【介護】技術は向上しても心は教えられない
どんな仕事をしていても、その人の性格や仕事に対する考え方で合わないなぁと思うことはなかろうか。
私の外資系勤務の友達も、「学歴はあるけど仕事が全くできない役職の上司」に対するイライラ話をよくしてくれる。
仕事ができるできない、相性が合う合わない、など人間関係に関するストレスって逃れられない😢
私の場合は介護士だけど、確かにご入居者様やご利用者様と接する同僚を見て、性格が滲み出るし動き方が人それぞれだなぁと思った。
今回は仕事をしている上で、
「仕事でどこに重きを置いているのか」の違いに戸惑い、それが異なるタイプに対して苛立ちを覚えてしまう話。
介護職で大切な「寄り添い」についての話。
あなたはどんなタイプの介護士さん?
私が出会ってきた仲間を大まかに考えてみて、私は4タイプに勝手に分けていた。
⚠️あくまで、私の勝手な、一方的な、主観ですので、ご了承ください。
①寄り添い型
②時間重視型
③上記(寄り添い型+効率型)➗2
④やる気なし型
【①寄り添い型】
ご入居者様のお気持ちに寄り添うことができる。話を聞いてもらえ要望も受け入れてくれるため、ご入居者様から好かれやすい。
一方、耳を傾けるあまり、他の仕事が遅れ気味になることも。
寄り添い>時間。寄り添い優先になりがち。
優しい気持ちはあるのは共通だが、介助の技術のあるなしは人それぞれ。
寄り添い技術あるタイプは他シフトに迷惑をかけても見逃されたりするけど、寄り添い技術ないタイプはただ周りが見えないと文句を言われることも。
【②時間重視型】
ご入居者様に寄り添うことは少なく、淡々と仕事をこなす。
丁寧に介助するというよりは、時間重視で仕事をこなすため、排泄ではパッドがズレていたり、口腔後は洗面所がびしょびしょだったり。
おもてなし精神はあまりない人が多いイメージ。
早くてケアも丁寧なら完璧で好まれるのだが、早いだけでケアのきちんと感は微妙という人が多い。
義歯装着忘れ、更衣介助したら肩の位置がズレている、などケアが荒いのが目立つ。
(義歯装着忘れは事故報告になる、、、)
【③(寄り添い型+時間重視型)➗2 型】
そのままで、上記の寄り添い型と時間重視型を足して2で割ったような、両方の良い所取り。
スタッフ間では、1番仕事ができると評価されるのがこのタイプ。
寄りそい、会話も楽しめ、尚且つ、時間や周りのシフトも見ながら動くことができる。
ハキハキと受け答え&テキパキするタイプもいれば、癒し系静かめ&のんびりに見えるタイプもいる。
後者のタイプを、私は羨ましく思っていた。
のんびりマイペースに仕事をこなしているように見えるのに、時間通りに仕事を終えていたり、介助もきちんと綺麗だったりする。
【④やる気なし型】
なぜ介護職を選んだ?と思ってしまう人は大抵このタイプだった。
元々この仕事を選んだ理由が見えないので、やる気もなく見える。
ほとんど周りが見えていないことが多い。
他のシフトスタッフの動きも見えていなければ、目の前のご入居者様のことが見えてもいない。
残念ながら、スタッフ間で1番イライラされやすいかな。
ご入居者様のことを第一に考えてもいないけど、仕事が早いわけでもない。
お金のために、正社員というステータスのために介護を選んだ感じ。
〈同盟〉
①と③→寄り添うことができる
②と③→時間を気にしているという意味では同盟。ただ丁寧さの違いで溝が発生。
④は当然のことながら、どのタイプからも好かれにくい。
介護は「寄り添う」という言葉がしばしキーワードとなる。
「寄り添い」って結局は心。
だからここばかりは、会社が、上司が、育てることができない。
技術はいくらでも教えてもらう、教えることはできるし成長ができるが、この寄り添いの感覚だけは個々の問題となる。
寄り添いが全て正しいと言っているわけではない。
寄り添いがなくても、空気を読んで周りを見て介護職をこなしている人もいる。
ただ、「普通に考えて、常識的に考えて」わかることをしないと、寄り添いがない上に常識もない、ただの「心のない介護職」となる。
そしてこの心のない介護職は、④のやる気なし型ではなく、②の時間重視型に属する割合が高い気がする。
介護士のタイプの差で充実さが変わるご入居者様
有料老人ホームの時は、「担当制」があったため、①の寄り添い型か③の÷2型が担当になるとご入居者様は生活の充実度、満足度が得られる傾向にあった。
この担当制とは、
私の働いた老人ホームでは、全てのご入居者様に対し、1人につき1人の担当介護職がつく。
担当のお仕事は、
シフトによっては、全く自分の担当ご入居者様に会わない日もある。
