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『Red』を観る

昨日は、一週間の疲れを感じ、やるべき事(確定申告用の作業)を放り出し、記事を書かずに、早々に寝落ちしてしまいました。その不調は今朝も続いており、ズルズルと寝床から出ずに、amazon primeで映画『Red』(2020)を観て、午前中の時間を過ごしました。その感想文を残します。


現実逃避としての映画鑑賞

今日が勝負と位置付けていた貴重な土曜日の朝に、わざわざ映画鑑賞をする行為が明らかな現実逃避であることを、十二分に自覚していました。今週は精神的な疲れが溜まっていたせいか、昨夜は早々に眠りに落ちました。平日と同じ時間に目が覚めたものの、近代日本史に特化したYouTubeチャンネルの動画を漁ったり、始動を渋っていました。そして、辿り着いたのが、島本理生原作、三島有紀子監督の『Red』でした。

原作の作者である島本理生氏は17歳でデビューを飾り、早くから実力派作家として注目されていましたが、氏の作品は本作含めて読んだことがありませんでした。後で確認した所によると、映画と小説とでは、設定も結末も大きく違っているようです。

もやもやするテーマ

何不自由のない生活を送っていた30代の主婦が、昔の恋人との再会によって日々の生活の中で抱いていた違和感が増幅していく物語で、主人公の村主塔子を夏帆、鞍田秋彦を妻夫木聡が演じています。夫の村主真(間宮祥太郎)は、エリート商社マン。裕福な夫の実家で、夫の両親と同居しています。幼稚園に通う娘が生まれてからは、専業主婦という設定です。

過去の回想と現在のストーリーが入り乱れる展開ですが、わかりにくさはあまりありません。夫、義父、義母が醸し出している価値観に、主人公が息苦しさと虚しさを覚えていることを印象付ける場面が幾つも登場します。夫は非常識な人間ではないし、妻と子に愛情を持っていることは確かです。ただ妻の感情を逆撫でする態度や言動を、悪意なくやってしまっているところがなかなか怖いです。夏帆さんは表情や仕草で、心の陰や闇をうまく表現していたように思います。

あくまで私の目線ですが、主人公の塔子の揺れ動く気持ちはよく表現できていたと思うものの、躊躇なく目の前の恋に走ってしまえる衝動と最終的に可愛い娘に嘘をついて去る姿には、心からの共感はできませんでした。どうしても、夫の真の立場に自分を重ね合わせてしまいます。自分の態度を省みて考えてしまう映画でした。

なお、好きな俳優の一人である、柄本佑さんが、会社の同僚役(原作には存在しない?)で出演しています。塔子に自分の本当の気持ちを自覚させる役回りを期待したのでしょうが、登場する必然性は「?」でした。

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