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読書の方法

読書の方法と言っても、メソッドの話ではない。
どちらかと言うと、スタイルの話だ。

読書をする時の、スタイルを決めている方は多いのではないだろうか。

僕の場合は、まず椅子にすわる。
どんな椅子でもいい。
ソファーでもいい。
自宅でも、必ず椅子にすわる。
自分のデスクの椅子でも、リビングの椅子でも構わない。
床や畳で、あぐらをかいたり、寝そべって本を読むことは、ほとんどない。
ただ、椅子やソファーの上であぐらをかくことは時々ある。
もちろん、行儀は良くないので、外ではやらない。

よく寝る前に、ベッドや布団で読書をする方がいる。
僕は、ほとんどしない。
妻によると、大体布団に入って5分もするといびきをかいているそうだ。

椅子にすわって、できればコーヒーが欲しい。
学生の頃には、コーヒー一杯で何時間も粘っていた。
当時は、そんな学生を受け入れてくれる店も学生街には多くあった。
中には、途中で授業に出てまたその席に戻ってくるという猛者もいた。

その頃は喫茶店というと、僕にとっては読書をする場所以外ではなかった。
タバコを吸っていたので、喫茶店で、コーヒー、タバコ、読書というのがいつものスタイルだった。
彼女もいなかった僕は、紫煙を燻らし、ほとんど空のコーヒーカップを口に運びながら、黙々と読書に耽ることができた。
何も話さずに、お互いに好きな漫画を読んでいるカップルを横目に、
「せっかく2人何やから、会話しろよ」
とヤキモキしながら、嫉妬心を押し隠して、活字を追った。

中学生の頃からのナガラ族は治っていないので、音楽はあった方がいい。
自宅でも必ず流している。
特に曲にはこだわらない。
モーツァルトがいいと聞いて流していたこともあるが、今はそんなことはない。
Apple Musicから適当に選んでいる。
図書館で読書もやってみたが、どうも静かすぎて落ち着かなかった。

通勤・通学時間が、読書の時間という方も多いだろう。
僕も、学生の頃は通学時間が読書の時間でもあった。
往復で、新書一冊などと挑戦していたこともある。
社会人になってからは、ほとんど車通勤だった。

読書は、本さえあればどこでもできる。
今は、スマホさえあれば、読書はできる。
それでも、僕は、自分のスタイルを整えないと、なかなか集中できない。
面倒臭いかもしれないが、多分これは変わらないだろうと思う。

妻に言わせると、
「あんたは何でも、格好から入るからな」
その通り。
何事も形が大切。
茶道ならぬ読書道というものがあるならば、僕のスタイルもその一派となるだろう。

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