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ダウンシフターズ

本日は、私の人生後半戦の愉しみ方にも大いに参考になる生き方、『ダウンシフターズ』についてです。テキストは、髙坂勝『減速して自由に生きる: ダウンシフターズ』(ちくま文庫2014)です。

髙坂勝氏について

本書の著者であり、ダウンシフターズの提唱者である髙坂勝氏は、1970年生まれなので、私とはほぼ同世代です。30歳で体調を崩してビジネスマンを卒業し、2004年からは池袋に独りで営むオーガニックバー『たまにはTSUKIでも眺めましょ(略称たまつき)』をオープンさせ、その頃に『ダウンシフターズ』のコンセプトを打ち出されました。2018年にお店を閉店してからは、千葉県匝瑳市に移住し、多彩に活動をされています。

実は、本書はまだ読了できておらず、髙坂氏の考え方や活動を100%理解している訳ではありません。氏の現代社会の支配層を見つめる視線は冷ややかで、なかなか刺激的なことばが使われています。たとえば、

庶民を巨大経済システムのものとで働かせ給料を渡し、余分で必要のないモノを消費させることで、一部の大金持ちたちは潤っています。

P287

といった表現から、彼が抱いている価値観の一部が垣間見られるように思います。彼は、30歳の時に舵を切って以降、現在も新たな挑戦をされており、ようやく時代が自分の主張を理解し、考えが追い付いてきた、と考えておられるかもしれません。

ダウンシフターズ

『ダウンシフターズ』とは、クルマやバイクを運転時に減速する際に行うシフトダウンから来ていると想像します。(おそらく、本書の中に説明があると思うのですが、現時点で私がまだ本書の中身を読みこめていない為このような表現をしておきます。)『減速している人たち』という感じのニュアンスで考えればいいのでしょうか。村上龍氏が、

減速すれば、景色が鮮明に見える。発見もある

ということばを寄せています。また、解説は漫画家の山田玲司が寄稿されています。(「絶望に効く」生き様)

ダウンシフターズのコンセプトは、色々想像できますが、『自分が楽しいと感じられる生き方をしよう』というのがあるように思います。どのような人生を歩むかについて、自分自身で選び取っているように思っていても、実際には凝り固まった常識、周囲からの影響、世間体や見栄、身内との軋轢などによって、消去法的に進む道を選ばされている可能性が高いものです。個人の自由が前提となるが故に選べないという葛藤の結果‥という可能性もあります。

ダウンシフターズという生き方は、一つの選択肢であって、おそらくは強要されるものではないのだろうと思います。

人生のシフトダウンを実行した者として

私が2019年に行った決断は、髙坂氏が『ダウンシフターズ』と名付けた人生の歩み方の一形態に位置付けてもよいだろうと、勝手に思っています。私は自分の行った決断と生き方に最後まで自分自身で責任を取るつもりですし、これから先も様々な葛藤を噛み締めながら、困難や危機を乗り越えていきたいと思っています。

本書を手許に置いて、何度も読み返していこうと思います。

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