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きものは、間合いです。

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33年も細く長く繋がってるともだちの、単独ライブへ。#着物を着て

絶やさぬこと

古歌 手の裡をよく知る人の剣先は心にかなうはたらきぞする ちょうど一週間前、見学に行った居合の稽古場で先生から教えてもらった。稽古場の遠くの角で稽古する人の動きに、古歌の響きが相まって、不意に、泣きそうになった。 伝統や常識にアンチなわたしが、昔の日本人の想いがわかるはずもないのだが、三百年前から絶やさぬよう大切に灯されてきた何かが、心に触れた気がした。

わたしの着物はじめは無い無いづくし。できっこない、と反対すらされた。

先生からの勧めで、普段着のひとつとして物を着るようになったのだけど その事始めには、母の大反対があった。 主な理由は、 ①「(着物を)収納する場所がない」 ②「手入れが大変(お前にはできない)」 ③「高価でお金がかかる(なんとなく)」 ・・・というもの。 確かに。 そのときは、それに対してなんにも言えなかったけど。 いまは、こんなふう。 ① 収納場所 : 着ていない洋服を処分したらタンスの引き出しが半分空いた。そもそも着物って畳んで仕舞うし、たとう紙に入れ

和の歩きで感じること

歩いているときに足の裏を地面に打ちつけるようにしない。 地球の丸みを感じとるかの如く歩をすすめること。  〜 和の姿生(姿勢)

きものの日

 さっき、追い抜かれざま「おはようございます」と声をかけられて「あ、おはようございまーす!」と、わたしも返した。うちの1階にある店の店長さんだった。爽やかな笑顔で微笑みながら彼女が一瞬、上から下まで鋭く見たのを感じた。わたしはいま自分の放った「・・まーす!」の余韻を心で反芻しながら、ああ今日はきものだった、と思った。  和装の人が少ないのだから、珍しさで見られるのはもう慣れた。仕方がない、けどわたしが着るのは晴れ着じゃなく日常の一部だから、冠婚にも茶席にも似つかわしくない風