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📖#2 冷笑ず筆で戊う明治のボンビヌガヌル『暋口䞀葉日蚘』

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暋口䞀葉女史の人生16歳20æ­³

匕き続き、䞀葉女史の人生をなぞりたす。

◆1888幎明治21䞀葉16æ­³

・2月 父を埌芋人ずしお、暋口家の盞続戞䞻になる
・5月 自宅を売华。以降、暋口家はずっず借家䜏たいになる。父が事業に乗り出す
・6月 萩はぎの舎やの先茩、䞉宅花圃みやけかほが小説『藪やぶの鶯うぐいす』を出版し原皿料をゲット

▌先茩が曞いた小説の原皿料が高額ず知りショックを受ける

萩の舎の先茩、䞀葉女史よりも5歳幎䞊の䞉宅花圃みやけかほセンパむが曞いた小説の原皿料が高額珟代の83䞇円くらいだったず知り、䞀葉女史は倧きなショックを受けたす。

䞀葉女史「小説なら女子でも倧金を皌げるんだ」

このこずは、䞀葉女史の胞に深く刻きざみ蟌たれ、早速、翌幎から小説を曞き始めたす。

ちなみに、花圃かほセンパむの小説『藪やぶの鶯うぐいす』の内容は、こんな感じ。

超わがたたお嬢様の浜子はたこは、鹿鳎通ろくめいかんの倜䌚に通っお色んな男性ずダンスをする奔攟ほんぜうで嫌な性栌だった。
その友人、浪子なみこはむケメン金持ちの男性をゲットするために、猫をかぶっお婚掻をしおいる。
浜子には芪が決めた婚玄者がいたが、お金はないけどむケメン秀才の正ただしに惚れおしたい、お金持ちパワヌで、正ず無理やり結婚しおしたう。
しかし、正には同棲しおいる未亡人のお貞さだがいた。
正は浜子に内緒で財産を盗んで、お貞ず駆け萜ちし、浜子は「幎䞊の未亡人に倫を奪われお逃げられたあわれな劻」ず䞖間で噂うわさされおしたい、深く傷぀く。
䞀方、友人の浪子は、猫かぶり婚掻がうたくいっお、むケメンお金持ち秀才の倫ず芋事結婚。
倫は浪子の本性を知らないたた幞せな結婚生掻に぀いお、友人にのろけるのだった。

もっず登堎人物は倚いのですが、倧䜓こんな感じのストヌリヌです。
性栌の悪い䞊流階玚お嬢様に、無理やり結婚させられお埩讐する青幎ず、䞖話をしおくれる幎䞊のお姉さん未亡人のお話。

正盎蚀っお   面癜くなくお読んでる途䞭で寝ちゃったのですが なんで人気が出たのか䞍思議です。
悪圹什嬢のプラむドを折っおやる展開がスカッずしたんでしょうか
私は、性栌が悪い自分をさらけ出す浜子お嬢様よりも「ほずんどの男性はおしずやかで優しい叀颚な女性が奜きでしょ」ず芋抜いお、猫をかぶり続けたたた、むケメン埡曹叞おんぞうしを萜ずした浪子お嬢様の方がこわいですねヌ。

花圃かほセンパむの小説が、そこそこの人気に留たっお、䞀葉女史の『たけくらべ』ほどの爆発的な人気にならなかったのは、花圃センパむの登堎人物のほずんどが䞊流階玚出身者で、文䞭にやたらず英単語レデヌス・パアトナア・レッ゜ン・デフィガルト・ブラザアなどが入っおたから、䞀般庶民には錻に぀いたのかなヌ
私は読んでいお䜕床かむラっずしたした(笑)


◆1889幎明治22䞀葉17æ­³

・3月 父の事業が倱敗に終わる。䞀葉、小説を曞き始める
・7月 父、事業倱敗による心劎がもずで病気で亡くなる享幎58歳

▌倏目挱石の矩姉になるかもしれなかった

䞀葉女史は幎半の間に埌継ぎの兄ず父を倱いたした。
ちょうどこの頃だったのか、それよりも少し前だったのか、正確な時期は分かりたせんが、䞀葉女史には|倏目挱石《な぀めそうせき》の“兄”ずの瞁談話があったそうです。

倏目挱石

倏目挱石さんずいえば、『吟茩は猫である』や『坊っちゃん』などの傑䜜をたくさん生みだした明治の゚リヌト文豪ですね。
しかも、䞀葉女史ず同じく旧お札トリオの千円担圓
䞍思議なご瞁ですねヌ。

なんで、その挱石の兄ず䞀葉女史が ずいうず、挱石の父ず䞀葉女史の父・則矩が、同じ職堎譊察庁の䞊叞ず郚䞋の関係だったから。

和歌も䞊手に䜜れおかしこい䞀葉女史を、倏目家長男挱石は五男の嫁にどうかず話が持ち䞊がりたしたが、すでにお金に困っおいた則矩が挱石の父に金を借りお返しおくれなかったので砎談になりたしたずのこず。

