見出し画像

【俳句】三尺寝 夏 蟬しぐれ〜緑 萃生

親方と弟子に距離あり三尺寝

水ひとつこぼさず回る星の夏

言ひ残す言葉もなくて蟬しぐれ

一句目
建築現場での昼休み。
大工が思い思いの場所で昼寝をしている。
でも、何となく弟子は弟子でかたまり、親方からは距離をとっている。

二句目
この丸い地球が、24時間という恐ろしく早い速度で回りながら、水一滴、宇宙にこぼさないことに敬意を表して。
引力があるとは言いながら。

三句目
あらためて言い残すようなこともない。
平凡な人生に、蟬しぐれがふりかかる。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?