今すぐできる防災対策
また買い占め?
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が出たためか、ご高齢のマダムたちがドラッグストアでトイレットペーパーを大量に抱えており、レジに大行列ができていた。人は不安になるとトイレットペーパーを買い溜めする習性があるのだろうか。
巨大地震を何度も経験してきた人生
日本海中部地震も、三陸はるか沖地震も、どちらも偶然、震源に近いところで大きな揺れを経験し、それ以外にも不思議なことに震度5クラスは何度か経験してしまっている人生で、もはや揺れることに慣れてしまってきているのだが、その経験から毎度思うことがある。
何かが倒れるときは倒れるし、必ずしも防災グッズをきちんと持って逃げられる状況とは限らない。そんな中で、今すぐできる防災対策というのが1つだけある。
それは「家事を絶対に溜めない」ことだ。
誰でもすぐにできる防災行動
料理後のキッチンの片付け、食べた後の食器洗いと片付け。もしも「ちょっと休んで後からやればいいや」と思って放置していた隙に大地震が起こり、断水して電気も付かずガスも使えない状況になったらどうだろう。我が家はかつて母が煮汁の入った鍋をキッチンに放置したままの状態で震度5強がやってきて、鍋が煮汁をリビング中に撒き散らしながら吹っ飛んできたことがあった。ケガも破損もなかったが、とにかく臭い煮汁を洗うことができない。貴重な紙類で拭き取るが、臭い。あれは本当に大変だった。ちょっとのサボりが地震以上の大惨事を巻き起こしたのである。臭いくらいどうってことないだろうと平常時には感じるかもしれないが、災害時に清潔を保っていられることは、心の平穏を保てる要素でもあり、単純に汚れが何日も放置されれば虫が湧いたりカビたりするリスクも出てくる。とにかく、今できる家事は今すぐ終わらせておく。これが最大かつ簡単で今すぐ誰でも始められる防災だと私は思っている。
我が家は防災目的以外にも理由はあるのだが、寝る前によほどの倒れるほどの体調不良でもない限り、水回りは綺麗な状態にリセットしてから寝るようにしている。これを習慣にすることで、特に台所が散らかったまま寝るのは気持ちが悪いと感じるようになった。三陸はるか沖地震の時に液体を撒き散らした鍋について、母は「いつもは洗っているのにこの日に限って」と言っていた。当時は子供だったのでそれを鵜呑みにしていたのだが、家事を毎日するようになった今ならわかる。いつも台所をすぐに綺麗にする習慣のある人は、高熱で寝込んでいたり倒れていたりしない限り、絶対に鍋に煮汁を入れたまま放置するなんて出来ない。ムズムズして無理。なので、あの母の鍋ぶっ飛び事件は、起こるべくして起きたのだろう。
南海トラフ地震臨時情報が出て、電車も減速運転という台風直撃のような大騒ぎになっているようなのだが、トイレットペーパーを買い占める前にできることはたくさんある。家の片付けをしておくことで、頭の上から降ってくる危ないものを減らせるかもしれない。洗濯物も常に溜めないように心がければ、夏の菌が繁殖する前に洗浄を終えられる。もしも可能ならば倒れてきて怪我になるような大型家具を処分し、中身も整理するというのも一つかもしれない。家の中にものが多ければ、それだけ大惨事になるリスクもアップする。旅行会社もこの臨時情報が出たことからキャンセル料を無料にするなどの対応をしているようだが、もし思いがけずお盆休みに家にいることにしたという方は、防災グッズの見直しと一緒にこの際年末の大掃除のように家中をピカピカにしておくという有効な連休の使い方もあるかもしれない。
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