見出し画像

横浜市長選挙前日の私見

いよいよ明日(2021/8/22)が横浜市長選挙です。8人が立候補しています。公示日前に一度自分なりの分析をしましたが、改めて地方自治体の理想の首長論を掘り下げてみます。

危機状態下のマンモス自治体

横浜市は、約380万人(2021年7月1日現在)の住民を抱える日本最大級のマンマス自治体です。域内には、繁華街、住宅街、工場街、公的施設や教育機関などさまざまな集合体を多数抱え、いろいろな階層の、いろいろな考えの人々が働き、暮らしています。

私は、過去の経験から、横浜市の行政サービス対応はしっかりしているが、基本的に受け身で、時間がかかるという印象を持っています。予期せぬ問題が起こった時の対応には迅速さを欠き、対応が後手後手にまわりがちです。誰かが騒いだり、住民の不満が高まってから、ようやく行動に移すスピードが加速していく傾向があります。

現在、横浜市の行政機構で新型コロナウイルス感染症対策に動員されている職員の方々は、日々の対応に忙殺され、日夜色々とご苦労をされているものと推測します。残念ながら、対応の不手際や、遅れの不満の声も漏れ聞こえてきます。職員の方々にしてみれば、こんな微妙な時期に選挙なんてやらないで欲しい、というのが本音かもしれません。

巨大な行政機構を持ち、各業務のバランスを取らないといけない組織の宿命なのかという気もします。危機状態の時に、大事なところに資源を思い切って集中投入できない弱点が露呈してしまいがちです。

私個人の横浜市への不満

今現在の私の悩みは、なかなかワクチン接種の予約が取れないことです。早期のワクチン接種が重要と叫ばれ、私も国民・市民の一人として責務を果たしたいと考えているのに、機会が確保できない状態です。

横浜市のお達し通り、解禁日の開始時刻に、正攻法でネット予約を試みたものの、瞬時に受付終了となりました。以降ほぼ毎日トライしているものの、空きを見つけられない状態が続いています。今後はどんどん年齢制限が解除されていくので、益々予約が困難になっていくのでは、と危惧しています。

元々ワクチン接種をする気はあったので、こんなことなら、この前まで空きもあると言われていた自衛隊が対応している東京センターまで行って、接種しておけばよかった、と今は激しく後悔しています。

個人のエラーなのですが、対象者の多い巨大自治体ほど感染者蔓延リスクが高いのだから、優先的に手厚い接種体制を敷いてくれてもいいのに……、それが横浜市全体のリスク管理に繋がるのに……、と恨み節を言いたい気分はあります。

危機状況下の首長選び

今回の市長選挙は、新型コロナウイルス感染症の収束時期を未だ見通せていない危機状況下での首長選です。市長任期の四年間は、この状況への対応手腕と収束後のビジョン、その実行能力がポイントになります。

私は、今回は「危機状況下の首長に最適な人を選ぶ」と決めていて、時限的に独裁者的な手法でも思い切った策を取れる首長でも容認します。こういう時期は、人柄が良くて利害調整、話し合い第一の民主型リーダーは却ってふさわしくないと思っています。多少強引でも、矢継ぎ早に施策を実行する覚悟とバイタリティと耐性を兼ね備えた人に率いて欲しい、と考えています。

八人の候補者の顔ぶれを見ると、どの方も自己顕示欲の強そうな人達です。この中でコロナ対応に実行力を発揮できるのが誰か、コロナ収束後のビジョンとその実現に向けての具体的な実行案を示せるのは誰か、で選びます。

四年間の期限付きなら……

四年間の時限で、「使い捨てされる」「捨て石になる」覚悟を示してもらえるなら、長野県知事経験者の田中康夫氏はありだ、と思っています。

彼は、組織のトップ以外は向かない人だと思っています。一介の国会議員より地方自治体の首長向きの政治家です。弁も論も立つので、組織のトップ以外の裏方や縁の下の力持ち的な役割は求めない方が、いいと感じています。

知名度もあるし、個性的な人なので、二年くらいトップダウンで強引に施策を進めてくれれば、横浜市の雰囲気は変わると思います。やる気に満ちていて、独裁的権限を持った時の田中氏の手腕にはちょっと期待します。

ただ、長く権力の地位に止まってもらうべきではない人でもあります。独裁者、権力志向的臭いがします。長野県知事時代も、就任一期目の初期は強いリーダーシップを発揮して、ユニークな施策を次々と繰り出して注目されたものの、新味が薄れると、徐々にグダグダになった印象があります。

内閣総理大臣とは異なり、地方自治体の首長は、住民が弾劾制度で罷免出来るし、次期選挙で落選させることもできます。選んだ住民は、仕事ぶりに注目し、是々非々の声を出し続ける必要があると思います。民意の支持が自分にない…… と自ら悟った時の田中氏は、引き際も潔い、というイメージも持っています。

まあ、あと半日ほど時間があるので、誰に投票するか、じっくりと考えたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!

Markover 50〜人生後半戦を愉しむ
サポートして頂けると大変励みになります。自分の綴る文章が少しでも読んでいただける方の日々の潤いになれば嬉しいです。