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半分ぐらいが過去作の流用と室井さんのDIYで、直近で過去作を観返していないと何も面白くないだろうなと思った『室井慎次 敗れざる者』
【個人的な満足度】
2024年日本公開映画で面白かった順位:87/118
ストーリー:★★★☆☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★★☆
映画館で観たい:★★★☆☆
【作品情報】
原題:-
製作年:2024年
製作国:日本
配給:東宝
上映時間:115分
ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
元ネタなど:テレビドラマ『踊る大捜査線』シリーズ(1997-)
公式サイト:https://odoru.com/
【あらすじ】
※公式サイトより引用。
「あの男との約束を果たせなかった――。」
現場の捜査員のために粉骨し、警察の組織改革に挑むなど、波乱に満ちた警察人生を歩んできた室井慎次(柳葉敏郎)。27年前の“青島との約束”を果たせなかったことを悔やみ、警察を辞めて故郷・秋田に帰る。そこには、かつての想いで、少年たちと一緒に穏やかに暮らす室井の姿が――。
そんな中、室井の前に突如現れた謎の少女(福本莉子)。彼女の来訪とともに、他殺と思われる死体が発見される。そして明かされる、少女の名前は…日向杏。シリーズ最悪の犯人と言われた猟奇殺人犯・日向真奈美(小泉今日子)の娘だという、衝撃の事実が判明する。
「とんでもない死体を見つけましたね、室井さん――。」
東北の山奥には似つかわしくない、おびただしい数の警察官、ヘリや警察車両――。「最悪」は何故室井慎次を狙うのか。
穏やかな暮らしを求めた室井のまわりに、再び、事件の影が迫りくる――。
【感想】
劇場版『踊る大捜査線』シリーズ通算第7作目。過去作のドラマと映画をすべて復習していたせいですっかり観るのが遅くなってしまいましたが、、、うん、時間をかけて観返しておいて正解でした(笑)
<過去作を観てないと何もわからない>
本作は『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』(2012)から12年ぶりの新作で、定年前に退職した室井さん(柳葉敏郎)に焦点を当てた物語となっています。12年も間が空いてしまっては、その間に過去作を観返していない限り、ほとんどの人は内容がうろ覚えなんじゃないでしょうか。で、もしその状態で本作を観たらほとんどついていけない気がします(笑)なぜなら、この映画では過去のドラマや映画の流用シーンが多いからなんです。僕はこの1~2週間ですべて観ていて記憶が鮮明なので、「おお、あのシーンか!」と感慨深い気持ちに浸れましたが、記憶が曖昧だとそれすらも気づかないでしょう。なので、ちゃんと復習していればそこそこ楽しめるはずです(笑)
で、当の室井さんは秋田の人里離れたところで里子たちとひっそりと暮らしています。空き家に手を加え、庭で畑仕事をするというDIY全開な姿は、余生を静かに暮らすおじいちゃんに見えましたね。というより、僕はつい最近まで昔の作品を観ていたので、今回一気に12年分の時間が進んだことで、おなじみのキャラクターがお年を召されたことにちょっと驚いています(そりゃそうだろって話ですがw)。この映画はそんな室井さんのDIYと過去作の流用が体感で尺の半分ぐらいを占めているような感じだったので、話がほとんど前に進まなかった印象ですね。
<またそこで引っ張るのかというネタ切れ感>
とはいえ、新しい要素がまったく何もなかったわけではないですよ。室井さんの家の敷地内から死体が発見されるんですが、それは劇場版第2作目の『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003)の犯人グループのひとりのものと一致したってことで、室井さんも再び事件解決に協力していきます。あと、突如として現れた謎の少女、杏(福本莉子)。彼女は劇場版第1作目の『踊る大捜査線 THE MOVIE 湾岸署史上最悪の3日間!』(1998)の犯人だった日向真奈美(小泉今日子)の娘です。なぜ室井さんが杏を見てすぐに日向真奈美との関連性がわかったのかは謎ですし、また日向真奈美ネタで引っ張るのかーって思わなくもないんですけどね。日向真奈美は劇場版第3作目の『踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!』(2010)にも出ていましたから。
<これはワンチャン青島復活なるか、、、?>
ただ、本作の段階では殺人事件の進展もなく、杏の目的もわからないまま、幕を閉じてしまいました。これだけ観たらわざわざ映画にする必要は正直あまり感じられず、スペシャルドラマでよかったのではないかなーって思うんですけどね。気になるのは、過去作の流用にメチャクチャ青島(織田裕二)が出ていたので、これはもしかしたら復活の可能性あるんじゃないかなあって期待してしまいます。あれだけ出しといて、室井さんだけで終わるんだったら、本当に何のためにやるのかって思います(笑)すべては青島復活のための前置きになるのかどうか。。。
<そんなわけで>
これを観るなら過去作の復習は必須です。それも、連続テレビドラマ、スペシャルドラマ、映画、と全部が対象なので、完全に往年のファンしか狙ってないなと感じます。果たして、その策は吉と出るか凶と出るか。