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俳句

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俳句を始めました。 ご指導よろしくお願いします。
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2023年6月の記事一覧

【俳句】夏至 梅雨寒 沖縄忌〜萃生

【俳句】夏至 梅雨寒 沖縄忌〜萃生

濡れ傘を払ひて立ちし夏至の人

梅雨寒や探偵物の二、三冊

知らぬ日の知らぬ空知る沖縄忌

身の程も知らずに俳号というものを考えてみた。
父が生前、巧生という俳号で俳句をやっていた。
若い頃に俳句を初めていたが、家庭を持ち、子供が生まれてからは遠ざかったと聞いていた。
定年後は、また俳句を始めて欲しい。
父が心配事などなく、俳句に専念できるようにしたい。
それが息子としての願いだった。
定年後の父

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【俳句】星涼し 桜桃忌 父の日

【俳句】星涼し 桜桃忌 父の日

星涼し見えしか球は素振りの子

妻と居て素うどん旨し桜桃忌

父の日や門扉しずかに暮れて行き

一句目
野球の素振りをする時には、目のまえに投手を思い浮かべてそのモーションに合わせて振る。
コースも内角、外角にわけて何度も振る。
夜、黙々と素振りを繰り返していると、やがて、バットの快音が聞こえ、ボールが星空に吸い込まれるのが見える。
最近は、家の前や公園で夜に素振りをする子も見かけなくなったけれど

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【俳句】入梅 梅雨晴 雨蛙

【俳句】入梅 梅雨晴 雨蛙

入梅や少し背もたれ高き椅子

梅雨晴や小窓の桟の薄埃

あれこれと食えぬ体や雨蛙

一句目
今年は例年よりも早い梅雨入りだった。
少し背もたれの高い椅子にゆったりと腰を下ろして、外の景色を眺めている。
梅雨入りという言葉は、さまざまな感情を引き起こす。
ああもう梅雨に入ってしまったかという諦めに似た感情。
あるいは、開き直りに近いかもしれない。
それと、よし、ここを越えれば燃えるような夏が待ってい

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