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ヘラヘラしてるのにメッチャ強すぎな殺し屋がもはやアニメキャラ感あった『貴公子』

【個人的な満足度】

2024年日本公開映画で面白かった順位:31/46
  ストーリー:★★★☆☆
 キャラクター:★★★★☆
     映像:★★★★☆
     音楽:★★★☆☆
映画館で観たい:★★★★☆

【作品情報】

   原題:귀공자(The Childe)
  製作年:2023年
  製作国:韓国
   配給:シンカ
 上映時間:118分
 ジャンル:アクション
元ネタなど:なし

【あらすじ】

※公式サイトより引用。
フィリピンで病気の母のために地下格闘で日銭を稼ぐ青年マルコ(カン・テジュ)は、韓国人の父の行方を知らない。

そんなある日、彼の前に“父の使い”を名乗る男が現れ、マルコは韓国に向かうことに。飛行機の中でマルコが出会ったのは自らを“友達(チング)”と呼ぶ謎の男“貴公子”(キム・ソンホ)。不気味に笑う貴公子に恐怖を感じ逃げるマルコだったが、彼の執拗な追跡と狂暴ぶりに徐々に追い詰められていく…。

なぜ、マルコの前に突然、父親は現れたのか…?謎の貴公子の目的とは…?すべてが明らかとなった時、マルコはさらなる危機に見舞われる。

【感想】

全編を通して半笑いの殺し屋がターゲットを執拗に追いかけるアクションノワール。テンポよく進むしアクションもかっこいいしで面白い映画でした。

<貴公子のキャラクターに酔いしれる2時間>

この映画は、貴公子(劇中で名前がありません)のキャラクターが一番の見どころです。常に半笑いで何を考えているかわかりません。マルコには「キミが生きている中で最後の友達」とだけ言い、正体は不明のまま。で、逃げ惑うマルコを執拗に追いかける。ニヤニヤしながら。。。でも、メッチャ強いんですよ、この人。実はマルコって別の組織からも狙われているんですけど、貴公子ひとりでそいつらをフルボッコ。そのシーンはまさに韓国版『ジョン・ウィック』でしたね(笑)カーチェイスも銃撃戦もお手の物。ひとりだけ戦闘力が違いすぎです。

<韓国映画のアクションは何が違うのか>

この映画を観て改めて思いますが、本当に韓国はこういうバイオレンスな映画を作るのがうまいです。邦画のアクションと何が違うんだろうって考えながら観ていたんですけど、なかなか言語化が難しい。。。強いて言うなら、、、キレ、ですかね。アクションは速いんですが、止めるところはしっかり止めて、動きに緩急があるというか。あと、攻撃がヒットするときの効果音が生々しいですね。特に鈍器で殴るときのグチャって音や、鋭利なもので刺すときのザシュって音がけっこう耳に残ります。そして、出血が多いのも特徴的です。「そんなに顔に血つかないだろ」ってぐらい全顔にベッタリ血がつくから、先の効果音と相まって痛々しさが増すんですよ。これはもう韓国の十八番ですね。

<オチを知るとすべてが茶番に(笑)>

総じて面白い映画でしたが、最後に特大のオチが待っています。それを知っちゃうとあまりにもあっけないというか、これまでのすべてが茶番に感じてしまいましたが(笑)結局、貴公子ってポッと出な感じだったので、「実は子供の頃、あの養護施設で……」みたいな設定だったらもっと彼に魅力を感じたかもしれません。あれ、もしかしてそういう設定だったかな?だとしたらわかりづらすぎます(笑)

あと、マルコはもう少し見せ場が欲しかったですね。一応、ボクサーとしてそれなりの強さを誇っているはずなんですけど、途中から逃げ惑うだけでほとんど戦っていなかったので。彼の実力を鑑みれば、貴公子とバディを組んで戦いに身を投じるのもアリかなと思います。

<そんなわけで>

世界観や振り切ったキャラクターという点では面白い映画でした。暗く暴力的な雰囲気の映画ではありますが、貴公子がいい具合にゆるさを出してくれているので、従来の同ジャンルの映画と比べるとまた違った印象を受けました。


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