ボリウッドの前ではトム・クルーズも完敗?!『ナイト&デイ』のリメイクが想像以上にすごすぎた『バンバン!』
【個人的な満足度】
2023年日本公開映画で面白かった順位:2/29
ストーリー:★★★★★
キャラクター:★★★★★★★★★★
映像:★★★★★★★★★★
音楽:★★★★★
映画館で観たい:★★★★★
【作品情報】
原題:Bang Bang
製作年:2014年
製作国:インド
配給:SPACEBOX
上映時間:156分
ジャンル:アクション
元ネタなど:映画『ナイト&デイ』(2010)
【あらすじ】
謎の怪盗ラージヴィール(リティク・ローシャン)と、偶然彼に出会った地味なOLのハルリーン(カトリーナ・カイフ)が、インドからイギリスに渡った伝説のダイヤ“コヒヌール”を巡って、残忍な犯罪組織や国際警察と世界を股にかけた争奪戦を繰り広げることに。
そしてその過程で、ラージヴィールが抱く真の目的が明らかになっていく―。
【感想】
いやもうボリウッドさすがだよって感じの映画です。。。歌にダンスにアクションに、最高のエンターテインメントでした。。。
<トム・クルーズ主演の映画のリメイク>
この映画、トム・クルーズとキャメロン・ディアスが共演した『ナイト&デイ』(2010)のリメイク作品なんですよ。日本では2023年2月10日に公開されましたけど、本国のインドではなんと2014年の公開。何で今さら日本で劇場公開するんだろうって思いますけどね(笑)ちなみに、主人公を演じたリティク・ローシャンとヒロイン役のカトリーナ・カイフは『人生は二度とない』(2011)でも共演した仲です。これも2011年の映画ながら、日本で公開されたのは2022年なんですけどね(笑)
で、内容についてなんですが、個人的にはオリジナル版よりも断然面白かったです。最高のリメイクだと思いますよ、これ。オリジナル版は、トム・クルーズがスパイ役ってことで、『ミッション:インポッシブル』シリーズと何が違うの?って印象だったんですよ。それでいて、アクションはすごいんだけど、ストーリーがあってないようなものだったから、そこまでハマることができず。。。だから、今回のリメイクにもあまり期待いませんでした。
<オリジナル版を超えた要素①:アクション>
ところがどっこい!実際に本編を観たらもうすごいのなんのって。同じ映画だから余計に比較がしやすいんですが、ボリウッドがハリウッド超えちゃってました。まずはアクションです。オリジナル版も確かにド派手なアクションをかましてくれるんですが、リメイク版はそれ以上。銃撃戦にしろカーチェイスにしろ、「そんなバカな!」っていうシーンのオンパレードでメチャクチャ興奮しました!特に、ラージヴィールの隠れ家のある孤島から逃げるシーンでは、オリジナル版にはなかった海上アクションが見どころでしたね(その分、オリジナル版にあった列車内での戦いがなくなっていますが)。
<オリジナル版を超えた要素②:筋肉>
次に、リティク・ローシャンの鍛え抜かれた驚愕の肉体にびっくりです。いや、オリジナル版のトム・クルーズも年齢を感じさせない肉体を疲労していましたが、今作でのリティク・ローシャンなんて「腹筋いくつあんの?」ってぐらいバッキバキになってて、これはさすがのトム・クルーズでも追いつかなかったですね。調べたら公開当時の2人の年齢もそんなに離れていないので、年齢は理由にならなそうです(笑)
<オリジナル版を超えた要素③:歌とダンスのパフォーマンス>
これはある意味ズルい部分でもあるんですが、インド映画ならでは。今作でも歌とダンスの圧倒的なパフォーマンスに釘付けになりました。特に、序盤で披露されたラージヴィールのダンスには見惚れちゃいますよ。あの軽やかすぎるステップと柔軟な腰使い。『RRR』の"ナートゥ"を思い出させます。でも、今回は従来のインド映画らしく数で勝負してました。"ナートゥ"は珍しく2人がメインの踊りですが、今回は画面いっぱいに人が並んで、みんなで激しいダンスを繰り広げています。やっぱり数が多いって存在感ありますね。
<オリジナル版を超えた要素④:断然面白くなったストーリー>
最後にストーリーです。ここがこの映画を面白くした一番の要素だと思うんですが、濃厚かつ感情移入しやすくなっているんですよね。オリジナル版は、トム・クルーズ演じるロイ・ミラーが、"ゼファー"と呼ばれるスーパー電池とその開発者を守るだけの話でした。単にビジネスとしてミッションを遂行するだけなので、そこに人間らしい部分を感じることができずに、僕はハマれなかったんじゃないかなって思っています。今回も大まかなストーリー展開は同じなんですが、ラージヴィールが敵の親玉に個人的な恨みがあるっていう設定が追加されているのが一番のポイントです。詳細は物語の終盤で明かされるんですが、それを聞いたときに彼がここまで命懸けになる動機がわかって、キャラクターに対する理解が深まりました。やっぱり"動機の強さ"っていうのは物語を面白くする上で欠かせない要素ですね。
<そんなわけで>
どの要素をとってもオリジナル版よりも大幅にパワーアップした今回のリメイク。インド映画らしく尺は長めですが、テンポよく進みますし、常にクライマックスみたいな感じなので飽きずに観られます。実は僕、今日4本も映画を観て、これが最後の作品だったんですけど、疲れた脳と体でも今日観た中で一番面白いと感じることができるほどでした。ぜひ映画館で観てほしい映画です。