これを観ずしてダンスは語れない!夢を追いかけるすべての人たちへ『フラッシュダンス 4Kデジタルリマスター版』
【個人的な評価】
ストーリー:★★★★☆
キャラクター:★★★★☆
映像:★★★☆☆
音楽:★★★★★★★★★★
映画館で観るべき:★★★★★
【ジャンル】
青春映画
ラブストーリー
音楽
【元になった出来事や原作・過去作など】
昼は建設作業員で溶接工、夜はストリップ・クラブのダンサーであったモーリーン・マーダーの実際の人生から着想。
【あらすじ】
ペンシルベニア州ピッツバーグ。昼は製鉄所の溶接工、夜はナイトクラブのダンサーとして働く18歳のアレックスことアレクサンドラ(ジェニファー・ビールス)は、元倉庫に愛犬グラントと住んで自活し、プロのダンサーになることを夢見ている。
正式なレッスンを受けたことのないアレックスにとって、唯一の師であり相談役でもあるのが元ダンサーのハナ(リリア・スカラ)。アレックスの才能を買っているハナは、名門ピッツバーグ・ダンス・アンド・レパートリー・カンパニーの団員に応募するよう勧めているが、アレックスにはその勇気がない。一度は願書を取りに行ったものの、バレエのレッスンを積んだ志願者たちを見て自信を失くしたのだった。
そんなアレックスだが、ナイトクラブでは見事なダンスで客たちを魅了している。製鉄所の社長ニック(マイケル・ヌーリー)もそのひとりだったが、彼が食事に誘うと、「ボスとは食事しない主義なの」ときっぱり断るアレックス。
ところが、ひょんなことから2人の距離は急接近。ニックから自分の進むべき道のアドバイスを受けたアレックスは、再び入団願書を取りに行き、応募する。
果たして、アレックスはオーディションで独自のダンスを披露し、夢への一歩を踏み出すことができるのか―?
【感想】
1983年のアメリカ映画。ミュージック・ビデオのような構成で、とても観やすいのがよかったです。これ、当時は玄人の映画評論家からは低評価だったものの、素人の映画ファンが映画館に押しかけるほどの大人気だったそうで。1983年のアメリカ国内での第3位の興行成績を記録するほど!ちなみに、1位は『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』、2位は『トッツィー』でした(ソースはコチラ)。
<何と言っても主題歌が一番いい!>
この映画で一番推したいのは、やっぱり主題歌です。アイリーン・キャラの歌う『フラッシュダンス…ホワット・ア・フィーリング』。第56回アカデミー賞で歌曲賞を受賞し、世界的にも大ヒットして。僕はまったく世代じゃないんですけど、何で聴いたかな、、、ちょっと覚えてませんが、流れた瞬間に目頭が熱くなるぐらいにエモい気持ちになれました。多分、日本のテレビでもよく使われてますよね。始まりはスローで、途中からアップテンポになる流れがいいんですよね~。本作はキャストたちが歌うわけではないのでミュージカルではないんですけど、音楽がメインの映画なので、ミュージック・ビデオみたいな感じになっているのが特徴的です。
<振り切った性格の主人公が印象的>
音楽がメインなので、ストーリーとしてはシンプルです。かなりベタでコッテコテな青春映画で。ダンサーを目指すアレックスが、勤め先の会社の社長とイチャイチャしながら、夢を追いかけるというもの。公開当時19歳だったジェニファー・ビールスのかわいいことかわいいこと。明るくてスポーティで愛嬌があって、変に女子女子してないところに好感持てます。持てるんですけど、怒るとかなりヒステリックではあります(笑)交際中の社長の家に石を投げて窓ガラスを割ったり、車でトンネルを走行中でもお構いなしに途中下車してスタスタ歩いて帰ったり。さすがにやりすぎだろとは思いつつ、これぐらい振り切ってる方が印象には残りますね(笑)
<ある程度年齢がいってたら共感できる社長ニックの設定>
個人的にはニックもいい味出してるなって思いました。彼の設定に妙に共感してしまって。実は今の僕がちょうど公開当時のニックを演じたマイケル・ルーニーと同い年なんですが、やっぱりそれぐらいの年齢だからこそわかるものもあるんですかね。ニックは少年時代貧しかったそうで、その影響からか、妻に選んだ人はきちんと教育を受けて教養のある上流階級の人だったんですよ。今まで会ったことないタイプの人間だと。でも、結局彼にはそれが合わなくて別れてしまって。そこから本当にやりたいことをやろうと、すべてを捨てて今の会社を興したそうなんです。
若い頃って、ついつい自分にないものを持っている人に近づいて、自分の穴を埋めようとすることってあると思うんですよ。でも、自分にないものが仮にあったからといって、その人の生き方に合うものとは限らないんですよね。自分にないってことは、自分の生き方に合わないから身につかないのかもしれません。ニックが手に入れた上流階級の奥さんは、そういう意味でもニックと合わなかったのかもしれません。これは何もニックが悪いとかではなく、単にパズルのピースがハマらなかっただけです。おそらく、自分が若い頃にこの設定を観ても、あんまりピンと来なかったかもしれませんね(笑)
<文化を作る昔の映画>
70年代~80年代の映画って大衆文化に影響を与えてるもの多いと思うんです。登場人物の真似をしたファッションが流行ったり。主題歌が大ヒットして他の映画やドラマでも使われたり。宅配ピザやハロウィンが定着したり。現代の映画の方が映像はすごいですけど、今挙げたように文化を生み出しているっていう感じはあんまりしないですね。嗜好が細分化したことで、みんながみんな同じものを観なくなってっていうのもあると思いますけど、昔の映画の持つそういう魅力も僕はいいなと思います。あと、70年代~80年代の映画が持つ雰囲気、ノスタルジーとはまたちょっと違うんですけど、あの独特の空気もすごく好きです。
<そんなわけで>
ものすごくロマンチックだったり、感動的だったりっていう話ではないんですけど、使われている楽曲のよさがすごく伝わる映画でした。ミュージック・ビデオのような構成で尺も短く、とても観やすいのでオススメです。本当に主題歌が素晴らしい、、、!!