【俳句】建国記念の日 建国祭〜碧 萃生
建国記念の日や顎髭も白髪に
好きなもの数へ建国記念の日
肉まんを昼食にして建国祭植字工建国祭の活字組む活字組む建国祭の植字工
父は印刷工として小さな印刷所で働いていた。
当時は活字をひと文字ずつ組んでいく活版印刷が主流で、本や新聞もそれで印刷されていた。
だから、新人と熟練工では1ページ組むのに大きな時間差があったらしい。
ひょんなきっかけで父は新聞社に移り、そこで新聞の印刷に携わる。
印刷方法も活字を組む活版印刷から変化していく。
詳しくは知らないが、写植、DTPと新しい技術が導入されるたびに、資料を山ほど持ち帰って勉強していた。
そんな時の父には、家族の誰も近寄れなかった。
建国記念の日と言われても、特にピンとこない。
アメリカの独立記念日、フランスの革命記念日のように史実にはっきりとその日が残っているのなら国民の盛り上がりもあるだろう。
ベルリンの壁が壊されて東西ドイツが統一された日も記憶に新しい。
実在したとかしなかったとか、はっきりしない神武天皇が即位した日と言われても、どうも感慨に欠ける。
そもそも、「建国記念の日」であって「建国記念日」ではない。
要するに、いつかははっきりしないけど、日本という国が誕生して今まで続いているのはおめでたいことで、それをみんなでお祝いしましょうと言うわけだ。
結局、この国で国民が盛り上がる日といえば、バレンタインデー、ハロウィンやクリスマスと、日本の歴史とは何の関係もない日ばかりとなっている。
※四句目、推敲しました。
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