📖#4 千年前の和風シンデレラストーリー『和泉式部日記』
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まさか、ぼく以外の男が!?
このあと、弟宮は「門が開かなくてあなたに拒絶されたようで悲しい」と歌を詠み、和泉ちゃんは「門が開いてないのにどうして私の心が分かるのですか。外から見ただけでは何もわからないでしょう」とお返事。
弟宮は傷つくのがこわいようです。
おぼっちゃまほど、傷つきやすいガラスのハートですよね。
他の男が来ているのか確かめもせず、一人で傷ついてるなんて面倒くさ……いえいえ、繊細なお心をお持ちです。
弟宮、ひよる
弟宮、乳母に叱られてしまいました。
昔の身分が高い女性は自分で子どもを育てずに、乳母にお任せ養育スタイルです。
なので、本当の母よりも乳母は弟宮に身近な存在。
そんな乳母から「あんな女のところに通ってはダメです! そんなに好きなら、お屋敷で働かせて愛人にすればいいでしょう」と言われて「それもいいかもしれない。天皇や大政治家の藤原道長に知られて軽蔑されたらこわいし」と思う弟宮です。
いやいや、本当に好きなら妻にしなさいよ!
育ての母にちょっと言われただけでひよってるんじゃない!
身分が違うのでしょうがないのですが、それにしたって、使用人兼愛人のような扱いをしたら和泉ちゃんを傷つけてしまうと思うのですが……。
そこまで考えが及ばない、生まれながらのロイヤル思考の弟宮です。
行けないのなら連れてきちゃえばいいじゃん
そうです! 連れ去られた人がいないところは、弟宮の広大なお屋敷の一部だったのです!
平安時代のお屋敷はとても広くて、それぞれの建物が渡り廊下でつながってます。
だから、お屋敷の端の建物でこっそりデートをしても、別の建物にいる正妻や使用人たちには気づかれにくいんですね。
「彼のお家デートしちゃった! やったー!」と喜んでいいかは微妙なところ。
平安時代は男性が女性の家に夜に通うのが一般的。
それをいくら身分が低いからって、和泉ちゃんが弟宮様の家に通うのは、ちょっとひどい扱いな気がします。
女性を大切に思ってないですよね。
現代でたとえるなら、彼氏の都合のいい夜にだけ家(奥様は別の部屋にいる)に呼ばれてお泊まりして、朝のうちに起こされて「送っていきたいけど妻にバレたくないから」とタクシーに乗せられて一人で帰らされるようなもんです。
おクズ過ぎません!?
いくら超セレブなイケメンだからって、普通はブチ切れたくなりますよね。
でも、和泉ちゃんは切れません。
弟宮様のことを本気で好きになってしまったから。
それどころか、朝の光に照らされた弟宮の美しい姿を思い出して、愛情たっぷりのお手紙と歌を詠んでしまうのです。
恋って惚れたものの負けですねー。
悲しいですけど。
弟宮、こんなに好かれているんだから、和泉ちゃんをもっと大切にしてあげてくださいよ。
続きます。
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