【俳句】鰯雲 鯖雲 秋燕 十三夜 朝寒し
空覆ふほどに悲しき鰯雲
鯖雲や歩きたき子を歩かせし
父母も恋を言ひしか秋燕
電線のあはひに見えし十三夜
カフェの鍵開ける店員朝寒し
空が広がるほどに、この空が、あの戦争、あの紛争の地と繋がっているのかと悲しくなる。
僕たちにはなす術もなく、無力だと思い知らされる。
宗教や民族の争いなど、理解できるわけもない。
ただ、人を殺すことはよくない。
その価値観さえ、どうなのか。
ほんの80年ほど前までは、この国でも、他国への侵略に万歳していたのだ。
命よりも領土の拡大が正義だったのだ。
いや、そんなことを思わなくても、美しすぎる空は、時に悲しい。
僕の家は、ほとんど線路沿いだ。
一昨日、暗くなってから外に出ると、高架の上の何本もの架線の向こうに十三夜の月が輝いていた。
見とれているところに、妻が買い物から帰ってきた。
満月ではなく、少し欠けた月を愛でるなんて、日本人て不思議だ。
でも、人の魅力も実はそんなところにあったりする。
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