📖#8 天皇に身も心もお仕えした乙女の打ち明け話『讃岐典侍日記』
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「堀河帝、ひどい!」と思わないでください。
堀河帝は言葉通りに長子ちゃんに悪口を言ったのではなく、長子ちゃんと親しい間柄だからこそ、冗談を言ってからかったのです。
堀河帝「私はいつだって、君がもう少し美人ならいいのにって思ってるよ(なんてね。冗談だよ。君はいつでも美人だよ)」
仲良しだからこそのディスりですね!
堀河帝のやきもち、かわいいー!!
長子ちゃん、めっちゃ愛されてるじゃないですかー!!
みなさま、キュンキュンしませんでしたか!?
私は、かなりキュンキュンしましたよ!
「なんだよ~、お前ら相思相愛じゃん! 付き合っちゃえよ!」と、腕で小突いてやりたいです!笑
そんな私のしょうもない妄想は置いといて、結婚式前夜も帝の夜のお勤めはあるんですね……引くわー。
明日結婚するんだから、誰か長子ちゃん以外の人が夜のお勤めを代わってあげたらいいのに。
日記には書いてありませんけど、堀河帝のご指名だったのかも?
長子ちゃんが明日結婚すると知った堀河帝が、今夜はどうしても長子ちゃんでないと嫌だと言ったのかもしれません。
堀河帝にはたくさんお妃さまがいるし、お子様もいるけど、一番好きなのは長子ちゃんだったんじゃないのかなーと思えてなりません。
ちなみに、長子ちゃんの役職の典侍は、天皇の性生活のお相手もお仕事としてありますが、他の人と普通に結婚します。
この夜のお相手のお仕事は、記録によると、なんと明治時代まであったそうです。
それほど、宮中では当然のお仕事だったんですね。
「夫になる人は嫌じゃないの?」と思いますが、#1でも触れたとおり、天皇に一番近いところでお仕えしている妻(典侍)から、重要な情報が手に入るので、夫にとっては出世のチャンス!
夫自身にもメリットがあったので大歓迎だったそうです。
一方、典侍にとっても結婚はメリットがあり、経済面を支えてくれる夫の存在は必要でした。
帝にとっても、典侍との間に子どもが出来てしまった場合、のぞまない皇子を引き受けてくれるので、典侍の夫は助かる存在でした。
典侍は天皇にとって、昼も夜もお世話してくれる存在以上でも以下でもありませんが、堀河帝にとって長子ちゃんは少なくとも夫に嫉妬しちゃうくらいには、愛しい存在だったんでしょうね。
二人の立場上、どんなに想い合っていても、お互いだけを愛することは出来ませんけど。
ううっ……切ない関係ですねえ。
堀河帝のお墓参りに出かけて、ぽろりと涙を流す長子ちゃん。
そろそろ本当に心の整理をつけて、前へと進むときが近づいてきました。
いいぞ! その調子!
この日記、ラストはまさかの「読んで欲しい読者」を指定しているんですねー。
他にはなかなか見られないですよね。珍しい。
長子ちゃんの希望する条件は以下の3つ。
この日記を読んでほしい人の条件3つ
堀河帝を本当に慕っている人
長子ちゃんのことを理解し、共感してくれる人
同じ気持ちで読んでくれる友人がいて、この日記を推薦してくれる人
さて、みなさま、3つすべて当てはまりましたでしょうか?
病弱で大臣と乳母になめられてるけど、おちゃめでかわいい堀河帝のこと、好きになれましたか?
自分の意見をあまり言わずに流されちゃうけど、本当に堀河帝のことを慕っていた長子ちゃんを理解して共感出来ましたでしょうか?
あなたと同じような気持ちで読んでくれる友人がいて、この日記をおすすめしたいと思われたでしょうか?
私は堀河帝いいなーと思い、長子ちゃんにも共感出来たのですが、お友達がね……その……全然いないので( ;꒳; )
ですので、ここでみなさまにオススメしましたわけです!
これで、一応、長子ちゃんの3つの条件はクリアしたかな?
『讃岐典侍日記』はそんなに長くないですし、とんでもない愛憎劇もないので、さらっと読みやすいと思いますので、みなさまもご興味ありましたら、原作もお読みくださいませー。
あらあらかしこ(*ˊᗜˋ*)ノシ
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