どんどん退化する企業のオウンド
大企業の多くでサポートサービスなど、アフター領域のコスト削減が進んでいる。特にコールセンター。
事情はわかるが、ユーザーにストレスを増やすことを軽視し過ぎ。
例えばドコモ、KDDI、SoftBankなどの通信事業者。
サービスを多様に展開し過ぎて、ユーザーが何をどこに聴いたらいいかわからない。ショップスタッフも対応しきれない。
オウンドメディアは情報が溢れて見つけられない。
だから電話で相談したいのに電話番号が見つからない。
やっと電話したら、それはここじゃないです、と言って別のところを案内される。
だったら本気でAIを入れろ、と思う。
電話会社だったら、電話ですぐに、24時間いつでもAIが受け付けしてくれるような取り組みをとっとと初めてほしい。
日本は超高齢化社会だし、テキストチャットで誤魔化さないでほしい。
NTTなんで長年音声認識の研究しているんだし、実用で使っていかないとラーニング進まないでしょ、って思う。
アリババとかは2018年くらいから音声AIで再配達とかの受け付けしてたわけで、そういう事例だって知っているだろうに。
FAQとか、お困りのことはどれか探してください、みたいな「ストレスたまる問い合わせランディングページ」は考え直してほしい。
自然言語検索とかで、対話で答えてくれるような仕組みってそんなに難しくないと思うんだけど、検索しても全然求めてる回答出てこないんだよね。
間違いなく、「他はこうしてます。これが現状の一般的な問合せUIです。」とかをベンダーに言われて、鵜呑みにして、KPIとかも、取れた数字だけでうまくいってますって言ってるんだろうな、って思う。
ホントに困ってランディングした人が、イライラして、解決しないで、離脱したスコアとかも、単なる1カウントとしてしか見てないんだろうし。
いつから、思考しない人たちがこんなに増えてしまったのか、って思ったりもする。
今日もAmazonのUIに辟易。
マーケットプレイスで買った商品が中国から発送されたもので、説明とサイズが違ったので返品をすることに。
返品先は中国で、その住所のラベルが表示されたんだけど、どこでどうやって返品するのかは案内が無い。
とりあえずコンビニに行くと、
「これはうちじゃ無理なんで郵便局へ。」
と案内され、郵便局に行くと、
「一番安くて1400円の送料がかかるし、着払いは海外だとできない。」
と言われました。。
そんなこと、最初からわかっているのに具体的な返送方法を記載しないのって怠慢でしかないと思う。
困って、どこに問い合わせたら良いかもわからず、というか問合せできるところが無いんですよね。これが。
結局この辺を見ても、どこにも対話ができるところが無いんですよね。
メールも、チャットも無い。
で、ようやく「お届けの商品に問題がある場合」というところに「出品者に連絡する」というのがあることに気付き、そこからチャットで連絡すると、「このたびはご迷惑おかけしてすいません。返金処理はするのと、商品代より送料の方が高いから、破棄していただいてよいですよ。」という連絡が。
なんか、私もUIでむっちゃイライラしてて、出品者中国だし、きっと適当にされてしまうんだろう、とか勝手に思い込んでて、チャットであっさり商品の返送は不要ですって言われて片付いたんだけど、やっぱりなんかすっきりしないんですよね。
そもそも発送方法などで困ったら、出品者に連絡して。というリンクがわかりやすいところにあるべきで、マーケットプレイスの出品者の場合は、直接やりとりするようにしているわけだし、なんでそうなってないの?って思ってしまう。
また海外に返品する場合の注意は、海外から返品する場合と同じように記載しておくべきだし。
最大の懸念
Amazonとか、国内の大手企業が、こういうUIにしていることが、個人的には最大の懸念です。
だって、みんなマネするじゃん。あれで良いじゃんってなる。
そしてデータマーケティングとかDXとかって言って、事業効率を重視した数字ばかり追うようになって、一部の泣き寝入りしている人は放置される。
これ、わかっててやってたら詐欺と大して変わらないと思うんです。
もちろん、人口は減少、原価は高くなり、利益率は下がる、という状況で、コストセンタ―にお金をかけることが難しいのは重々理解してます。
だからといって、そこの領域を効率化とコストカットばかりしてたら、顧客離れが進むことは確実です。
明確なチャンス
大手企業の多くがこういうスタンスになっているのは明白です。
とすると、ここってむっちゃチャンスだな、と。
既に検索代行とか、電話取次代行とかいろいろ出てきてますし、その辺は市場としても拡大している感じしますよね。
でも前者はなかなか収益的にには難しいように思えます。
さすがに検索代行で数千円払う人ってなかなかいないですよね。
お金があって、身寄りがないシニアとかはバンバン使いそうですが。
こういうのは人を雇うより安い、ってので企業からの固定費がもらえそうな感じしますよね。
で、「困りごと相談」ってサービス無いかなって検索したら、こんな社団法人が出てきました。
これはこれでわかりますが、全然状況が違います。
あ、何が言いたかったかというと、アフターサービスやサポートのイノベーションだけで既存大手に勝てる領域っていっぱいあるんだろうなって単純に思っちゃいました。
モノの価値がどんどん薄れている時代に、モノでブランディングするより、「満足保証」的な体験でブランディングした方が速いんじゃないかな、と。
そういえば、昔ユニクロって、何度か着た服でも、洗濯したやつでも返品・交換してくれてましたよね。
今は普通の対応しかない、世界的大企業になっちゃいましたけど。
規模とか大きくしなくて良いので、サステナブルに信頼できるアフターサービスを提供してくれる企業がもっと出てきてほしいなぁ。