いつも途中

いつも途中
読むのが遅いの
読み終わらないの
読み終わったとして
きっとまた読むの

ほんの少しわかりそうなとき
ベルが鳴る

気がついたら
べつのこと考えてる

前に読んだところ
忘れてる
その間に子どもは初めて「あめ」と言った

風が吹いて
ページが次々めくれてゆくのを
見てる

読もうと思っていたのに
寝てしまう
ヨットの夢を見る

わたしはひとりしかいないけど
わたしにはこの本一冊しかないから
いつも途中

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