専を追放された最悪の呪詛師である夏油傑が現れる。
「来たる12月24日、我々は百鬼夜行を行う」
呪術師だけの楽園を標榜する夏油は、非術師を殲滅させんと、ついに新宿・京都に千の呪いを放つ。
果たして、乙骨は夏油を止められるのか。そして、里香の解呪の行方は……。
【感想】
年内最後のアニメ映画ですかね~。今、週刊少年ジャンプで大人気の『呪術廻戦』の初の映画化作品です。ちゃんと原作漫画を読んでからの鑑賞ですよ!いやー、面白いですね。もし自分が小学生だったら、今の5億倍はハマってたと思います。今の子供たちにとってこの漫画は、かつての自分にとっての『ドラゴンボール』足りえる、そんなポジションかもしれません。
<碇、、、くん、、、?(笑)>
話としては、本編の前日譚です。本編でもちょいちょい名前が挙がっていた
乙骨憂太が主人公になります。この映画の予告を観たときに一番感じたこと、それは「碇シンジじゃん」って(笑)これはみんなそう思うんじゃないですかね。髪型や顔も近からずとも遠からず、服装も白のトップスに黒いズボン。さらに、当初の弱々しい雰囲気やテンションが低いところに加えて、あの声ですよ。このままエヴァに乗っても、あんまり違和感なさそうで。。。(笑)
ただ、終盤はしっかり乙骨くんでしたね。「誰かに必要とされて、生きてていいって自身が欲しい」。そんな彼の願いを叶えてくれる仲間たちを助けるために、自己犠牲を厭わず、里香の力を解放して、夏油に真っ向からぶつかっていく姿は、やっぱりジャンプ漫画の主人公です。
<サブキャラも集結>
基本は原作漫画の『呪術廻戦0 東京都立呪術高等専門学校』に忠実です。いくつか追加シーンはありますが、中でも一番よかったのは、新宿と京都で行われた百鬼夜行のところですね。ここが映画ならではの演出が最も多いです。バトルシーンがより増えているだけでなく、七海や冥冥、京都メンバーも出てきて、本編の原作漫画を読んでいる人からしたら、かなり興奮できるシーンでした!そういえば、冥冥の声は三石琴乃、ミゲルの声は山寺宏一なので、こっちにも『エヴァ』感はあるんですよね(笑)
<祈本里香の気になるところ>
個人的には、この里香で気になるところがあります。一方的な愛ならまだしも、相思相愛のはずなのに、なんであんなに禍々しい姿になってしまうのか。まあ、この作品の世界ではあくまでも"呪い"扱いゆえってことなんでしょうけど。別に恨みつらみがあるわけではないので、もう少し綺麗な姿でもいい気もしますけどね(笑)設定は呪いですが、パッと見は『ジョジョ』のスタンドや、『NARUTO』の我愛羅における"絶対防御"みたいなもんですかね。
<細分化・複雑化したように感じるジャンプ漫画>
この作品に限った話ではないですが、『ドラゴンボール』の時代と比べると、根底にあるものは変わっていないものの、世界観やキャラクターの設定は小難しくなってきたと感じます。敵側にも主義や思想があり、己の正義のために戦うことが増えてきました。フリーザなんて、星を安く売って高く売ることが本業なのに、漫画の中ではそんな設定は活かされず、ただただボコスカ戦ってただけですから(笑)過去のジャンプ漫画をすべて読んでいるわけではないけれど、こういうのは『BLEACH』や『NARUTO』から顕著になったイメージです。
キャラクターもかなり役割が細分化されていますよね。特殊能力の種類が増え、それぞれに得手不得手があります。近接戦が得意なキャラと、遠距離攻撃が得意なキャラも分かれていますし。こういうのは『ジョジョ』の第3部でスタンドが出てきたあたりから変わってきたんですかね、、、?
全然関係ない話ですが、焼肉もまるっとカルビなのを細かく分けて、希少部位として名称変えて売ってるところもよく見かけます。時代は細分化なのでしょうか。
サイヤ人たちは全方位でしたもんね。格闘も飛び道具も全部ひとりでやり切ってますから。差別化することを考えたら、ひとりで担っていた役割を複数人に分けるのが一番てっとり早いのかもしれません。
必殺技だって、見た目はただのエネルギー弾でも、五条悟の放つやつは"無下限呪術"といって、細かな設定があります。「気や霊力を操る」だけだった頃とはかなり違います(笑)
<その他>
前日譚ってことで、本編を観ていなくても話はわかりますが、結局、本編に出てくるキャラクターがたくさんいるので、やっぱり原作漫画かアニメを観てからこの映画を観る方がよいかと思います!