実は、この゚ピ゜ヌド、挱石の奥さん・倏目鏡子きょうこさんが語ったものなんです。
䞀葉女史の日蚘には曞かれおいないので、䞀葉女史には䌝わらず、お父さん同士の間で消えおしたった話だったんでしょうねヌ。

もし、暋口家に借金がなかったら、䞀葉女史は挱石の兄嫁になっおいたのかも

でも、この長男さんは結栞けっかくで長生き出来なかったそうなので、砎談になっお良かったのかもしれたせんね。
ちなみに、挱石さんの小説家デビュヌは、䞀葉女史の死埌10幎近く経っおからでした。

◆1890幎明治23䞀葉18æ­³

・5月翌3月たで 萩の舎の内匟子ずしお䞭島家に䜏み蟌み
・この幎に、父が望んでいた枋谷䞉郎しぶやさぶろう阪本䞉郎ずもずの瞁談が砎談になる

▌将来有望なサむコパス孊生ずの瞁談が砎談になる

䞀葉女史が13歳のずき、東京専門孊校珟・早皲田倧孊の孊生、枋谷䞉郎を玹介されたした。
枋谷は父・則矩が江戞に来たずきにお䞖話になった方の孫で、法孊郚に通う優秀な孊生でした。
そのため、則矩は圌を䞀葉女史の婚玄者に決めたのです。

䞀葉女史は枋谷のこずを嫌いではなかったので、婚玄はたんざらでもなかったそうです。

が、しかし
則矩が事業に倱敗したせいで、暋口家は借金だらけになったあげく、則矩は亡くなっおしたい、いっきに貧乏になりたした。

䞀葉女史にのこされたのは倚額の借金ず母ず効。
女人でどうやっお借金を返しながら暮らしおいけばいいのか。

そんな倧ピンチのずきにやっおきた枋谷は、

枋谷「孊校は卒業したした。さらに勉匷したいので、私に経枈的揎助をお願いしたす」

なんず 枋谷は借金だらけで倧黒柱も倱った暋口家にお金を求めおきたのです

枋谷、おたえ、正気か

これには、䞀葉女史の母が怒っお枋谷を拒絶し、婚玄は砎棄されたした。

そ・れ・な・の・に
枋谷は悪びれるこずなく、このあずも暋口家にふらっず寄ったり、季節のご挚拶なんかをしお、平然ず暋口家ずの亀際を続けたす。

枋谷のメンタルは鋌はがねなんでしょうか

䞀葉女史は貧乏が原因で瞁談が回も砎談になっおいたんですね。

◆1891幎明治24䞀葉19æ­³

・1月頃 20歳には小説家ずしおデビュヌするこずを決意
・3月 母ず効ず本郷区菊坂町の家で人の生掻が始たる。内職の掗濯ず針仕事でお金を皌ぐ
・4月 小説家 半井桃氎なからいずうすいを初蚪問
・6月 䞊野の東京図曞通に通う
・10月 ペンネヌムに「䞀葉」が䜿われる

▌ボンビヌガヌル、小説家になるこずを決意する

ただ10代なのに、女性䞀人で、母ず効を逊わなければいけなくなった䞀葉女史。

家賃や生掻費にさえ困っおいるのに、借金返枈もしなければいけないので、ちょっずやそっずの収入だけじゃ党然足りない
それなのに、明治時代に女性が皌げる仕事はほずんどなし

唯䞀、女性でも皌げる仕事は、䜓を売る遊女か、倧金持ちおじさんの愛人になるこず。
圓時、没萜した歊家のお嬢様は、家の借金返枈のために、遊女ずしお売られるこずが少なくありたせんでした。

䞀葉女史本圓は嫌だけど、家族を逊うためには、これしかないか  

思い぀めた䞀葉女史に、母は怒りたした。

母「嚘が䜓を売っお金を皌ぐくらいなら私は死ぬ」

そう蚀っお匷く反察したので、䞀葉女史は母ず効ず協力しお、知り合いに頌たれた裁瞫ず掗濯をしお、わずかなお金を皌ぎたしたが焌け石に氎。借金は枛るどころか増え続けたす。

䞀葉女史そういえば、萩の舎の䞉宅花圃みやけかほさんが小説で高額の原皿料をもらっおいたっけ。私も花圃さんみたいに、20歳で小説家デビュヌしおお金を皌ごう 文章を曞くのは埗意だし出来るはず

こうしお、19歳の䞀葉女史は、20歳で小説家デビュヌする目暙を立おたのでした。

▌幎䞊の先生に恋する

「幎埌には小説家になる」ず決めた䞀葉女史は、知り合いにプロの小説家を玹介しおもらいたした。
その小説家ずは、新聞に小説を連茉しおいた半井桃氎なからいずうすい。
䞀葉女史は圌に小説の曞き方を教えおもらえるこずになりたした。

さお、ここで問題がございたす。

半井桃氎なからいずうすいっお、だれ

お札にもなった暋口䞀葉の垫匠なのに
熱海に銅像がある『金色倜叉こんじきやしゃ』の䜜者、尟厎玅葉おざきこうようずも知り合いなのに
死ぬたでに小説を300䜜品以䞊も曞いたのに

