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殺し屋が好き〜映画「ベイビーわるきゅーれ」とその2

殺し屋の映画が好きだ。
何の恨みもない相手を、躊躇うこともなく殺してしまう殺し屋。
彼らは普段は、身を隠して生きている。
SNSのプロフィールに「職業 殺し屋」なんて書くわけがない。
もちろん名刺もない。
日常の中に溶け込んで、僕たちと同じように働いて、同じようにどこかに住み、同じように買い物をしている。
時には、むしろ弱者であったりする。
それは社会的にであったり、いじめられていたり。

そこに僕は自分を投影しているのかもしれない。
何の取り柄もなく、平凡な日常を暮らしている自分。
そんな自分が、実はとんでもない能力の持ち主だとしたら。
何百メートルも離れたところから、寸分違わずに眉間を撃ち抜き、人知れずその場を後にする。
すれ違いに、相手の脇腹を突き刺し、周りの人が騒ぎ出すのを背中に聞きながら、地下鉄の階段を降りて行く。
時には直接対決になっても、東洋西洋のあらゆる格闘技の技を繰り出し、最後は相手の首をへし折ってしまう。
今のこのやるせない人生は、世を忍ぶ仮の姿なのだ。
……そんな自分であったなら。

殺し屋が好きな(あくまでも映画の話)人は、僕に限らずみなさん恐らくこんな心理ではないかと思う。
必殺シリーズの昼行燈、中村主水の人気もそんなところから来るのだろう。

そんな殺し屋好きにぴったりの映画を見つけた。
「ベイビーわるきゅーれ」
今更かよと言われるかもしれないが、普段僕は邦画をほとんど見ない。
今年もこれまでみた72本の映画の中で邦画はたった2本。
だから、この映画の一作目がコロナ禍の2021年に公開されていたことも、まったく知らなかった。
今回、Netflixがこの映画の2作目をおすすめしてきた。
海の日だけど、海にも行かないし、まあダラダラしてみっかと、どうせなら1作目からと思い、1作目と2作目を続けて見た。
そして、ハマった。

ちさととまひろの2人の殺し屋コンビ。
その社会不適合な2人の生活と掛け合いが癖になる。
でも、強い。
恐らくスタントを使わないアクションは半端ない。
殺しあり、笑いあり、殺しあり、殺しあり、笑いあり。
2作を続けて見て、早くもロスに陥っている。

9月には3作目が公開され、秋にはテレ東でドラマ化の予定もあるとか。
早く2人に会いたい。

今日も背後を気にしながら生きるマー君でした。

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