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note民を救う「光る君へ」~視聴者層を広げるとはこういうことなのだ!を見せつけてくれてます!!~

2023年の大河「どうする家康」。正直に言って失敗作でした。(ハッキリ)
個人的にキライ、という感情論ではなくNHKの思惑がスケスケで、見苦しかったという意味で、です。
紅白の出場者選定からもわかるように、とにかく「若い層」の取り込みに躍起になってる一派がいるんでしょう局内に。
その若い層取り込みの為には「ジャニーズ」だ「芸人だ」「他局で数字持ってる俳優だ」。「奇抜な歴史観オッケー!」「お涙頂戴のためなら史実の曲解やむなし!」
ドラマのメインロゴも、ジャニっぽくしちゃえば、若い娘は騙されるし、グッズも売れる!
もう、魂胆が、魂胆がみえみえで、こちらが共感性羞恥を発動するくらいのなりふり構わずでした。

 それって「新規層」を取り込むという事をちゃんと理解してない結果だったとおもうんですね。
新規層を取り込むと同時に、何も言わなくても観てくれる、大河ファンを離してしまった。
「歴史よくわかんないけど、●●君がでてるから視る」層からは、演出やストーリーに文句は出ないけど、彼らは来年以降はまた視なくなる。数字が大きく落ち込まないとしても、旧来の大河民が減って、俳優の個人的ファンがそこを埋めた。単純に構成比がかわっただけなのです。莫大な予算をつかっても今後に繋がらない層を取り込んだだけの徒労でしかありません。
頑張ってしがみついてくれる大河ファンから文句が出ただけで終わったわけで。
さて、今年の大河「光る君へ」
「源氏物語」を実写化するの??NHKにはエロすぎない?
合戦シーンはないよね?盛り上がりはどこに?
と前評判は比較的低めからのスタート。
しかし始まってしまえば、
「え、そうくる?」
「攻めてる!」
と徐々に注目度も上がってきました。
もちろん、合戦・維新・サムライ!な世界を大河に求める一定層は離れたでしょう。無言でかもしれないし、若干アンチコメを残してかもしれません。
でも波に乗ったあたりから、視聴を続けている層からのアンチコメは消えたように思います。
「どうする・・・」は視聴層からもずっとネガティブコメが続いていました。 そのあたりの違いも顕著です。
 
「光る君へ」の視聴を続けさせる魅力ってなんだろうか?と考えました。私なりにですけど。

何層もある「タイプ別」ささりポイント

 簡単に言えば「いろんな視方」ができるドラマなんだと。いろんな好みの視聴者が惹かれるようにできている。

<1>平安ファン
 平安期が初めて大河で扱われる。
平安好きには「ついに来た!」歴史的瞬間なのです。潤沢な予算と、日本最高峰の技術と俳優陣を駆使して供される平安の美。想像するだけでうっとりです。
そして、
実写版「五節の舞姫」
実写版「通い婚」
実写版「雨夜の品定め」
実写版「香炉峰の雪」
つぎつぎと夢にまで見た実写版が展開されていく訳です。
 余談ですが、「鎌倉殿」の時に三谷さんが言ってました。
「本当は奈良時代がやりたかったのだけど、これまでやってないので衣装もセットもなくて、一からつくると予算オーバーでダメだった」と言ってました。なので今回、平安期のドラマが実現したのは奇跡なんです。
<1b>平安文学ガチ勢
<1>の亜種として”平安文学”を愛してやまない勢も同時に取り込まれます。和歌、かなによる日記文学、31文字で心の機微を余すところなく表現する日本人の誇る文学を映像付きで味わえる。この上ない喜びです。

<2>平安時代知らないけど、知りたい勢
純良な正しい「大河民」がここに居ます。
何時代をやってもちゃんとついてきてくれる、N局が大事にしなければいけない勢力です。
これまで戦国しか興味なかたったけど、平安時代面白いと開眼されるかたもいるでしょう。「鎌倉時代」ってピンとこなかったけど、「鎌倉殿~」面白かったし、「平安期もおもしろいかも?」と思ってくれた人々もいたでしょう?鎌倉殿は終わっても三谷幸喜は貢献し続けるのです、凄い。
 
<3>甘々 恋愛ドラマ 大石静にうちぬかれたい勢

これが、今回「新しい勢力」と言ってもいいのではないかと。
大河ドラマの反応を毎週伝えるコタツ記事に必ず書かれてるのがこのドラマ紹介文・。
「「ふたりっ子」「セカンドバージン」「大恋愛~僕を忘れる君と」などの名作を生み続ける“ラブストーリーの名手”大石氏がオリジナル脚本を手掛ける大河ドラマ63作目。」
(余談ですけど、この一文って、何処が考えてるんでしょうね?みんな同じ事書いて、コタツ記事を長文化しててキモいんですけど)
恋愛ドラマのプロ大石静がぶっぱなす、大河枠では珍しすぎる恋愛ドラマ。どこまで描写するかどんな会議があったかすら気になる程の攻めの濡れ場と、キュンキュンするセリフの数々。
大石脚本慣れしてる民は静かに頷き、慣れてない民は悶絶してTV前でびちびちと毎週跳ねることになっています。
民放の恋愛ドラマを見慣れている層は離れていかないし、そうでないウブな民は釘付けになって行く。大石印のぶっとい楔である程度の「数」は揺るがない仕組みが構築されています
<4> もの書き勢
大河の中で、これほど「ものを書く人々」を意識してくれたことってありましたっけ?
「もの書き」は根暗で、うっとおしくて、難しくいて、メンドクサイ、と断言し、でもその根暗を主人公に置き、徐々に救われていくストーリー展開。

こんなに綺麗なら地味でも・・

noteを何か商売の告知につかっている層ではなく、もっと湿度の高いじっとりとした層、フツフツと胸にこみあげる、周りの人はあまり気づかない出来事の数々を、誰にみられる期待もなく書き貯めているシロウトもの書きのnote民にとって、毎週ぶっこんでくる、物書きにしかわからないミリ単位の細かい感情表現は、
「なんで知ってんの!?その心情!」と心を見透かされたような気がして動転、そして悶絶するに余りあるのです。

「書くことで己の悲しみを救った」
「帝にお読みいただくために書き始めたものにございますが、もはやそれはどうでもよくなりましたので、・」
「物語は生きておりますれば」(何度も推敲するところ)

そうそう!
そうそう!

こんなに物書きの心情にうんうんうんうん!と寄り添うドラマありました??大石静、すごい!と思うのです。
 このように、いろんなタイプの人が見続けられるポイントを内包したドラマなんですよね。光る君へ。だから視聴率も復活して安定していると思うのです。
(視聴率の話題があまりでない)
 根暗な物書きとしては、これからもくり広げられる、物書きならではの心情描写を楽しみにしていきます。

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