それなのに

珟代人には、たったく知られおいない
それが、䞀葉女史の垫匠、半井桃氎なからいずうすいなのです

そんな珟代知名床れロの桃氎ずうすい垫匠31に、䞀葉女史19は恋をしたす。

◆1892幎明治25䞀葉20æ­³

・3月 桃氎ずうすいが同人雑誌「歊蔵野」を創刊
    䞀葉の凊女䜜『闇桜』掲茉
・4月 「改進新聞」に『別れ霜』の連茉を開始
    『たた襷』を発衚
・6月 萩の舎に広たった噂のせいで桃氎に絶亀を申し入れる。尟厎玅葉に玹介されず
・7月 「歊蔵野」に『五月雚』を発衚
    「歊蔵野」は発行郚数が䌞びずに廃刊になる
・8月 元婚玄者・枋谷䞉郎、来襲
・10月 『経぀くえ』を連茉
・11月 田蟺花圃の玹介で「郜の花」に『うもれ朚』を発衚

▌䞀方的に垫匠ず絶亀する

桃氎ずうすい垫匠が創刊した雑誌に、䞀葉女史の小説も茉せおもらえたした。
目暙通り20歳で小説家デビュヌです すごい
デビュヌ䜜以倖にも、次々ず小説を曞いお発衚したす。

順調な滑り出しかず思いきや、桃氎垫匠の雑誌はさっぱり売れず、原皿料は思ったほどもらえなかったので、貧乏は盞倉わらず。

そんなずき、桃氎垫匠ずの関係が悪い噂うわさずしお広たっおいるず知り、䞀葉女史は䞀方的に絶亀したす。
せっかく、桃氎垫匠よりも人気で有名な尟厎玅葉先生に玹介しおもらえるはずだったのに

▌サむコパス元婚玄者ふたたび

䞀方的に絶亀したものの、やっぱり桃氎ずうすい垫匠のこずが奜きな䞀葉女史のもずに、新期県の裁刀所で怜事ずしお働いおいた、サむコパス元婚玄者の枋谷䞉郎がやっお来たした。倏季䌑暇のため、䞊京したのです。

枋谷「あのずきは、おたくの事情を知らずに、無理な金銭揎助をお願いしおすみたせんでした」

枋谷は「暋口家にお金がないこずを知らなかった」ず蚀っおたすが、どうもり゜くさいですねヌ。
お金があったずしおも、幎半の間に兄も父も亡くしおいる家に「オレの孊費ず生掻費を出しおください」っお、普通はお願いしないような

なんか玍埗いきたせんけど、䞀葉女史が小説を曞いおいるず聞いた枋谷は、

枋谷「私が出版費甚を揎助したすよ。知り合いの坪内逍遥぀がうちしょうようにも玹介したしょうか」

ず、申し出たした。
坪内逍遥぀がうちしょうようは小説のスペシャリストで、この頃、早皲田倧孊で講垫をしおいたした。
サむコパス野郎 枋谷は早皲田倧孊の前身の孊校を卒業しおいるので、逍遥しょうよう先生ずも知り合いだったんですねヌ。

「砎談になったのに優しくしおくれるなヌ」ず思っおいたら、それから数日埌、知り合いが「枋谷ず再床婚玄しおみおは」ず聞いおきたした。

そうなんです サむコパス野郎 枋谷は䞀葉女史ずの結婚を諊めおいなかったのです

䞀葉女史も枋谷のこずは嫌いではなかったし、怜事ずしおしっかり皌いでいた圌ず結婚しおもいいかなず思ったようですが、今回も母がきっぱり断りたした。

「え なんで 枋谷ず結婚したら貧乏から抜けられるのに」ず思いたすが、ちょっず埅っおください。

枋谷の狙いは、䞀葉女史本人ではなく歊士の身分でした。
枋谷ぱリヌトですが平民だったので、歊士の身分が欲しかったのです。

枋谷「俺には孊歎がある。゚リヌト職にも就いた。金も皌いだ。あず、たりないのは身分だ」

おそらく、圌はそう思っお、砎談になっおしたった䞀葉女史のこずを思い出しお、埩瞁を求めおきたんだず思いたす

暋口家も元は平民だったけれど、今はいちおう歊士の身分。

母「私が倫ず䞀緒に苊劎しお手に入れた歊士の身分を、嚘を愛しおいない男に䞎えおなるものか」

ず、母は思ったんでしょうね。
私が同じ立堎でも断ったず思うなヌ。

ちなみに、枋谷はこのあずも順調に゚リヌト街道を突き進み、ドむツに留孊しお、垰囜埌に秋田県知事、山梚県知事を歎任したす。
うん。たあ  優秀だもんね。性栌ダバいけど。

そしお、元歊士の子爵什嬢ず結婚したす。
やっぱり、こい぀、ちゃっかりしおるわヌ。


䞀葉女史が代衚䜜『たけくらべ』を発衚するたで、あず3幎。


続きたす。


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