だから、担当業務をするために時間を作らなければならない。
その担当ご入居者様と会話をしに行ったり。
物品のチェックに行ったり。
物品の発注(週1発注)ひとつとってみても、
タイプの特徴が出る。
⚫︎タイプ①&③
必要な分だけを毎週きちんと発注する。
毎週在庫をチェックしている証。
⚫︎タイプ②
まとめて発注する。
(その後、しばらく発注しない)
ご家族様にとっても物品の月々の支払いに波がある。
食べ物とか賞味期限大丈夫?と思うし、オムツも大量に発注するから場所を取る。
もしも入院とかご逝去になったら、、どうするのよ。
以前、ターミナルの方なのに大量に注文、ご逝去されてしまい、返品もできず。
ご家族様がなくなく支払いをしたことがある。
(オムツはホームに寄付して頂いた)
⚫︎タイプ④
発注すらをしょっちゅう忘れたりする。
寄り添い系統介護職は、基本的に担当ご入居者様とコミュニケーションをとっているので何を求めているのかを把握している。
そして、それを叶えてあげようと行動する。
例えば、「好きなものを食べる」という趣旨を含むケアプランがあれば、美味しいものを探して購入するとか。
もしくは外食許可の交渉もして一緒に外食したりとか。
↑これは残業申請できるんだけど、
このタイプは会社からやりがい搾取、寄り添い搾取をされやすい。
一方、not寄り添い系統は、そもそも寄り添うことをしないため、何かをしてあげたいとあまり思わない。
必要最低限の決まっている担当業務しかしない。
心が無いので、、、
ケアマネへのケアプランの提案の際、
他入居者様と交流好きな社交的なおばあちゃん、
「できるだけ臥床してゆっくり過ごして頂く」と
提案した20代女介護職がいて、ケアマネがブチギレていたことがあった。
「そんなん、廃用症候群になっちゃうし、寝たきりになるよ💢」と。
このホーム、ケアマネがまとも(←上からでごめんなさい)だから良いけど、ケアマネも一方間違えれば寄り添わない人もいるから気をつけたい。
心って、結局こういうところに出る。
不器用でも心だったり、担当ご入居者様に向き合う姿勢だったりって見えるものだね。。
私がご入居者様だったら、是非とも心のある人に担当して欲しいと願うばかりだった。
(たぶん私は有料老人ホームに入れないな💰)
相手が求めているものを把握できるか
私は自分で言うのもなんだが、どちらかというと介助をしている時、寄り添うし、丁寧派である。
話はそれるのだが、、、
これは私の体験談で、
介護職になる前に脱毛サロンに行ったときに、
・きちんと丁寧にクリームを塗り込んでくれる
・きちんと照射する時にやり残しのないよう対応してくれている
など、丁寧に施術してくれるスタッフが良かったから。
お金を払っている以上、大胆に雑にされた結果、照射されいない箇所があったら嫌だし。
(これもスタッフによって全然違ったなぁ)
私は、この経験をなぜか介護職に生かしていた。
丁寧にされて嫌な人はいないだろうと。
しかしながら、
訪問介護でさっさとやって欲しいタイプの方と初めて出くわした。
オムツ交換を、陰洗を、
「あまり綺麗になってませんけど?」
「綺麗にふけていませんけど?」
と突っ込まざるを得ない利用者さんがいたのだ。
もちろん衛生面では綺麗にこしたことはないのだけど、その人の場合、「パッドを変える」ことに意義がある。
ずっと同じタプタプのパッドを交換し、手早く陰洗し手早く拭き取る。
せっかちだから丁寧にされるとイライラしちゃうらしい。
自分では、有料老人ホームで学んだ、「寄り添い」「丁寧」を提供したつもりだったんだけど、その方にとってみたら全く寄り添ってくれない介護士になっていたんだな。
「丁寧じゃなくて良いから早くして〜」って毎回のように言われてたっけ笑
慣れてきた時には、手早くできるようになって、その方のせっかちな性格に合わせられるようになったけど、相手が求めているものを把握するって難しいってお話。
だからこそ、相手のことを知ろうと思ったりうま〜くコミュニケーションを取り、寄り添うことが必要になってくるのだと思った。
話は戻りまして。
私の働いていた有料老人ホームの場合。
お高いお金を払っても、
結局毎日のケアはシフト制で①②③④のどのタイプの介護職に介助を受けることになる。
ただ、どのタイプの担当がつくかによって、自分のしたいことができたり広がったりする。
高いお金で環境は選べても、介護士は選べない。
結局、介護業界は人間と人間の世界。
相性があるといえども。
一緒に働く仲間は、人のことを思いやることができる人と仕事をしたい✨